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※微 めりば ちゅうい。
チャットノベル難しかったので
とりあえず こっちで (
赫|「…格好いい、なぁ…w」
赫 side
真夜中、月光が柔しく街を照らす頃___。
赫|「はぁ…、」
外の見える仄暗い窓際、スマホ片手に座り込む。
彼__朱桜 赫の真横の壁には一枚のメモ書きがあった。
〝いつでも連絡してね〟
電話番号と、可愛らしい兎と猫のイラストが描かれた、
…ただ、それだけの紙。
1枚の紙に、たった2人に、縋っている。
翠|「っはい…。」
赫|「ぅ…、翠ぃ…」
毎晩の様に、泣いている。
毎晩の様に、電話をしている。
…何時もの、変わらない日常であったのに。
涙は、ゼラチンのように固まって溶けなくなっていた。
赫|「……やっぱ限界、かも…、」
翠は否定もせず、肯定もせず只静かに相槌を打つ。
沈黙、音の無い時間には、止め処無い感情が流れている。
その間も赫は、所々破れたような写真を眺めていた。
翠 side
少し、……いや、ずっと前の事。
赫|「俺、さ…紫雨先輩…すき、かも…」
彼からの唐突なカミングアウト。驚いた反面、嬉しい思いと、醜い思いは
彼の幸せそうな、不安そうな表情と交差する。
翠|「…そっか、応援するよ」
きっと赫ちゃんは俺の冷ややかな視線を恐れていた。
俺自身、百ゞと付き合っている事もあり同性同士の恋愛に否定意識は無かった。
それに、今俺は赫ちゃんが凄く、どうしようも無いくらい茈ちゃんを好きな事がよくわかる。
赫 side
茈|「あ、赫じゃん。また来たん?おまえ単位だいじょーぶ?w」
赫|「大丈夫ですよぉ~wおれ、せんせ‐と仲い‐んで。w」
茈先輩に会うためなら幾らでも授業なんてサボれるよ。
赫は、茈に…。
毎日の様に話す屋上。暖かい日差しと、生温い風が頬を撫でる。
空は真っ青で、雲一つない快晴だった。
瑞|「~‐.ᐟw」
茈|「〜~~…、好きだよ、そりゃ。」
二年生の、瑞先輩。茈先輩と同じクラス。
赫|…忘れなきゃ。
茈先輩に迷惑かけちゃだめだ。
おれの決意とは裏腹に、空は暗く澱んだ雲に溺れていた。
それから俺は、茈先輩の居る屋上に、行かなくなった。
行くのが、怖くなった。
他の人を好きになろうって、思った。
二年生の、桃瀨黈先輩。
あの人なら、と思った。(百の妹らしい。
赫|「黈ちゃん、かえろ~」
それから黈先輩を、黈ちゃんと呼べるくらいには仲良くなった。
楽しかった。好きだった。恋愛的に好きだと思っていた。
でも、違った。
久しぶりに茈先輩に会った。
黈ちゃんとは違う、心臓の鼓動が早まる感覚があった。
あんなに好きだと思っていた黈ちゃんが、好きになれていなかった。
じゃあ、きみ以外の誰を好きになればいい?
俺が小さい頃に作った糸電話も、手紙も未だ俺の机の中にへ乱雑にしまわれている。
翠 side
毎晩かかってくる、赫ちゃんからの電話。
毎秒のようにくる、百ゞからのチャット。
時々送られてくる、茈ちゃんからの相談。
…眠たいな。
そう思い、赤と白のカプセルを一握りほど口に放り込む。
翠|「…好きだな…。」
朦朧とする意識の中で、古びた時計の針が止まるように眠りに就いた。
朝、かな。目が覚めると、新しく100件ほど溜まっている通知。
百ゞと茈ちゃんだろうな…、と思いながら〝百ゞ〟と書いてある連絡先に触れる。
『ねえ、寂しい』『今から会いたい』『なんで見てくれないの』
と言うようなこちらを責める内容ばかり。
俺は冷たく、『ごめん、今起きた。』とだけ返しておいた。
正直、〝好きだから付き合った〟はずの百ゞが、面倒くさく思える時が増えてしまっていたのも事実だった。頼られるのが嬉しかったはずの茈ちゃんからの相談も、うざったく思えてしまうことも正直あってしまうことも事実だった。
嫉妬、悲しみ、期待…。好きの後遺症と、副作用だけが俺を形造っている。
俺だけが好きなんて辛いから。
赫ちゃんの忘れ方、知りたいなぁ…w
いつもと変わらないはずの自分の影が少し、小さく見えて、なんだか悲しい気持ちになってしまった。
茈 side
茈|赫は、翠の事が好きだ。
よく翠と居るのを見かけるし、翠といるときだけ幸せそうな顔で微笑うから
暖かい空気と、春の訪れはなんとなく、繫がっているように思える。俺を守ってくれるような、ふわりと暖かい空気を感じれば、そんな、くだらない事に逃げてしまう。
赫は居ない屋上で、ひとり寝転ぶ。
雨が降りそうな程淀んではないものの、ちらほらと薄暗い雲が見え始めていた。
ぼんやりと、思う。
赫は同性しか好きになれないのだろうか?それとも、〝翠だから〟、なのか。
…何処かで、聞いた話だ。
運命の人は、二人いるんだと。
1人目は、〝別れ〟と〝恋〟を教える
2人目は、〝永遠〟と〝真実の愛〟を教える、と。
もし赫が、〝一人目の運命の相手〟であれば?
