テラーノベル
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※ちょっとセンシティブあり
コンビニで買った可愛いパッケージに、いろんな味の入った飴。
リンゴ、イチゴ、ブドウ、オレンジ、メロン、パイナップル、ピーチ、レモン。
色とりどりの綺麗な飴たちの内、ひとつを口に入れて舐めていた。
「トラゾー何食ってんの?」
「飴」
だいぶ小さくなったそれをモゴモゴとさせながら言う。
「へぇ、俺にも一個ちょーだい」
袋を出してぺいんとに向けた。
噛み砕いて飲み込んで喋る。
「何味にする?どれも美味しかったし、色々あるけど」
レモンはちょっと酸っぱかった。
美味しかったけどあんま勧められないけども。
「えー?じゃあ、ブドウ」
「おっけー。……ん、はい」
紫色の個包装を渡す。
おまけにオレンジ色のもあげた。
「オレンジも美味しいからやる」
自分の好きな味だからぺいんとに勧めたい。
断トツで好きな味だったし。
「マジで?あんがと!」
ぺいんとがブドウじゃなくてオレンジを口に入れた。
「うま、この飴めっちゃ美味しいやん」
「だろ?コンビニで新発売ってあってさ、パッケージに惹かれて買っちゃった」
「女子かよ」
「いや程遠いわ」
とやいやい言い合っていたらひょこりと紫髪が覗く。
「お二人とも何食べてるんです?」
しにがみさんがぺいんとの頭に腕を置いて覗き込んできた。
「おい人の頭肘置きにしてんじゃねぇぞ」
「あれ?なんか肘置きから声がするような…?いや、気のせいか」
「おい!!」
という七味のやり取りに笑う。
ひとしきり笑ったあとにしにがみさんに飴を見せた。
「しにがみさんもどうですか?レモンはちょっと酸っぱかったからオススメできませんが」
「ちょっと待て。俺には全部美味しいって言ってなかったか?」
「美味しいけど酸っぱいって教えてんの。レモン選んだぺいんとのリアクションをあわよくば見たかったけどな」
「僕も見たかったな…空気読んでくださいよぺいんとさん」
「お前が食えよ!」
「はい、しにがみさん好きなのどうぞ」
「ありがとうございます!」
「無視すんな!」
わーわー騒ぐぺいんとを無視して袋をしにがみさんに向けた。
「えー…じゃあ、僕はイチゴとパイナップルにしますね」
差し出された手の平に赤色と黄色の個包装を乗せる。
「結構しっかり果物の味するんで、もしコンビニで見かけたら買ってみてください」
「わぁい!ありがとうございますトラゾーさん!」
友達とシェアするの楽しいな。
みんなとだから余計に。
「えー!じゃあオレにもくれよ!」
「へ?」
隣にいたあんまり話したことないクラスメイトに声をかけられ、ちょっと困惑した。
けど、仲良くなれるチャンスかと袋を向けようとしたら違う手に止められる。
「トラゾーのがなくなっちゃうからダメだよ」
「「「クロノアさん」」」
にこりと笑うクロノアさんに気圧されて、クラスメイトは嘘です!と前を向いてしまった。
「あ…」
結構量あるからよかったのに、そう思ったけどクロノアさんの笑顔が怖すぎて手に持った袋を置いた。
「クロノアさん用事終わったんすか?」
「うん」
「モテる男は違いますねぇ」
「そんなんじゃないよ。でも、ちゃんと断ったけどね」
そうクロノアさんの用事というのは所謂告白というやつで。
見た目もそうであるけど性格もよく、誰からも好かれるこの人は女子生徒からよく告白されてる。
それを言うと、ぺいんともしにがみさんもそうなのだが。
「(こんな人気者たちといて、俺よく刺されないよな)」
平凡な俺がこの3人といることをよく思わない人たちもいるだろう。
なんでお前なんか、と見られてる気がする。
「(友達と仲良くしてるだけなのにな…)」
何か言われてるわけでも何かされてるわけでもないけど、時々痛いくらいの視線が刺さることがあるのだ。
「…クロノアさんもいかがですか?」
「俺も貰っていいの?」
「はい。好きな人たちとこういうの分かち合いたいですもん」
友達として、と照れ臭くなりながらはにかむ。
「、っ、、…ありがとう」
それに優しく笑い返してくれるクロノアさんに袋を出す。
「何味にしますか?俺のオススメはオレンジですけど、…レモンは酸っぱいから他の…」
「じゃあオレンジとレモンにしようかな」
「へ?レモン美味しいですけど思ったより酸っぱいですよ」
「トラゾーのオススメと不人気なレモン貰うよ」
