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あてんしょん  🦍‎🤍



このお話は読み切りですので、もし続きを知りたい!という方が入ればどうぞお好きに妄想してくださいまし!(私はもう考えるの優柔不断すぎて無理なのでお好きにどうぞ!)



○玲王受け

○凪玲

○芸能パロ

○千玲

○凪玲&千玲(両者1歩も引きません)

○ 口調迷子

○ネタバレ、キャラ崩壊注意

○凪視点

○本編関係なし、サッカーやってません!


それでもばっちこい!って方はどうぞ↓↓↓












+_______________________________________+









『*私はあなたのことが好きなの!なのに、なのにどうしてあなたはそこまでして私を避けるの!*』


これは、俺が偶然気になっていた監督のドラマだったから見ていた、深夜ドラマの修羅場シーンだった。女優の人は時の人である大人気女優。対して男主人公は今回が初出演の俳優。しかも、途中まで主人公役として出ていた俳優が、不倫騒ぎのため朝廷に持ち込まれドラマ出演出来なくなってしまった代わりだ。しかもよりにもよって初出演はドラマの最終話。運がないな〜なんてのんびり考えながら友人の斬鉄からのLIMEに返信をする。






─斬鉄:今夜のHoneymoonはどうだ?

─凪:なんか俳優かわっててつまんなそう

─斬鉄:そうなのか、それは残酷だ。俺の友人が出演しているらしいから楽しみにしていたのだが、凪が言うならつまらないかもしれない

─凪:残酷じゃなくて残念ね。あと斬鉄の友達って誰?今出てるの?

─斬鉄:嗚呼、丁度最終話で出るらしい。だから俺も頑張って見てる。

─凪:ふーん。お友達どこにいたか後で教えてよ。とりあえず俺は最後まで見てるから

─斬鉄:わかった、じゃあまた明日



そうして雑に斬鉄との会話を打ち切り、ドラマに集中しようとテレビを見た時、俺は目を見張った。画面の中にいたのは、まるでこの世のものでは無いような芸術作品のように彫りが深く、鮮やかでいて艶やか、儚げでいて可憐な美青年が、泣き叫んでいる女優、いや役の名前は確か高校1年生の鈴宮 燈香というキャラクターの悲痛な姿を見て抱きしめるシーンだった。


『春樹…っ』

『燈香、俺お前に言ってなかったことがあるんだ。…受け入れてくれるか…?』

春樹と呼ばれた画面に映っている美青年はなんと、急遽代役として出演していた主人公役だった。彼のセリフは初出演とは思えないほど沢山の彼女への複雑な感情に溢れていた。

『受け入れる…ッ!!だって私、あなたのことを愛しているもの!!』

『俺も同じだよ、燈香…』

『ほんとうに…?私たち、結ばれたの…?』

『嗚呼……ごめんな、燈香。本当は結ばれるべきではないけど俺が耐えられなくなってしまった』

『え…?耐えられなくなったって、どういうことなの…?』

感動してぱぁっと顔を明るくさせたはずの燈香が、ぎゅっと抱きしめてきた春樹の悲痛の叫びに疑問を持つ。

『俺…来月死ぬんだ』

『え……、?うそ、でしょ…?』

『本当だ。俺、ずっと燈香と一緒にいたくて隠してたけど心臓がもうダメらしいんだ。』

『ッ……うそ…イヤよ…嫌だよッ!!!せっかくあなたと愛を囁けたのに!!なんで…!』

『ごめん…本当は君の中にいる健康な俺のまま終わりたかった…でも、君の涙に俺は弱すぎたのかもな。耐えられなかった…』

春樹はポロポロ泣き出す燈香の涙を指で掬い、涙のあとにそっとキスをする。その時の春樹の顔がもう言語化できないほど儚かった。

アメジストの様な瞳をキラキラと揺らし、黒髪が黒翡翠のように美しく靡いている。笑顔を作りながら、春樹はつぅっと頬に涙を伝わせる。思わずひゅっと喉が伸縮してしまい、呼吸を忘れていたことに気づいて深く息を吸う。

