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かわいい恋人のお話がしたかったんですね💛🖤 話したら会いたくなっちゃうなんて かわいい〜💘
彼氏会もいいな☺️
💛「お邪魔します…」
俺の家に珍しいお客さんがやって来た。いつもは岩本くんはしょっぴーと一緒だったり、岩本くんが来てもそこに阿部ちゃんもいたりして、2人きりで俺の家で過ごすなんて初めてだから少し変な感じだ。別に同じメンバー同士なんだから気にすることもないのだけれど。
岩本くんは、フィットネス雑誌に寄稿するついでに写真撮影があったとかでそれ終わりに、俺は映画の台本の読み合わせがあるだけだったのでその後に、揃って予定が空いていた。グループ仕事の時に、この日、予定が合うならたまには2人で飲まないかと岩本くんから誘われたのだった。
しょっぴーは?と聞いたら、その日は仕事があるし、たまには目黒と話がしたいと言われた。俺はなんとなく察して、阿部ちゃんに声を掛けなかった。
🖤「どうぞ。つまみも準備しといた」
簡単に作れるつまみを2、3品と、俺からはスポンサーのビール。そして最近CMキャラクターを務め始めたポテチなどをテーブルに並べた。
💛「悪いね。俺からはこれ」
岩本くんは持ち帰りの箱のピザとハイボール用のウィスキーを持って来てくれた。
初めは仕事の話やあたりさわりのないお互いのプライベートについて話していたが、時間も深くなり、酒がそれなりに回ってくると、自然とお互いのパートナーについての話になっていった。もともとこの話がしたかったのだろうと思っていたから、驚きもなく、てっきり岩本くんからしょっぴーの愚痴を聞かされるのだろうと身構えていたら、違った。
💛「この前、翔太がね」
目尻を下げてしょっぴーの話をする岩本くん。2人は俺たちと違ってメンバーに関係を隠しているから、この機会にどうしても話したかったのだろう。
💛「ただいま」
💙「えっ、もう?」
岩本くんが家に帰ると、しょっぴーがキッチンに立って何かをかき混ぜていたらしい。よくよく見てみると、卵焼き用の卵液。キッチン台にはところどころ焦げた赤いタコさんウィンナーと形の悪いおにぎりが2人分皿に乗っていたという。
💛「翔太、これは?」
💙「…………デー」
💛「なに?」
💙「ホワイトデー!!!夕飯作ってたんだよ、悪いか!!!!」
付き合っていることを秘密にしているせいで、誰に何を作ったらいいか聞けなくて、しょっぴーは高校時代のお弁当を思い出して、頑張って作って、岩本くんの帰りを待っていたらしい。
しょっぴー曰く、人生で一番上手く炊けたというおにぎりの米は固かったし、卵焼きも焦げてかなり塩っぱかったけど、岩本くんは本当に嬉しかったらしい。
💛「翔太、ご馳走さま。ありがとう」
ハグしようとした岩本くんは、真っ赤になったしょっぴーに逃げられた。
しょっぴーは、ソファまで行って、背に掛けてあったブランケットを頭から被り、しばらく出て来なかったそうだ。外からつついても、ブランケットを捲っても怒るので出てくるまで放っておいたとか。
🖤「そういう話なら、俺らにもあるよ」
💛「どんな?」
料理の苦手な阿部ちゃんがつい最近覚えたレシピ。キャベツの千切りに、肉を肉で巻いてチーズ入りにして揚げたカレー味のカツレツ。
真面目な阿部ちゃんは、レシピをきちんと見ながら慎重に慎重に作業していたせいで、出来上がるまで2時間以上かかった。
揚げ物だったから、肉を油に投入する時は火傷しないか心配で、俺は隣りで息を呑んで見守った。
🖤「でもあれ、美味しかったな」
💛「そっか、いいなあ。その後は?」
🖤「2人で食べさせ合って、片付けを一緒にして、仲良く寝た」
💛「…俺たちも目黒たちみたいに落ち着いたカップルになれるかな?」
🖤「無理じゃない?」
💛「おい!」
🖤「だってしょっぴーだもん」
💛「だよなあ〜」
そう言ってる岩本くんがまんざらでもないことを俺は知っている。それからちょっとだけ夜の話をしてから、飲みすぎたわ、と笑って岩本くんは機嫌良く帰って行った。
帰り際、岩本くんに
🖤「またおいでよ。しょっぴーに内緒で」
と言ったら、
💛「また来るわ。おやすみ」
と笑顔で返事が返って来た。
🖤「おやすみー」
岩本くんが帰った後、俺は無性に阿部ちゃんの声が聞きたくなって電話した。
💛「もしもし」
💙「あれ?今日は予定があるんじゃなかった?」
💛「もう終わった。翔太何してんの?」
💙「ふっかと買い物行って、一緒に飲んでる、今」
💜「よお。珍しいな、照がナベに電話なんて」
💛「ちょっと用があって。今どこ?」
💜「〜〜〜」
💛「俺も合流していい?」
💜「ナベ、照も来るってよ。って、ダメだ。酔ってるわこいつ、なんか今日、異様に飲むピッチが早くて」
💛「今から行く」
おわり。