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🖤💙〜 決意の別れ〜
全員集まっての決起会の後
俺の出国があと数時間後に迫る
束の間の2人の時間
最後の夜
ベッドの中で抱きしめあっている
「……翔太くん」
「……蓮」
「……寂しい?」
「当たり前だ。寂しいに決まってる」
「俺も寂しい」
「でも、関係ない」
「うん」
「頑張るだけだ」
「そうだね」
翔太くんの瞳に浮かぶ色は複雑だ
そしてきっと俺の瞳も同じ色をしてる
気軽に会えない距離に離れる寂しさ、お互いの健やかさを想う気遣い、お互いに負けないという競争心と信頼
切ないほどの恋情
そして、それら全てをわかっての覚悟
この後、俺が何を話すのかなんて翔太くんはもうずっと前から気づいていたと思うし、俺が言わなければ翔太くんが言うだろう
「翔太くん」
「うん」
「大好き、愛してる」
「うん」
「ずっと変わらない」
「うん」
「だから、っ俺と別れてください」
「っうん」
頑張って堪えていたけどお互い声が揺れる
「絶対、もっといい男になって帰ってきて、もう1回告白するから」
「うん」
「明日からまたアプローチするところから始めるから」
「うかうかしてたら他の奴に取られるかもしれないぞ」
「そんな暇ないくらい連絡する。電話もする」
「ばか。時差あるだろ、ちゃんと休め」
「翔太くんの声よりも元気なるものない」
「お前だってもう若くないんだぞ、体は正直だ」
「ちゃんと無理しない時間にするから、出てよ」
「わかってる」
「俺は翔太くんのところに帰ってくるから」
翔太くんの口元に笑みが溢れる
そしてわざと挑発的に顔をする
「俺だって、今よりもっと成長するからな。お前なんて見向きもしないかもしれないぞ」
「成長した翔太くんも見惚れるほどの男になる予定だから」
「言ったな」
「格好よくなった翔太くんも楽しみ。それに美の化身になるんでしょ?」
「おうよ。圧倒的な美で魅了してやんよ」
「そしたら俺たちお似合いだね」
「負けないぜ」
「こっちだって」
笑いながらいつもみたいに軽口を叩き合う
その頬が濡れているのはご愛嬌だ
「……翔太くん」
「……うん」
「最後に、愛していい?」
「……思い切り、おねがい」
どんな夜よりも熱い
寂しくて愛おしくて
「……っ、はぁ、跡つけていい?」
「っ、んっ、つけ、て」
「翔太……愛してる」
「おれ、も、あいし、てる」
この夜があればきっと頑張れる
深く深く愛して
抱き寄せて眠りにつく
まだ日の昇り切らない早朝
「翔太くん、おはよう」
「ん、蓮、おはよう」
「…………起きようか」
「………うん」
洗面台で2人並んで歯を磨く
「ふは、めちゃくちゃつけたな。サウナ行けねぇわ」
「プライベートサウナ行くでしょ、1人で行けるじゃん」
「はいはい」
目覚めのコーヒーを一杯飲んで、翔太くんが立ち上がる
玄関でお見送り
「蓮、ん」
広げられた両腕に飛び込む
「翔太くん」
「がんばろうな」
「ん、がんばろうね」
体を離す
大好きな笑顔が送り出してくれる
「じゃあ目黒、いってらしゃい!」
「しょっぴー、いってきます」
出された拳に拳を合わせる
扉を開けて出ていく背中を見送り、最後の準備に取り掛かる
さぁ旅立ちだ
コメント
3件
本当に望んでいたお話を読むことができて幸せです! ありがとうございました😭
最後がしょっぴー呼び😭😭 泣けるわ🥹
書くかどうかすごく迷った…🖤💙