はい、と手を差し出されてオレンジ色と渋々レモンイエローの個包装を置く。
弓道をしてるクロノアさんの手の平というか、指の付け根らへんに点々とマメ?タコ?ができている。
痛々しいそれはこの人の真面目で努力家である証しであり、結晶ではあるけど。
ぺいんとの手の平も剣道でできてるマメがある。
クロノアさんと同じ頑張ってる証拠だ。
2人ともすごいなぁと思う。
クロノアさんは吹奏楽部も兼部してるし、ぺいんとも合唱部の助っ人をしてる。
しにがみさんは演劇部で主演を務めあげるくらい、演技や声の変換がすごい。
「(こんなすごい人たちと俺友達なんだよなぁ…)」
しにがみさんとは演劇の方で、よく話はする。
俺と他の人何人かで脚本を立てたものを演劇部が演じる。
それで話をよくすることが多い。
「(こんな人たちと、俺、仲良いことが奇跡だよな…)」
なんて考え事しながら手に取った飴を口に入れて酸っぱさにきゅっと顔を顰めた。
「っ、ぅ…!?」
レモンを食べてしまったようで、構えてなかったから酸味を余計に感じてしまう。
かと言って出すわけにもいかなくて。
「おい大丈夫かよトラゾー」
「水飲みますか?」
「らい、じょぅぶ」
酸っぱさで舌もいつも以上に回ってない。
「ごぇん、」
しかも唾液を分泌されてるせいであんま口も開けれない。
「ぺっしろぺっ」
ぺいんとにそう言われたけど、行儀悪いし飴に罪はない。
ふるふると首を振って噛み砕いて飲み込む。
「ぁ、ッんく…!」
「「「…!!」」」
バッと周りを見渡す3人に、何してるんだろうと首を傾げて若干涙の滲む目を擦る。
「ぅぅ…びっくりした…」
「…俺らの方がびっくりしてるよ」
溜息つかれた。
どうしてだ。
「は?なんで」
「無自覚トラちゃんめ」
「なんの話ですか」
「そのうち分かるよ」
「何が分かるんです…」
クロノアさんがオレンジの飴を口に入れてにこりと笑った。
だから何の話?
俺を置いてみんなで話すんなし。
放課後、ぺいんととしにがみさんは用事があると急いで帰っていった。
部活を休むほどよっぽど大事なものらしい。
俺はというとクロノアさんが一緒に帰ろと言ってきたから教室で大人しく待っていた。
仲のいい人たちにもあげていたら、あっという間に飴は無くなってしまって。
俺の手元に残ったのはレモン味の飴がひとつ。
「…そういえば、クロノアさんは飴食べたんかな」
オレンジを食べてるのは見たけど、レモンを食べてるのは見てないや。
「今日は集まりだけだって言ってたし、もう戻ってくるかな…」
だいぶ日が暮れるのも遅くなってきて外はまだ明るい。
校庭を帰っていく人たちを見ながら、手持ち無沙汰に飴の袋を触っていた。
「クロノアさんまだかなぁ…」
4人で帰ることが多かったから、2人で帰るのは新鮮だ。
と言っても、ぺいんととしにがみさん。
クロノアさんと俺。
で話しながら帰ることが多いからいつもより騒がしさが減るくらいなもんだ。
ぺいんとは途中でよく俺に絡んでくるけど。
手の中で遊んでいた飴の袋を破って食べる。
「ぅ、すっぱ…」
口寂しい時に飴はよく食べられたりするけど、レモン味は向かないかもしれない。
「トラゾーお待たせ」
「くろのあさん、おかえりなはい」
「あれ?またレモン食べてるの?」
「あまっひゃっへ」
「……ふぅん」
徐に俺の前の席に座ったクロノアさんがポケットからレモンイエローの袋を取り出す。
「たべへなかったんれすか?」
「ん?まぁね」
やっぱ酸っぱいやと思って噛み砕いて飲み込む。
酸味の残る口内に唾液が広がってそれも飲み込んだ。
「っん……そういえば、ファーストキスってレモン味って言うじゃないですか」
慣れてくれば酸っぱさも美味しく感じる(気はするけど、好んでは食べないかな)。
「あー…そうだね」
「クロノアさんはモテるから誰かとしてるから知ってそうですよね」
「トラゾーは?」
「へ⁈俺ですか⁈」
そもそも誰とも付き合ったことないから、することもできない。
でも、高校生にもなって経験がないなんて知られたら笑われそう。
そんなことでクロノアさんは笑わないだろうけど、なんか子供みたいで嫌だ。
「そ、そりゃ、勿論…!」
「…………へぇ?」
「も…もしかして、クロノアさんはしたことないんですか?」
嘘をついてる上に煽るようなことを言ってしまっている。
内心パニくってるから思ってもないことがポンポン口から出てくる。