『嫌よッ!!!そんなの認めない!!』

『燈香!!!』

そういって燈香は走り出し、車のいる道へ走って出ていく。春樹は燈香を追いかけ車道へ出ていき、案の定運悪く燈香が無我夢中で走っている時、トラックが燈香の目の前へと迫る。危ないと思った瞬間、春樹が燈香を庇うように抱きしめ、ドンッと音を立ててトラックにぶつかり地面に転がる。

『あぁ……いや、いやよ…なんでッ…』

燈香は暫くして、かすり傷だらけの身体を起こし、力無く自分を庇うように抱きしめていた春樹の顔をそっと撫でる。春樹は愛する人の暖かい手に触れたからか、痛みに顔を歪ませながら目を開ける。

『イッ……、燈、香…?嗚呼、良かった……無事だ…』

『ッ……無事よ!!!誰が庇ってくれたと思ってるのよ!!』

『なんでまた泣いてるんだ……愛する人に守ってもらえるのは最高に幸せって自分で言ってただろ…』

『こんな守り方望んでないッ!!!私、あなたと一緒にいる方が幸せよ!!』

前回の話では自分の理想を楽しそうに語る燈香に優しく頷き、それはもう幸せそうに話す燈香を愛する人のように見つめる話だった。理想を叶えてあげた春樹は痛みに顔を歪ませるが、最初で最後の恋人に悲しい思いはさせまいと笑顔を作りながら、恋人の涙を拭き取る。

『はは…望んでなかったか…参ったな……最後のプレゼントだったんだけどな…』

『こんなプレゼントいらない!!!あなたと暮らす毎日の方が私は…っ!!』

ボロボロと堰き止められないほどの涙を流す燈香に、それはもう優しい表情をしながらクスッと笑う春樹。

『ごめんな……実はもう身体の感覚がもうほとんどないんだ。そろそろダメだ、だから最期に…君の笑顔を見たい』

生気のない白い顔に変化する恋人を見て、口をきゅっと抑えて堪えきれない涙を流した後、燈香は涙を堪えて『ありがとう、大好き』と言いながら苦し紛れの最高の笑顔をつくる。そんな恋人の最後の笑顔をみた春樹は『良かった……』と言い、ゆっくりと目を閉じる。そして、儚く残酷な最後をヒロインの涙がいろどりながらドラマは終わり、エンディングが流れる。

「……、これ…誰」

俺は周りによく言われる不動の表情筋がいつの間にか緩んでおり、ホロホロと何も無い空間で涙を流していた。不動の表情筋をもつ自身の涙にも驚いたが、もっと驚いたのは急遽代役に抜染された俳優の演技力だった。呆然としていると、エンディングが終わり番外編のような女優さんと俳優の会話集のようなものが流れた。


『皆さんどうも!鈴宮 燈香役の女優の津田 葵です!Honeymoonを最後まで見てくださりありがとうございました!』

『皆さんどうも!急遽俳優の春永 友雅さんにかわって最終回の南野 春樹役をさせて頂きました!御影 玲王です!』

燈香役の津田さんは髪がロングからショートになっていただけで直ぐに燈香役の人だとわかったが、御影さんは真っ黒なウィッグを被り演じていたのであろう、今はスピネルのような美しい紫の髪色をしていた。

『いやー!御影くんの演技、凄すぎて本当にビックリしました!』

『そうですか?芸能界の時の人と呼ばれる津田さんに言われると照れますね』

『そんなことないですよ!それよりも本当に今回の初演技ですか?!』

『はい。実はそうなんです、まさか一発録りで収録を全部できてしまうとは思ってもいませんでした。流石津田さんですね!』

御影が笑顔で津田に答えると津田は小さな声で「うわーっ!!尊い〜!」と言っていた。実に羨ましい

『さっきから質問ばっかりでの悪いんだけど、御影くんって17歳で高校生やってるんだよね?』

『はい。高校生活と俳優業、両立するのは困難なのはわかっていますが将来のため、精一杯やらせてもらってます』

御影の答えに俺は「えっ」と、いう声を漏らすことしかできなかった。こんな演技上手で顔も良くて人あたりのいい高校生がいるのか?という驚きの声もあるが、17歳という俺と同じ年齢の子供が大人と同じ領域に達していることに感動の声が漏れる。

