テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
(さて、今日も願い聞きは終えた。仙界に戻るか)
狐雲がそう思い、移動しようとした時だった。
ふと、美しく生え揃った竹林に目が及ぶ。
夜中だというのにずいぶんと辺りが明るく見えるのは、満月のせいであった。
(——美しいな)
仙界には存在しない、その月の見事さに、狐雲は珍しくもう少し下界に滞在していたい気持ちになった。
竹林に入ればさらによく見えるかもしれぬと考えた狐雲は、天に向け伸びているかのようにまっすぐな竹をかき分けた。
そして一歩足を踏み入れたそこで、狐雲は運命の出逢いを果たす。
(——天女……?)
思案するより先に脳裏に浮かんだ文字に、狐雲自身が最も驚いていた。
上野文
9,610
都築七美
278
てく
1,872
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!