だからクロノアさんの表情にも低くなった声にも気付かなかった。
「、じゃあ俺のほうが知ってるってことですね…!」
嘘です!なんて今更言えないし、そのまま押し通すしかない。
「………じゃあ教えてよ」
「え」
レモン味の飴を口に入れたクロノアさんに後頭部を掴まれて引き寄せられた時には唇を塞がれていた。
「んむっ⁈」
驚いて口を開けると口内にクロノアさんの舌が入り込んでくる。
コロン、と口の中で飴が舌の上を行き来してる音がして溶かすかのように絡められる。
「ん、ッ、ぅく…っ」
こんなの知らない。
机を隔ててるとは言えクロノアさんの引き寄せる力が強すぎなのと、段々と気持ち良くなってきて力が入らなくて突き放せなかった。
「は…ぁ、ッンン…!」
垂れそうになる唾液を舐め取られ、また唇を呼吸ごと奪われるように塞がれる。
どのくらい舌を絡められていたのか、飴が完全に溶けてなくなってやっと口が離された。
「はふ、ッ…」
どんな顔をしてるか分からない俺を見て、クロノアさんがくすりと笑った。
「…んで?ホントのとこはどうだった?」
「へ、ぁ?…わか、りまへん、れ、ひぁ…ッ」
レモンの味なんて飛んでくくらいわけが分からなくなっていた。
「……そう?じゃあ分かるまでしよっか?」
席を立ったクロノアさんに腕を引かれて窓に押し付けられる。
そういう意味じゃないと否定しようと思ったら整った顔が眼前に迫っていて。
「ぁ、待っ…!んぅぅ…っ!」
痺れるような甘さに、とっくの前に口の中のレモン味なんてなくなっていて。
首を振って離れようにも窓に押し付ける手に力が込められ更に密着されて後頭部が窓にぶつかる。
「んッ!、ふ、…ぁう…!」
見られたらどうしよう。
誰かに見上げられたら、誰かが教室に入ってきたら。
「……俺に集中して」
「ひぁっ!」
耳元で囁かれまた唇を塞がれる。
「ん、ンッ!」
苦しくなって脚から力が抜けてズルズルと座り込んでるのに、クロノアさんは口を離すことなく俺に合わせて一緒に座り込んでいく。
敏感な上顎を舐められ舌を強く吸われてびくりと肩が跳ねた時、やっと唇が離された。
肩で息をする俺を見てクロノアさんが笑う。
「ファーストキスはレモン味だったかい?」
俺が言ったこと嘘だって分かってたみたいでクロノアさんは意地悪く言った。
「…っ、はァ、ふ…ッ」
「すげぇ蕩けたカオ」
すり、と首筋を撫でられびくんと肩が竦む。
「んぁう…!!」
窓の下の壁にまた手を縫い付けられて、緩めている首筋にクロノアさんが顔を寄せた。
ちりっ、と小さな痛みがはしる。
「可愛い」
「ゃ、っ、待っ、てくだ、さ…!」
「待たない」
「ッひぁ…」
下から掬い上げられるように唇を塞がれて生理的な涙がポロッと落ちた。
「(ど、どうしよ…気持ち良すぎて、頭おかしくなる…)」
キスだけでこんなにふわふわするなんて。
縫い付けるクロノアさんの手をぎゅっと握り締めた。
「ァ…ッ、ん…ふ、ぅ…っ」
まるで恋人同士がするように手を繋がれて、キスをされる。
勘違いしそうになるクロノアさんの行動に内心首を傾げた。
「(勘違い…?)」
これじゃ俺がクロノアさんのこと好きみたいな感じになる。
クロノアさんもおふざけで、しかも男にキスをするような人じゃない。
「ぁふッ…」
口をまた離された時に俺とクロノアさんの間でできた糸がぷつりと切れる。
口元を拭われて、目を細めて俺を見るクロノアさんを首を傾けて見返した。
「くろのあさん…」
「ねぇ、もっといろんなこと教えてあげようか」
「いろんなこと…?」
この人になら何をされてもいい気がする。
寧ろ、クロノアさんじゃなきゃ嫌だ。
「好きな子を自分色に染めたいのは当たり前のことだろ」
「んン…っ」
「いろんな色の飴、トラゾー食べてたけど俺色の飴なかったじゃん?」
「⁇」
こくりと頷く。
水色の飴は確かになかった。
フルーツ飴だったからサイダー味は入ってなかったから。
「だから、トラゾーにちゃんと教えてあげる。”俺”をね」
「、…ぁ、っ……クロノアさん、になら……、俺も、あなたが、いい…」
ほっぺを撫でるクロノアさんの手に擦り寄った。
「好き、だから…」
クロノアさんにキスをされて驚きもあったけど、嫌悪感とかそんなのはなくて。
逆に嬉しかった。
「もっと、教えて欲しいです…」
「ふふ、たくさん教えてあげる。ファーストキスがレモン味なんて迷信だってこと。ホントはどうなのか」
「?…クロノアさんの、味…?」
