2つの魂

西暦3580年かつての戦時中、リリアンという名の女狙撃手がいた。

彼女は戦争中、敵味方を問わず確実に狙撃して仕留める雇われ狙撃兵として知られていた。

しかし、孤独な日々の中で、偶然の出会いが彼女の心を動かすことになる。

ある日、索敵任務を終えアジトへ帰る途中、廃墟と化した村で、リリアンは一匹の子犬を発見した。

体温が低くその小さな命を救うため、彼女は生命の炎がまだ灯っているかのように優しく包み込んだ。

彼女はその子犬を「アリア」と名付け、自身の戦場である密林の中で大切に育てた。

アリアは成長し、次第にリリアンの心の支えとなっていった。

彼女の厳しい日常にも、アリアの愛情に満ちた存在は、新たな意味を与えてくれた。

2人には互いに信じる絆と安らぎを築いていった。

しかし、戦争の闘争においては、悲劇と絶望がつきものであることをリリアンは痛いほどに知っていた。

ある日の戦場で、リリアンは敵狙撃兵の銃弾に撃たれ倒れてしまう。

彼女は致命傷を負い、力尽きかけていた。

その時、アリアは静かにリリアンのそばに寄り添った。

彼女の眼差しには、悲しみと怒り、決意の炎が燃えていた。

アリアは嘆き悲しむことなく、勇敢なる覚醒を遂げたのだ。

アリアは力強く吠えながら敵の方へと飛びかかる。

眼前に立ちはだかる敵兵は驚きと恐怖に打ち震え、必死に後ずさりする。

アリアの吠え声は凄まじく、戦場に響き渡った。

アリアはリリアンの命を奪った者達に復讐の鉄槌を下すため、恐怖と怒りの化身となったのだ。

鋭利に光る牙と爪が、敵の肉体を引き裂き、血しぶきが舞い上がる。

アリアの力は戦場がその力に飲み込まれていった。

そして、アリアはリリアンの魂と彼女の復讐の意志を背負いながら、闘い続けた。

アリアの伝説は戦場で知れ渡り、狙撃手リリアンとアリアの名はその歴史に刻まれることとなった。

戦場での悲劇が、彼らの命を繋ぎ、新たなる伝説を紡いでいった。

アリアはリリアンの復讐を果たし、彼女の存在は永遠の栄光へと昇華したのである。