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_普通になりたい。私の願いはそれだけだった。たったそれだけ。
けれど、夜宮家に生まれたからには、「殺し屋」にならなければならない。
家族や…親戚、メイドだって殺し屋だった。
子供の頃はまだ良かった。今じゃ…毎日毎日、任務だらけ。命の尊さなんて、なにもわからなくなっていった。
今日も、銃声と共に椿が咲き誇った。
「はぁ…」
私は昔から…依頼してくる奴らが大嫌いだった。自分の手を汚さずに殺そうとするから。
でも…ソイツらに対する憎しみも殺意も今日で終わりにしよう。
私が殺した人たちに地獄に落としてもらおう。私に幸せは似合わない。
…どんな方法で死のうか。他の奴に殺してもらおうか?いや、自分の手で自分を殺そう。溺死?焼死?OD?
溺死でいいか。
「さようなら。馬鹿な私。」
重りを抱え、海へ飛び込んだ。
海中は綺麗だった。天井は月に反射し、キラキラと揺れていた。酸素がなくなり、苦しくなっているのにも関わらず、紺の景色に見とれていた。気付かない間に、意識が飛んだ。