甘くて頭が痺れるような身体が疼くような。
「……無自覚なところは治さなきゃね」
へたり込む俺を立たせたクロノアさんに、ふらりと寄りかかる。
「じゃ、これから俺の家に行こっか」
「はい、…」
「恋人になってからのキスの方がもっと気持ちいいことトラゾーに教えてあげるし、それ以上のことも教えてやるよ」
耳に吹き込まれる低い声にびくっと身体が跳ねる。
「教えてください…たくさん」
こんな急展開なことになるなんて思わなかったけど、クロノアさんになら何されてもいいかと握られた手を握り返した。
「おっはよー!」
「おはようございます!」
朝から元気に挨拶をしてくるぺいんととしにがみさんに顔を伏せたまま片手を挙げる。
「オハヨ…」
「声どうしたんですか⁈カッスカスじゃないですか!」
「ハハハ…」
こんな微かな笑いでも腰に響いてぐっと顔を伏せる。
「「……」」
「おはよ……ってどうしたの、2人とも」
先生のところに行っていたクロノアさんが戻ってきた。
机に伏せる俺は3人がどういう顔をしてるから分からない。
「昨日は随分お楽しみで」
「え?あ、うん。愉しかったよ」
「…わぉ勝者の余裕の笑みだ」
そっとクロノアさんが自分の上着を俺にかけてきた。
「…ヘ」
「トラゾー見えてる」
「⁇……!!」
そういえば項をめちゃくちゃ噛まれたり吸われた気がする。
「俺だけにしか見せちゃダメだからしばらくそれ着てて」
ふわりとクロノアさんの匂いがする制服の上着をぎゅっと被って握り締めた。
「そーいや、昨日聞きそびれたんだけどさ」
「なんです?」
しにがみさんがぺいんとに聞き返してる。
いらんこと言うなよ。
「トラゾーの飴見ててファーストキスはレモン味って言うじゃん?…そこんとこどうだったんだよ、なぁ?トラゾーさん?」
「……っ!」
やっぱいらんことだった。
「どうだったか教えてあげなよトラゾー」
「イエルカバカ!」
真っ赤になった顔を上げることができない俺の頭をクロノアさんが撫でる。
「そうだね、俺とトラゾーだけの秘密だもんね?」
「「かぁー!独占欲つよつよ彼氏だ!!」」
「知らんかった?」
「「いえ!知ってます!」」
伏せって小さく唸る俺の横に昨日のクラスメイトが登校して来たのか声をかけてきた。
「トラゾーどしたんだ?」
「…ナンデモナイデス」
「声やば!俺のど飴持ってるぜ!レモン味だけど」
カッと顔が熱くなる。
いろんなことを思い出して腕をぎゅっと握った。
そんな俺を無視して空気が読めてるのか読めてないのか分からないクラスメイトが声をかけ続けてきた。
「てか、ファーストキスってレモン味って言うけどホントのとこどうなんだろうな!」
知らない知らないと伏せたまま首を横に振る。
「⁇大丈夫か?体調悪いならオレが…」
「どんな味かトラゾーはよく知ってるよね」
パシリと弾くような音とクロノアさんの抑揚のないド低音の声。
「え」
クラスメイトがきょとんとした声を上げる。
「……のど飴も要らないよ。てか、俺のトラゾーに気安く声かけてんじゃねぇよ」
低く通る声に教室内の温度が下がった気がした。
「ヒェ!ゴ、ゴメンナサイ!!」
隣でガタガタバタッと音がする。
そろりと上着の隙間からクロノアさんを見上げると目が合った。
「トラゾーは人タラシがすぎるから今日もまた教えてあげなきゃね。誰のモノか、はっきりと」
「ッッ…!!」
クロノアさんはにこっと笑ってまた俺の頭を撫でて自分の席に戻った。
「トラゾー大変だなぁ」
「まぁ両想いになれて安心しましたよ僕たち」
「…タスケテ」
「助けてあげてぇけど、クロノアさんのが怖いからごめんな」
「僕も命は惜しいので」
「ハクジョーモノ…!」
「…クロノアさーん!トラゾーが浮気してやるって言ってますよ!!」
「クロノアさんよりかっこよくて優しい人のとこに行ってやるそうです!」
「イ゛⁈イッテナイ!イッテマセン!!」
慌てて顔を上げて訂正したけど、もう怖いくらい綺麗に笑うクロノアさんと目が合う。
「(お、終わった…)」
スマホを取り出したクロノアさんが文字を打ち込んでいる。
そして俺のスマホにピコンとLINEにメッセージが届いた。
おそるおそるメッセージを開く。
[抱き潰されるのと抱き殺されるのどっちがいい]
疑問系じゃないのが、既に確定事項すぎて怖い。
しかもほぼ意味同じなんだがと頭の隅っこで思いながらも訂正する勇気もなく。
[タイムは…?]