『おっと、津田さん。そろそろ時間がおしているようなので終わりにしましょう』

『あっ!そうだね!ついつい御影くんが凄くて盛り上がっちゃってた』

『『それでは!Honeymoonを見てくれた皆様、誠にありがとうございました!!そしてまた会うことができたら…!』』

という声で番組は終わる。



あの名演技を見た余韻が残る俺はすぐさま斬鉄に電話をかける。いつもは電話なんかめんどくさくてする気になれなかったけど、どうしてもこの興奮を分け与えたい。その一心だった。

『む?凪か?どうしたんだこんな深夜に』

『ねぇHoneymoonみた?』

『ん?見たぞ?』

『春樹役の人なんだけど…』

『御影 玲王のことか?』

『そう、その御影って人。あの人俺らと同じ高校生なんだけど、本当に高校生?』

『そうだぞ?なんなら今隣にいるから聞いてみるか?』

『……。はぁ???え、隣?え?斬鉄ついに頭おかしくなった?』

『失礼だな、ちゃんといるぞ。それと今話題突沸中の千切豹馬もいる。』

『え、、マジで?ちょっと待って、ビデオ通話にして。あと話題沸騰中ね』

『わかったから慌てるな。』

斬鉄はビデオ通話に切り替えて『玲王ー!』と、例の俳優の名前を大きな声で呼ぶと『どうしたー?』と、テレビで聞いたばかりの声が耳に入ってくる。

『玲王、ここに映ってる俺の友達がお前のドラマを見たそうだ。それでお前が本当に高校生か知りたいらしい 』

そう説明すると、御影さんはポクポクポクと木魚の音が聞こえるくらい間を空けて

『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?』

御影さんの叫び声に俺と斬鉄は耳を抑え、後ろから千切豹馬の『うるせぇ笑』という声が聞こえる。

『おい!バカ斬鉄!!何してんだよ!早くビデオ通話きれ!!一般人に何俺を無料で見せてんだ!プライバシーの侵害だぞ!!』

『む?なぜだ、それなら俺もそれを侵害してるだろ』

『お前は俺の友達だからいいの!でもその通話のこいつは違うだろ?!』

『凪は俺の友達だ!』

『ッ〜〜!!それはわかってるっつの!!このバカ斬鉄!!!』

電話越しで聞こえる御影さんは斬鉄をバカ斬鉄と呼びギャンギャンと吠えている。画面の奥に見える千切豹馬はケラケラと笑いながら玲王を見ていた。

『まぁ落ち着けって。斬鉄の友達なら信用できるしいいじゃん。それにドラマ見てくれたみたいだし感想聞くくらいならいいんじゃねぇの?』

千切豹馬は片手に持っていたコーヒーをすすりながら玲王に話しかける。その言葉に玲王も悩ましそうに腕組みをして、少し待つと覚悟を決めたのか斬鉄のスマホに向き直り、画面越しの俺をじっと見つめる。

『バカ斬鉄。今回は千切に免じて特別だかんな?』

『嗚呼、助かる』

玲王はチラッと斬鉄の方を向いて溜息をついてまた俺の方を見る。

『お前、名前は?』

『凪 誠士郎』

『ふーん……凪ね。お前が聞きたかった俺が本当に現役の高校生かについての質問だけど、その答えはYES。高校名は言えねぇけどちゃんと通ってる』

『そうなん…デスカ…。』

『それで?他に質問は?』

『えっと…』

玲王は仕事後で疲れているであろうにも関わらず、真摯に俺の言葉を待つ。これもファンサービスなのだと思うとよほど根がいい人なのだろう。そんなことをボーッと考えていたらいつの間にかありえない言葉が口から放たれていた。



