🖤「痛かったら言って?」
めめは何度も俺を気遣う言葉を掛けてくれる。
嬉しいけど、過剰な気遣いが時間を掛けていること、めめはわかっているのだろうか。
受け入れる側の俺の気持ちは、もどかしくて、さっさとしろ、少しくらい強引でもいいから早く俺の肩の荷を下ろさせてくれと思っている。
もうめめとは何ヶ月も一緒にいて、何度も直前まで愛し合って、数え切れない愛の言葉も交わしている。それなのに、肝心なところでいつも腰が引けている思いやり深い年下の恋人に、俺は少しじれったさを感じていた。
💚「ねえ、めめ」
🖤「ん?」
💚「俺は大丈夫だから」
🖤「でも…」
💚「いいから」
おそるおそる探るようにめめが入って来た。指はもう何度も試していて、3本入ったと言っていたから大丈夫だろうと楽観的に考えていたのだが、“本物“は違った。
明らかにオーバーサイズのものが、俺の腸壁を押し広げていく。
💚「いて……」
🖤「阿部ちゃん!」
めめの侵入が止まって、不安そうな目が俺を見た。しかし一方で抜く気配がなくて安心した。めめの顔が少し上気している。それでめめが快感の入り口にいるのだとわかった。ここで引いたら男が廃る。いや、この行為自体が男らしいのかはかなり疑問だけれども。
💚「……もうちょっと、進も?」
組み敷かれているのは俺の方なのに、めめの手を引いているような錯覚に陥った。
🖤「阿部ちゃん、動くよ…」
💚「うん」
🖤「………ふぅ……ふぅ」
ゆっくりと、しかし確実に、俺の中を犯してくる異物感になんとか耐えながら、めめのためなら何でもできると急に愛しさが込み上げて来て泣けてしまった。めめは腰だけを動かしながら、深く俺を抱きしめているから、俺が泣いていることに気づいていない。涙を流しているのを見られたら、きっと心配させてしまうだろう。これで、ちょうどいい。めめの髪の感触が頬をかすめた。洗い立てのシャンプーの匂いもする。
🖤「阿部ちゃん、あったかい、きもち…いい」
少しずつ大胆になっていく腰の動きに、ローションが足りなかったか、あそこがヒリヒリしだした頃、めめは絶頂が近づき、目を合わせて来た。たまらず、吸い付くようにこちらから唇を重ねた。
気持ちよくない。全然気持ちよくなんかないけど、好きな男の悦ぶ顔は単純に愛おしかった。
めめが俺の中で初めて果て、その後、前髪に優しくお礼のキスを受けた後、まだイッてない俺はめめに口でしてもらった。
前で感じるめめの愛撫は、いつも以上にねっとりと優しくて、切なくなるくらい気持ちよかった。イキそうになった瞬間、口を外させようとめめの頭を掴んだが、間に合わなくて出してしまった。
💚「もう……ごめんね?」
🖤「え?俺は嬉しいけど。俺の舌で阿部ちゃん気持ちよくなったんでしょ?」
💚「言い方!!」
赤くなって、めめを叩こうとしたら、軽く交わされて抱きしめられた。
ああ、甘い。
なんて甘い時間なんだろう。
ここのところ、引き受けたことのない種類の仕事が増えて、ありがたい反面、精神的に少し参っていたからめめとこうして過ごす時間はほんの一時でも嬉しい。
めめが好き。
きっとめめも、俺が好き。
裸で抱き合う気持ちよさと温かさは、お互いに想い合う心の温度と同じ気がした。
おわり。
コメント
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めめあべありがとうございます‼️わーいわーい"(ノ*>∀<)ノ 初めから感じられればいいけど初めてってこんな感じじゃないかなー でもお互いの愛情がしっかりと伝わって来ました♡
好きすぎる😍