[ない]
即レス怖い怖い。
七味が勝手に嘘言ったのに。
[あの、俺に拒否権は…]
[拒否権…?]
文字から滲み出るくらいのお怒りに、地雷踏んだと背筋が震えた。
七味2人を睨みつけても知らん顔してきて。
またピコンピコンとメッセージが届く。
[ちょっとしたスパイスだよ!]
いらんスパイスを入れてくるな。
お前ら七味はいらんことを!
そんな辛味要らないわ!と返信する。
[両想いになった2人にプレゼントです!]
いや何を言ってんだ。
近々プレゼントあげようと思ってるのに、こんなことすんなら何もあげねぇぞと考えたけど喜んだ顔は見たいから結局無難に要らん世話です!と返した。
そして、始業開始の音と共にピコンとメッセージが届く。
[覚悟しなよ]
ハイ、俺の腰は終了しました。
早退したくなったけどクロノアさんの支えなしじゃ歩けない俺は放課後になるまで、ほぼ机とこんにちわをして過ごす羽目になっていた。
誰が付き合って2日目でこんなことになると思うんだよ。
もういらないと言っても、お腹いっぱいになっても覚えされるくらい身体にクロノアさんを刷り込まれた。
「ぁっ♡、ッひ♡♡も、もぉ…、♡わか、りまひ、た、かりやぁぁ…っ♡!」
「まだダメ。トラゾーのココがしっかり俺のこと覚えるまでやめない♡」
「ぉ、ぼ、えひゃッ♡のにぃ…♡」
身体の奥にクロノアさんのモノが擦り付けられる。
「ひぁあぁっ♡」
「ほら、キスもしてあげる♡」
「ん、むッ♡♡」
レモンなんて酸っぱいものでも、甘いなんてものでもなくて。
キスはクロノアさんとするもの、キスの味=クロノアさんと身体に刻まれる。
「俺よりかっこよくて優しい人と浮気するんだっけ?そいつ、キスが上手ならいいね?」
「ひぃいんッ♡!!」
仰け反った時に出る喉仏を甘噛みされてびくりと身体が跳ねてナカが締まる。
「初めてのクセにこんなドロドロになって可愛い♡」
「あな、ッた、♡だか、らぁ…!!」
「ははッ♡この状況であなたって言われるとなんか色々クるものがあるんだけど…」
「はッぁ♡ん、んぅうッ♡♡♡」
「自慢できるね?ファーストキスの味はレモンじゃなかったって♡」
「んむぅっ♡!」
揺さぶられて、クロノアさんにしがみつく。
「ぃ、いたくない、れすッ♡俺、と、くろの、あさんだけ、の、ひみつがいぃ…っ♡♡」
「、可愛すぎだろ…♡!」
激しさを増す動きにたった1日で覚えさせられた潮を吹いた。
「じゃあたくさん秘密作ろうか♡?」
「んッ♡つくる、つ、くります…♡!」
ちゅっとキスをして俺はクロノアさんの背中回す腕に力を入れた。
クロノアさんも俺の腰と肩に腕を回してぎゅっと抱き締めてくれる。
え?
この時のキスの味がどうかだったかって?
それは、俺とクロノアさんだけの秘密だから教えてあげない♡
コメント
7件
見るの遅れちったぜ、、 トラちゃんへ あなた無意識にaえいでましたよ? 天然たらしですわね😇😇😇
わー❗❗❗❗ 仕事がはやい…❗❗❗❗ そして雑でこれは天才すぎるので 私が崇め祭りますね(?)🫶🏻💗
マッジで文章が天才すぎて語彙力なくなりました…!シチュも神すぎてもう○んでもいい(?)