『俺、御影さんと一緒にドラマでたいんですけどどこの事務所入ればいいですか?』



『え』

『あ…』

俺の問に玲王はピシッと固まり、画面の奥にいる千切はブッとコーヒーを吹き出し、斬鉄は『お前ならいけるだろう』と、うんうんと楽しそうに頷く。

『ぷっ、アハハハッ!!!お前面白いな!!凪、だっけ?いいぜ!お前のこと、俺も入ってる事務所に入れてやるように事務所に掛け合ってやるよ!』

『え、…?マジで…?』

『おう!マジマジ!!俺お前のこと気に入ったわ!お前LINEやってるよな?LINE交換しようぜ!おい千切!お前も交換しとけよ!』

『え〜、俺も?なんでだよ。』

『お前の後輩になんだぞー!この際先に連絡先知っといた方がいいだろ?』

『ゲッ…お前こいつ入れんの確定かよ…』

千切豹馬はうんざりでしたような顔をして斬鉄に『俺のLINE追加できるように斬鉄送っといて』という。斬鉄はその言葉に頷いて『玲王のにも送っておく』、と続けていくと玲王は嬉しそうに頷く。

『んで!!お前は何が得意なわけ?ダンス?演技?歌?あー…やっぱそれなりに顔いいしモデル経験ある?』

玲王はゲンナリとした表情で、玲王を見つめる千切を無視して俺に詰寄る。

『得意って言われても…特に何もやってこなかったし』


『『え』』


俺の言葉に今度は千切と玲王が声を揃えてピシッと凍りつく。

『いやいやいや…お前そりゃねぇだろ』

『本当に何もやったことないのか?』

千切と玲王は真実を確かめるように斬鉄に視線を向けるも、 斬鉄は俺の言葉を肯定するようにこくりと頷くだけ。

『マジかぁ……素人だったか…』

電話越しでもわかるほど落胆した声をみせる玲王に、「素人だって言わなきゃ良かった…」と、後悔する。

『まぁいい…!!斬鉄のお墨付きもあるししごきまくってやるからな!覚悟してけよ!』

数秒前まで残念そうに顔を歪ませていた人とは思えないほどの笑顔で、ドヤっと自慢げに笑う玲王は実に楽しそうに笑っていた。












3年後


「凪 誠士郎さん、千切 豹馬さん、御影玲王さんのまさかの同じ事務所内でのメンバーとのドラマ撮影!御三方としてはどのような気持ちでしょう?」

あれから俺は、玲王の期待通りに俳優として急成長して、玲王と隣に並んでも何ら不思議とは思われないほどの才能を見せつけた。

「俺は別に玲王となら昔から・・・の付き合いだから楽しいけど。」

だが、この玲王の隣を守り続けてきた千切は、 俺の才能に気づいても決して心を開くようなことは無かった。理由ならわかってる。

俺がレオに気に入られちゃったから。

多分だけど、千切はレオのことを恋愛的な意味で好きなんだと思う。それは俺も同じだから。多分だけど同族だからかそんなふうに感じられるものがあるんだろう。まぁ、簡単に言えば俺への感情は同族嫌悪というやつだろう。実際はそんなもんよりかももっと嫉妬でぐちゃぐちゃに掻き回されて真っ黒に濁りきっているんだけど。

「こーら千切!俺とならじゃねぇだろ!凪も忘れんな!」

「いてっ!お前殴ったな?!俺の顔面には1億の価値がある国宝級なんだぞ?!そんな俺に傷つけるとはいい度胸だな!」

千切はレオにバシッと叩かれた背中を擦りながら、目にうっすらと涙を浮かべてレオを恨めしげに見るが、その瞳の奥にはレオにひたすらに恋い焦がれる千切がひっそりといた。一方レオは千切の言葉にきょとんとよく分からなそうな顔を少しして、数秒後にふはっと吹き出す。

「そのくらいの値段って…俺が余裕で買える値段だろ!千切のくせに謙虚な値段言うなんて明日は槍でも降ってきそうだな!」

ハハハッ!と笑うレオにスタジオのスタッフも、膨大な額を言い放ったはずの千切でさえ苦笑いをする。言わずもがな、レオは俺がレオを知ったあのドラマをきっかけに様々なところから引っ張りだこになったのだ。

モデルからドラマ、夜6時頃に流れるお茶の間を代表する有名なテレビ番組の常連になれるほどにまで、レオは知名度をぐんぐんあげて今では御影 玲王という人間を日本では知らない人はいないくらい超有名人となった。だからか、前よりもお金に対しての印象がガラリと変わったみたい。もともとレオは総資産7000億の御影コーポレーションの御曹司だったから、少しおかしかった部分があったんだけど自分でお金を稼ぐようになってからそれが加速したように感じる。

