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「魔剣ってお高いんですよ。木の枝とってこれ置いてきたら大損もいいところですから、先に回収してました」
ピヨピヨの背中でダージリンティーを飲みながらロズウェルさんがそんなことを言っている。
もちろんわたしも飲んでるし、頑張ったご褒美とかでロズウェルさんの実家門外不出のいちごを食べている。口ずさむ歌に花が咲き乱れるようだ。
色々あったけどこれだけで超笑顔である。
帰りは急ぐ気もないらしく、寒くもないし風もそんなにない。ゆえにしがみつきもせず鳥の背中でお茶会と洒落込んでいる。
「それにしてもあれはどうやったの?」
最後のあの一撃はわたしで再現できるものではないだろう。わたしがそれをしてることを想像もできない。
「何言ってるんですか」
また煽られちゃうのかな。けれども素の彼の姿のようでそれほど嫌ではない。
「いや、Mに目覚めさせる気はないので自重してください。それよりもあれならフィナもやってましたよ。覚えてませんか? 覚えてないのでしょうね」
まだ男の人と付き合ったこともない少女を特種性癖もちみたいに言わないでほしい。ほんとに時々心を読まれているかの様に言い当ててくる。
「正解だったとは恐れ入りましたね」
くっ……でもわたしが同じことを? 斧を使ってたのは魔獣をロズウェルが止める時まで。でもあのときは止めてくれて助けてくれたから……。
「なるほど、夢中だったのですね。順序が逆になっているのですよ。止めたから無事だったのではなく、枝を切って助かった所を止めたのです」