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次の日の夜、慎司から連絡が来た。またいつものホテルに瑠奈と立花恭平が入っていったという。不倫は嫌いだと言ったのはもちろん警告のつもりだった。警告を無視するなら余も遠慮する必要はないな。
何もするな、隠しカメラの動画だけ送れと返事したら、四時間後にそれは送られてきた。
このスマホを破壊したらここには予備がない。情事の場面は先送り。ピロートークの場面だけ拾って再生した。
「昨日、娘に突然不倫は嫌いだって言われたんだよね」
「それってバレてるんじゃないの?」
「やっぱそう思う? ぶっちゃけ旦那と離婚してもいいけどさ、娘に嫌われるのは困るんだよね」
「旦那の子だからかわいいと思えないと言ってたくせに、結局かわいいのかよ」
「そうじゃなくて、離婚して娘が旦那と住みたいと言い出したら困る。離婚して母親が親権取れなかったら世間体悪いじゃん」
ここでスマホを窓ガラスに向けて投げたくなったが、続きが見られなくなると思い、ぐっとこらえた。
「じゃあ、不倫やめるか?」
「無理。中絶させられて一度は別れたけど、恭平とのセックスが切れると途端に禁断症状に襲われるんだよね」
「おいおい、おれはドラッグかよ。十五年前にダメ元で声をかけて正解だったな」