「なぁ凪!お前はどーよ!ドラマ出る意気込みは!!」

「えー……。うん、そうだね」

レオのことを考えながらレオを見ていたら、その視線に気づいた本人が俺に笑いかけ、話しかけてくれる。しまった、レオの笑顔が可愛すぎてあんま話聞いてなかったと気づいたのはその数秒後だったがぼやぁっとなんとなくはわかったので、何にもありませんでしたよ風を装ってレオの質問に答える。

「俺はレオと初めて共演できたから楽しみ…ってか楽しかった。千切とはモデルとかラジオでちょくちょく同じになってたから別にって感じだけど、レオとは初めてだったから面白かったと思う。」

「!!!  なんだよ!素直じゃねぇな!うちの凪は!!」

レオは俺の言葉にご機嫌そうに笑って俺の肩に腕を絡めてくる。あ…可愛い。と思った瞬間だった。気づいたらカメラも、しつこいくらい俺たちに質問してくるアナウンサーも、記者も全て俺の頭から消えてしまっていて、俺の目の前に映るレオしかわからなくなっていた。

そして、俺は気づいたらレオにキスしていた。それはしっかり男気たっぷりに口と口でするものを。流石に舌入れずパッと離してレオを見てみると、見たことがないくらい顔を真っ赤に染めて唇を手で覆い隠している。


「可愛いね、レオ」


「ッ!!!ッッッのバカ凪!!!!!」

バチィィィィィィィィィンッッッッッッッ!!!!!!!!

と大きく俺の頬から爆発音のように鋭い音が鳴り響いて、俺は思わず「いてっ」と呟いて尻もちをついてしまう。そしてレオを守るように抱き寄せた千切は般若のように顔を歪ませて俺をガミガミと叱ってくる。

「お前何してくれてんだよ!!!バッッカじゃねぇの?!?!玲王のこと花よ蝶よと育ててきた俺の身にもなれや!この(自主規制)で(自主規制)野郎が!!!!警察とっとと行ってこい変態!!」

「えー?そこまで言うことなくない?てか、千切だってレオにキスしたい癖に何自分のこと棚に上げてくれちゃってんの?お前がいつまでも踏み出せないヘタレ野郎なだけなのにさ、一丁前に説教しないでもらえる?」

俺がそこまで言ってぶっ叩かれた頬を撫でていたら、千切の方からブチッと何かが切れるような音が聞こえたと思い、千切の方に顔を向けるとガッツリレオとキスしている千切がいた。

「んっ…!んっっ!!ふぅ…」

レオと千切の口の隙間からでるレオの甘い声にスタジオにいた誰もが目を見張り、静かに冷静にただ耳を傾ける。そんな俺たちをみてニヤリと笑った千切は俺を挑発するように見てじゅるっ…と音を立ててレオの口の中へ自身の舌をねじ込む。

「ちぎっ…!!んんっ!!!」

暫くして、千切がぷはぁ…っと口から銀の玲王と千切の唾液が混ざりあったであろう唾液の糸を煽情的な様子で引いてスタジオを凍りつかせる。

「っ……!!!この…ッ!!!!!バカァァァァァァァァァッッッ!!!!」

そしてまたもやパンッッッッッッッッッ!!!!と大きな音を立てて玲王は千切に平手打ちをぶちかます。

「いっっってぇぇっ!!!!玲王!お前俺の顔になんて不名誉な傷つけやがって…!」

「こちとらお前らのせいで世間に不名誉な『美形引っ掛け野郎』っていう名前付けられそうになってんだわ!!!バカ!!」

玲王は涙目になりながらもプリプリと怒り、俺たちに説教する。玲王は怒っていても泣いていても可愛いので目のやり場に困ってしまい、ちょっと目に掛かり気味な自身の前髪をボーッと見つめていると玲王が「聞いてんのか凪!!!」と怒鳴ってくる。

「聞いてるよ、ごめんねレオ。俺、レオが可愛すぎて耐えきれなかった。ごめん」

「お前…ッ!!!」

「あー…じゃあ俺も玲王がとても可愛かったから我慢できなかったということで許して欲しいな…」

「じゃあってなんだよ!!!」

俺の必殺嘘泣きを使って上手い感じに玲王を盛り上げて許してもらおうとした瞬間、俺の意図に気づいた千切がすかさず俺の嘘泣きをも上回る言葉を使って玲王の注意を引き付ける。

