ＡＫＧ右

【 注意事項 】

・ 倫理観はない

・ モブへの暴力

・ ﾝﾃｨｻﾐ＋ﾝﾃｨｶｹﾞ×ｺﾙﾎﾞｳｪ

・ なんでも許せる人向け

（ ＊ 未完成 途中までしかない モチベがなかった 没かもしれない ）

「よぉ 項垂れてるその兄ちゃん」

酒に溺れ宛もなく路地で寝る生活を送っていた男、赤城。そんな赤城に派手な身なりをした男二人が話しかける。片方は背丈がデカく眩しいくらいのオレンジの髪に優しそうで胡散臭いタレ目、もう片方は雲のようなふわふわの白い紙に特徴的なオッドアイの目でオレンジの男に比べれば低めの身長だった。

文字通りゴミ袋の山へと項垂れている赤城に “親切” な二人は声をかける。勿論初対面の人間、しかも二人にこうして見下ろされると気分はいいものとは言えず赤城はただジッと二人を見上げ、睨んでいた。

「やだな〜 睨むなよ兄ちゃん。なんか辛いことあったんか？ 俺らでよけりゃ話してくんない？」

「ぼくと宇佐美が力になるで」

きっと女なら引っかかっていたであろう優しそうな笑み。貼り付けられたその笑顔が気色悪くて、酒を過剰に飲んだ赤城には胸焼けを起こすほど甘ったるいものに感じた。一向に口を開かない赤城に痺れを切らしたオレンジの男、＿＿宇佐美と呼ばれていた人物は赤城の目線に合わせるようにしゃがみ、気色の悪い笑顔を保ったままジッと見つめ返す。無駄な時間だと思った赤城は一つ はぁ とため息を吐いてはお得意のマシンガントークでこの場を切り抜けようとした

「え、なになに〜？？ オニーサン達そういう系の人？ 悪いけど僕忙しくってえ、これから優しいお姉さん達に拾われる予定なんだよね〜♩ こんなくっさいゴミ溜まりにいる可哀想なイケメンほっとく女の子とかいないから〜、…だから早くどっか行ってくんない？」

けらけらとおちゃらけながら話し、最後に声のトーンを落とし睨む。これなら怯むだろうとウキウキで実行したのものの二人は怯むどころか腹を抱えて笑う。そんな光景に鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてポカンとする赤城に鶏のような笑い方をする宇佐美が再度話しかける。

「お前さっきからそこにずっといるけど拾われねえじゃん」

「おもろいなー コイツ。商売しようか思ったけどちょっと、バラしたりするんは勿体ないな…」

「は、はぁ〜〜…？？ ちょっと、意味わかんないんだけどお…」

引き攣った顔で怯むのは赤城の方だった。笑っているのに目の奥は笑っていない、そんな顔で己を見られてはきっと誰だって怖いだろう。一刻も早くこの場から立ち去りたくなった赤城は重い腰を持ち上げ千鳥足で帰ろうとする…が、すぐさま腕を掴まれる。振りほどこうとするも宇佐美の力がびっくりするほど強く赤城の抵抗はビクともしない。本格的に命の危機を感じた赤城は 「離してよ…！！」 と先程とは打って変わって弱々しい声で抵抗する。

「なあお前名前なんていうん、」

「教えるわけなくない…？」

「ああ、こっちの名前教えとらんのに兄ちゃんの名前聞くのは礼儀がなかったな。 ぼくは叢雲カゲツ。 そんでそっちのデカブツは宇佐美リトな、」

「ああそう、僕は赤城ウェンね。これでいいでしょ、もう離してよ」

キッと睨むと宇佐美の口角が怪しく上がりそのまま赤城の手を引き歩き出す。本当にビクともしない、なんだよこのデカブツ！！ てか手首痛いんだけど、優しくしてくれない！？ なんて文句が赤城の頭を駆け巡る。誰かに助けて欲しくても恐怖で声なんて出ない、そもそもここの治安がよかったのならきっと赤城はこんな目に遭ってないだろう。ヤクザや怪しい薬売りが 蔓延ってるこの街で誰かに助けを求めるなんて無謀な願いだと思った赤城は抵抗することをやめ、大人しく宇佐美にされるがままになる。

「どうしたんだよ、随分大人しくなりますやん」

「別に？ 無駄な抵抗だな〜って思っただけぇ。 体力使いたくないし〜 もうこのまんまでいーかなあって」

「んはは！ 益々面白いやんお前。気に入ったわ」

「意味わかんな〜い。…ドーモ？？」

ぶすっと口を尖らせながら文句を言いつつも褒めたれた？ので赤城は礼を述べる。そこからぱったり会話はなくなったものの無駄に喋って労力を使わなくていいので赤城にとっては好都合だった。早く帰りたいなー どこ行くんだろ なんて呑気なことを考えていれば宇佐美が一つ 「着いたぞ」 と口を開く。やっとかよ、と不満に思いつつも顔を上げるとそこには中華風の随分とデカイ屋敷の様なものが建っていた。開いた口が塞がらない、とはこういうことなのだろう間抜けに口をあんぐり開いたまま目を丸くしていると二人が一つ溜息を吐いた

「はあ…おい、ウェンそこに突っ立ってても邪魔だから早くこっち来い」

「えあ、ぇ…う、ん……」

手招きをされると建物の規模に圧倒され己が誘拐されていることをすっかり忘れた赤城は宇佐美の言われるがままに着いていく。そんな赤城を見て叢雲はくつくつと笑う。

歩き進めて行くと一つの部屋へと着いた。大きなベッドにデカデカと佇むタンス、…何かしらの高級ホテルなのでは？と錯覚するほどに綺麗な部屋だった。赤城は何がなんだか分からずその場へ立ち尽くしていると叢雲が口を開く

