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「ねぇ・・・いったい総額いくらだったの?お願いだから教えてよ!」
藤子は自宅のリビングで、大きなヴィクトリア・シークレットのピンクの紙袋の中を覗いて言った
吐息のような柔らかなキャミソール、シルクのブラジャー、シースルーの色とりどりのTバックが詰まっている、その横で「なんか私ですいません(汗)」とばかりに藤子が買った、ベージュの機能性抜群のブラジャーも収まって、さらにカタログ3冊が入っている
文也は藤子の家の飼い猫「茶々丸」と「歌麻呂」に交互にチュールを舐めさせながら言った
「そんな話は持ち出さないで!僕は今この下着を付けた藤子ちゃんを想像して満足してるんだから、あの店にはなかったけど今度「食べられる下着」を注文しようよ!僕「いちご味」がいいな、藤子ちゃんも追加注文したいヤツあったら言って、いくらでも買うから」
そう言いながら、文也が藤子のベットにうつ伏せになって、熱心にカタログを眺めている
茶トラの茶々丸と、真っ白で顔に黒のブチがある歌麻呂が、上半身裸の文也の背中に乗っかっている、この二匹があっという間に彼に懐いたのも藤子は驚いていた
保護猫のこの二匹は、人に対して警戒心が強く、ジェニなんかいっつも彼らの傍によると「シャーッ」と歯をむき出しにして拒否るので、今でも全然触らせてもらえない、なのでずっとこの子達に対するジェニの片思いは続いている
文也は最高の恋人だった、初めて韓国で愛を交わして以来、熱心な藤子の生徒の彼は、彼女好みの愛の妙技をメキメキ上達させ、今では百戦錬磨の達人の域に達しようとしていた
藤子の言うことは何一つ嫌がらず、なんでも試してみたい好奇心旺盛の性格の文也と、この二週間でありとあらゆる体位を試した、そんな彼と愛を交わすのはとても楽しく、そして文也も同じ気持ちらしく、彼は仕事が終わったら毎晩藤子の家に入り浸っていた
藤子がベッドに寝転んでいる彼に寄り添うと、文也はキスで藤子の上半身をたどり、おへそに舌をいれた、藤子はキャーキャー悲鳴をあげて抵抗するが、抵抗すればするほど文也がくすぐるので、ベッドの上でバタバタと暴れる、
二人があんまり暴れるから、茶々丸と歌麻呂はさっさと奥のキャットタワーに退散した、やがて文也がベッドで藤子を抱きしめ、ウトウトしながら言う
「あ~・・・眠い、もう今夜はここに泊っていい?藤子ちゃん」
「まぁ、駄目よ!明日も仕事があるでしょう?日付が変わる前に帰ってあなたも休まないと」
「じゃぁ、僕の家に泊まりに来てよ、2分で出社できる」
「それも絶対ダメ!いつ誰にあなたの家に出入りしてる所を見られるか分かったものじゃないわ」
文也は藤子のお尻をつかんだまま、ムッとして言った
「いつになったら僕達が結婚を前提として付き合ってるって公表できるの?君に止められているから僕は黙っているけど」
途端に藤子が焦りだす
「そ!それは・・・ほら・・・私達、まだお付き合いして二週間よ?もうすこし時間が経たないと・・・」
彼がムッとして言った
「こっちは早く手を着けたことを表明しないと、君を狙っている男がいつ出てくるか心配なんだよ!」
「そんなこと考えているの?」
藤子は言った、さらに彼は続ける
「君は綺麗だし、誰とでも仲良くなれるし、愉快だし、そんな人好きにならない方がおかしいだろう?」
嬉しい反面、藤子は文也が現実をわかっていないと思った、実際は今まで好きになった人なんてほとんどが片思いで、やっと付き合えたと思った男性も、自分を置き去りにして、さっさと北海道なんかに行ってしまう様な相手だったのに・・・
こんな素敵な男の子が、自分を愛の女神の様に讃えてくれるなんて嬉しい反面、いつか彼が今謎に彼にかかっている「藤子良い女」の魔法が解けてしまったら・・・
実際は良い女に一生懸命なろうとしている、冴えない女に気づいてしまったら・・・
途端に藤子は彼に何を言えばいいかわからなくなった
「いつ入籍する?」
彼が藤子を腕枕して真剣に聞いて来た
「そっ!それは・・・その・・・今ここで話すこと?今はこうしてあなたと一緒にいるのが楽しいのに、その話はまた追々・・・」
文也は一度目を閉じてガッカリしたものの、自分に言い聞かせるように言った
「わかった」
藤子は両手で彼の顔を挟み、そっと口づけた
「大好きよ・・・文也君」
ガバッと彼が覆いかぶさって来た
その夜の彼との愛の行為は、少し乱暴だった
#復讐
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#短編集
りすぐみ
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#恋愛
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コメント
1件
「第59話」読みました!文也くんの溺愛が止まらなくて、もう「食べられる下着」発言には笑っちゃいました(笑)。でも急に結婚の話になった時の藤子さんの焦り方、すごくリアルで…「自分はそんなに良い女じゃない」って思う気持ち、わかるなあ。彼のまっすぐな愛情に対して臆病になってしまうジレンマが切ないです。茶々丸と歌麻呂が文也くんにだけ懐いてるのも、彼の優しさが伝わってきて微笑ましかったです!