「玲王、こんな所で申し訳ないけどもう我慢できねぇわ。俺お前が好きだ。恋愛対象として何年も前から。

お前とユニット組む前からずっと好きだった、玲王の隣に俺が並べるように必死に努力してきたし、玲王に嫌われねぇように玲王の相談乗ったり、休日に疲れて休みたい時でもお前から誘いが来れば絶対断らずに誘いに乗ってきた。茶化さないで真剣に俺の想いを受け止めてくれ」

「え…え?えぇ???」

千切は自慢の顔を最大限いかすように上目遣いで、そっと両手で玲王の手を包み込むように握り、玲王の父性?(母性)を刺激させるような視線で玲王を誘惑する。玲王はあまりの情報量の多さに困惑が隠せないようでさっきからずっと戸惑いの声を漏らしている。が、俺も千切に負けるわけにはいかないので無理やりいかせてもらう。

「待ってよ玲王、俺も玲王のことがずっと好きだったんだよ。あの日、玲王をテレビで見た時に多分俺は玲王に一目惚れしてたんだと思う、だってその日からずっと何かあると玲王のことを考えて、これから過ごす玲王との芸能活動生活を思い浮かべてばっかりでなんにも集中できなかった。それくらい玲王に夢中なの。ねぇ、俺の人生むちゃくちゃにした責任取ってよ」

「はぁ???」

「俺のもとれよ、玲王。お前のせいでスタジオ凍りついてるし、生放送で放送してるからお茶の間は今頃気まずい空気流れてんぞ?あーあー…かわいそー。玲王と俺のリアコ、今頃阿鼻叫喚だぜ?これは責任取ってお付き合いするしかねぇよな?」

「え…あ、生、放送…?」

玲王は千切の言葉に固まってしまい、オウム返しのようにブツブツと呟きながら天を見上げる。かという俺は、千切の俺のリアコさんが抜けていることに、なにかの意図を感じてムスッとして千切に反論する。

「ちょっと千切、俺のリアコのこと忘れないでよ。可哀想でしょ俺のリアコが」

「はぁ?忘れてねぇっつーの、お前はお前のリアコとイチャコラしとけって遠回しに伝えてることわかんね?流石KY!!」

「は?喧嘩売ってる?売ってんから喜んで買わせてもらうけど。勿論レオを賭けて」

やはり、意図があったようでそれにさらにイラッとくる。売り言葉に買い言葉とはこのことだろう。気づいた時には俺は千切に喧嘩を売っていて千切もそれにのってしまっていた。

「いいぜ、のってやるよ。何でやる?」

「んー。じゃあ1年以内にレオを惚れさせた方が勝ちってのはどう?」

「おっ!いいな、それ。じゃっ今からスタートな?」

玲王の同意もなしに始まった賭けは、まだ天を見上げている玲王には知らない話だ。

そして1年後、俺たちが始めた賭けにもう1人新たに参加するやつが今後出てくるとは、この時の俺も、千切も玲王でさえもまだ知らない_









あとがき


唐突ですがごめんなさい!💦この後の続きめんどくさくなっちゃって書くの諦めちゃいました⸝⸝⸝👉🏻👈🏻💭

ついでに言うと、最後の方に言っていた新しい賭けに参加する人はエゴイスト代表の潔チャマです!!(この後の展開はご想像にお任せします🤞)



さぁーて!!!次回のお話はぁ??


作者ですぅ〜

毎日毎日飽きずに安定にpi○iv読んでたら、運悪く私に見つかってしまった「 中世ものの主人公総受け」ものにハマっちゃいまして、読み漁りすぎていつの間にかホームから総受けものが消えてしまいました笑

さて次回は?

【玲王ちゃま、モブの婚約者に?!】

【モブへの報復】

【私の作品の潔チャマは受けではありません】

の、三本ですぅ

御影玲王!総受け集!!(私得)

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あの~…続き、…描いてくれません…?、どれだけ待ってもいいのでお願いします…!

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