「赤城は今日からここで寝てな。風呂とかトイレも全部設備されてるからなんも心配はいらんよ」

「は？ え、なん、なに、なになに？？？ 待ってよ理解出来ないんだけど？ 僕からお金巻き上げるんじゃないの？？」

己を置いて淡々と話を進める叢雲に赤城は戸惑う。僕を誘拐したんじゃないの？ お金を巻き上げるとか、僕をバラして売り捌くんじゃないの？ 一応覚悟を決めて来たものの予想外のことを言われ赤城は頭の中が疑問符でいっぱいになる

「誰彼構わず金巻き上げるわけじゃねえよ。ただ単に俺らがお前のこと気に入っただけ、…それとも何彼処のくっせえゴミの山で寝るのが趣味なんだ？」

「はあ！？ 違うし！どうしてもって言うなら、住んであげても、……あﾞ〜〜…っ……ぁ、ありがと！！」

純粋…かはどうか知らないが、単純に優しさで拾われたことが嬉しい赤城は逆ギレのような形で宇佐美と叢雲を真っ赤な顔で睨みながら礼を述べる。益々そんな赤城が面白くて愛おしさまで覚えた二人は赤城の頭を撫で 「お前はここにいてくれるだけでいいよ」 そう伝えた。何故こんなに赤城に優しく声をかけるのか、赤城どころか宇佐美達本人すら分かっていないのだ。

ただ優しくされるのは悪い気はしなくて赤城は暫く二人の優しさに甘えてみたい、そう思い大人しく二人の手の暖かさへと頭を預けた

赤城が暫く此処で過ごして分かったことがある。案外宇佐美は面白く、元気で仕事とプライベートをしっかり分けられる人間だということ。叢雲は最初こそ不思議な人間だと思っていたが、思ったより難しいことは苦手で可愛らしい人間だということ。そして相も変わらず分からないのは何故己にここまで優しくしてくれるのか。だが行く宛てもない赤城にとって都合がよくて、居心地がよくて、それでいて何故か物凄く申し訳ないものだった。二人の善意に甘えているばかりで何も出来ていない自分が物凄く憎かった

「はーあ、…暇だなあ…」

ぼふっとキングサイズのベッドへ倒れ込んでは高い天井を見上げる。宇佐美も叢雲も最近は仕事…が忙しいらしく退屈に思うと同時に寂しいとさえ感じるようになった

何を思い立ったのか赤城は宇佐美達の仕事部屋へと向かおうとベッドから腰を降ろす。この建物の中だけは自由に歩かせてくれたので案外何処にどんな部屋があるのかを把握するのは難しいことではなかった。好奇心旺盛な赤城にとっては尚更のこと

ウキウキに足を宇佐美達の仕事部屋へと運ぶ。そんな赤城とは裏腹に扉を開けた先には普段己に優しくしてくれている二人なんていなくて、一人の男に金を要求し、暴力を奮っている二人がいた。頭が真っ白になった、この二人は自分に優しくしてくれていると同時にいつだって己をこんな風に出来てしまうことを嫌でも考えてしまったから

「あれ、赤城やん。どしたん、迷った？」

「いや、ウーン…ううん、二人がこの屋敷は自由に歩き回っていいって言ってくれたから、二人の仕事部屋の場所覚えてて、…その、最近仕事ばっかで、つまんないなあ、って…」

変に言い訳をしても無駄だ。赤城は嘘偽りなくこの場所を覚えていること、遠回しだが寂しいということを素直に伝えた

「ふは、なぁにウェン寂しかった？」

男を殴っていた猟奇的な顔とは打って変わって赤城を前にいつもの優しい太陽のような笑顔で駆け寄る宇佐美。そんな宇佐美に 「赤城きゅん汚れるやろ！」 と血みどろになった手を叩く叢雲。いつもの二人だ、そう安心したのも束の間、赤城に助けを求めようと男が赤城に向かって這ってくる。男の顔はパンパンに腫れており、傍から見れば恐ろしい化け物のように見えて思わず赤城は叢雲の服の裾を握る。それを見た宇佐美は鬼の形相で男の顔へと蹴りを入れる

「なに俺達の太陽に触ろうとしてんの？マジで殺すぞお前」

「赤城大丈夫か？触られてない？」

「え？ あ、う、うん…平気、」

二人への恐怖で震えているのをあの男に怯えているものと勘違いされたのか叢雲に抱きしめられる。確かに、両方ある。いつもと違う二人を見て怖かったし、知らない人に絡まれそうになるのは怖かった。でも、何よりも自分の為にここまで怒ったり優しくしてくれたりする二人へ好意を抱いている己に恐怖していた

何かを間違えればすぐに消されてしまうかもしれないような相手に好意を抱く己が可笑しくて仕方なかった、…なんていうのはただの言い訳だ。本当は二人と住む世界が違って自分だけが置いていかれているようなそんな気がして怖くて堪らなかったのだ

「赤城やっぱり怖いか？ぼくと部屋戻る？」

「ううん、大丈夫。二人の傍にいたい」

「なんやぁ！ 赤城かわええな〜！！」

ぎゅうっと赤城を抱きしめる叢雲。そんな二人を見ては己も早く赤城を抱きしめたくて堪らなくなる宇佐美。さっさと目の前の男をバラして、風呂に入って、着替えて、潰れるほどの力で抱きしめたい。

（ ＊ 完成したら支部に載せる予定 ）