いつか、別れなければならないときが来るかもしれないと考えると背筋が凍る。
どんどん思考は暗い方に傾く中、ぽつり、と雨が落ちてきて我に返る。
少し濡れた髪と制服に苛立ちつつ、屋上を後にした。
屋上の際に咲いていた小さなハルリンドウは少し、しおれてしまっていた。
それなのに隣のハルリンドウは美しく咲いていて、不思議なこともあるものだな、と思った。
赫に好き、って言えたらどれだけ楽だろうか。
瑞 side
瑞|「あははっ!w」
茈|「や、そりゃ好きだよ。」
その〝好き〟、瑞に頂戴。その後輩の赫くんって子が受け取ってくれないそれは、渡すことのできないそれは、
…捨てちゃうんでしょ?
捨てるくらいなら、瑞に頂戴よ。瑞ならずっと、大事にできる。
その思い出だけで、瑞、ひとりでいきていけるよ。
ずっと、茈くんのおともだちで、いられたらうれしいな。
茈 side
あれから大体1年くらい経った。
…そして、明後日は卒業式。
俺には、彼女ができた。
茈|「ん、瑞‐。いっしょに行くんだろ?行こーぜ」
同じクラスの、瑞。
俺の事が前から好きだったらしく、一ヶ月くらい前(俺の誕生日)に付き合った。
一年前、赫が殆ど屋上に来てくれなくなったあの日から、ほとんど赫とは話せていない。
今日は、卒業式の前々日ということで瑞とでーと(?)。
近くのショッピングモールに行くらしい。
こんな事言うのもクズなんだろ‐けど、赫は翠と幸せになってくれたら…。
とか、俺は瑞が幸せだったらいいな、とか。…これから、瑞のこと好きになれればいいな、とか。
茈|「っぁ、…」
瑞|「…茈くん?大丈夫…?」
茈|「…ごめ、ちょっと転けそーになっただけ」
一年前、赫が来てくれなくなった位。
俺が見つけた、不思議な花と同じだった。
不思議な花__ハルリンドウは、あの日とは違って、
二輪とも萎れていた。
其れに気づいて、少しだけ足を止めてしまった俺は
まだ赫に未練たらたらでダサい男なんかな。
茈|「瑞は何処行きたいの?」
瑞|「…瑞、好きなアクセ屋さんあってさ、そこ行ってもいいかな、?」
茈|「ん、わかった。行こ?」
落ち着いた雰囲気のお店に入れば、指輪やネックレスなど沢山のアクセサリーが並んでいた。
茈|「なんか欲しいのあんの?」
瑞|「えと、……茈くんとペアリング欲しいな、とか…」
茈|「ぇ…?」
瑞|「ぁ……ぅぅん、なんでもない。」
茈|「…いいよ、瑞。どれがいい?」
少し、重いって、思ってしまった。
指輪や、ネックレスは嫌だって、思ってしまった。
だから自然と、瑞が欲しがってるってわかってたブレスレットやネックレス、チョーカーなどを避けてしまっていた。
でも、赫からだったら、とか。……そんなこと考える度、自己肯定感が下がっていく。
赫|「えへ、翠優しぃ、⸝⸝」
美味しそうにクレープを頬張った赫が、翠と二人で座っていた。
赫 side
翠が、俺の好きなクレープを買ってくれた。
優しくて、俺にたくさん構ってくれる彼氏の翠。
元カノの百と別れて、俺と付き合ってくれた。
百は百で、翠とわかれてからもっといい人見つけたらしいし、
俺や翠とも十分連絡を取ってる。
翠と付き合ったのは、二週間くらいまえ。
それから、変わったのはたったふたつ。
ひとつは、茈先輩と全く連絡を取らないどころか、姿すら見なくなってしまったこと。
俺はこっそり、(先輩は運動神経いいし頭もいいから)いい高校に行くために引っ越したんじゃないかと思ってる。
其れに合わせたように、瑞先輩の話も殆ど聞かなくなった。
最後に二人の話を聞いたのは、二人が付き合っているということだけ。
茈先輩は瑞先輩の事が好きなのは分かってたし、瑞先輩がたとえ茈先輩を好きじゃなくても茈先輩かっこいいから絶対すぐ好きになるもん。
でも、茈先輩が幸せならいいかな、って。
俺には翠も、何かあったら百や黈だっている。だから、俺は大丈夫。
翠とたくさん遊べる〝これから〟と茈先輩と屋上で話せた〝思い出〟があったら、しあわせになれるし。
茈先輩がしあわせになるためだったら、俺、なんでもできるよ。
赫|「ぇ、…っ」
翠に買ってもらったクレープを食べていたら、目の前を瑞先輩と茈先輩が横切った。
瑞先輩と手を繋いで歩いている茈先輩は、きっと幸せなんだろうって思ったら、
俺も、すっごく幸せな気分になっちゃって、少しだけ、涙が出てきちゃった。
ショッピングモールの窓から見えたハクサンチドリは、暖かな春の風に揺られて、愉しげに躍っていた。
ジレンマ _ Fin. end 1 - 幸せになってね。
コメント
3件
うわあ、めっちゃ切ない…。赫くんの「忘れなきゃ」って気持ちと、それでも茈先輩を見たときの鼓動の違いにグッときました。全員が誰かを好きで、でもその想いがちゃんと届いてないもどかしさが、ハルリンドウの描写と重なってじんわり痛い。翠くんの「好きの後遺症」って言葉が刺さりました…。end1ってことは他のルートも読めるのかな、気になります。