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腐ったはんどくりーむ
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耀聖(ようせい)
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#世界が私を嘘という
EP.3 奇妙な法則
会社での一件以来、瑞希は「自分が本当に狂ってしまったのではないか」という恐怖に完全に支配されていた。
仕事はミスを連発し、結局、会社を1週間休職することになった。
「ゆっくり休めば大丈夫だよ。瑞希は頑張りすぎたんだ」
健太は変わらず優しかった。朝食を作り、薬を飲むのを見届け、瑞希の頭を優しく撫でてから仕事へ出かけていく。その献身的な姿に救われる反面、瑞希の心にはどうしても拭えない「毒」のような違和感が残り続けていた。
(本当に、全部私の幻覚なのだろうか)
健太が仕事に出払った静かな部屋で、瑞希はふと、リビングの棚の引き出しを開けた。
そこには、健太が管理しているはずの医療費の領収書や、家の契約書類が保管されている。
何か「自分が正しい」という証拠を見つけたい。その一心で書類を漁っていると、一番奥から古いノートが一冊見つかった。健太が学生時代から使っている古い雑記帳のようだった。
パラパラとページをめくると、健太の几帳面な文字で日々の予定や読書感想メモが並んでいる。しかし、あるページを開いた瞬間、瑞希は指先が凍りつくのを感じた。
そこには、何枚かの切り抜きやメモが貼られていた。
『ガスライティング:標的の現実感覚を狂わせ、精神的に追い詰める心理的虐待』
『記憶の書き換え:反復による刷り込みの効果』
心臓がドクン、と大きく跳ねた。
殴り書きされた文字の横には、さらに信じられない一文が残されていた。
『瑞希の記録。ノートの回収、筆跡の模倣完了。次は職場の環境隔離』
頭の中が真っ白になった。
自分の筆跡で書かれていたあのノートの続き。身に覚えのない亜美へのメール。
あれは自分の異常行動ではなく、健太が裏で意図的に仕組んでいたことだったのだ。
「……健太が、私を狂わせようとしてる?」
声が震えた。信じたくない。けれど、ここに書かれていることは、瑞希の身に起きたことそのものだった。なぜそんなことをするのか。優しくて完璧な恋人の裏の顔が、突如として牙を剥いたように思えた。
その時、玄関の鍵がガチャリと回る音がした。
まだ昼の2時だ。健太が帰ってくるはずのない時間だった。
「瑞希? 家にいる?」
健太の声が廊下に響く。
瑞希はパニックになりながらも、慌ててノートを引き出しの奥へ戻し、何事もなかったかのようにソファへ飛び込んだ。
リビングに入ってきた健太は、いつも通りの笑顔だったが、その手には見覚えのない白い封筒が握られていた。
「忘れ物しちゃってさ。あ、そうだ。ポストに瑞希宛ての手紙が入ってたよ」
健太から渡された封筒の表書きを見て、瑞希は息を呑んだ。
差出人の名前には、こう書かれていた。
『前尾 拓海』
かつて、瑞希が健太と付き合う前に少しだけ交際していた元恋人の名前だった。彼は2年前に不審な事故で亡くなったはずだった。
「誰から?」
健太が覗き込んでくる。その瞳は笑っているようで、奥のほうが全く光っていなかった。
「……ううん、なんでもない。ただのダイレクトメール」
瑞希は封筒をポケットに押し込み、乾いた声で笑った。
夜、健太が眠りについたのを確認し、瑞希は洗面所にこもって封筒を開けた。
中には、たった一枚の便箋が入っていた。文字はかすれ、殴り書きのような筆跡だった。
『瑞希へ。もし君の周りで奇妙なことが起きているなら、すぐにそこから逃げろ。アイツは人間じゃない。僕も、君と同じように消されそうに――』
手紙はそこで途切れていた。日付は2年前のものだった。
瑞希は手鏡に映る自分の青ざめた顔を見つめた。
健太の狂気は、今に始まったことではない。過去にも同じように、誰かを追い詰めていたのだ。そして次の標的は、自分。
その時、背後の洗面所のドアが、静かに開いた。
「瑞希、夜中に何してるの?」
鏡越しに、暗闇の中から健太の顔がぬっと現れた。その顔には、今まで見たこともないような、冷酷で平坦な笑みが浮かんでいた。
他校の友達誘ったら文化祭来てくれることになりました!
嬉しいᕦ(ò_óˇ)ᕤ
コメント
1件
うわぁ第3話めっちゃヤバかった…!!😱💦 ガチでゾクゾクしたんだけど!健太くんのアレって「ガスライティング」っていうやつなのか…完全に裏の顔が見えた瞬間の瑞希の恐怖がリアルに伝わってきたよ。しかも亡くなったはずの元カレから手紙とか伏線エグすぎるし、鏡越しのラストシーン怖すぎて声出た😭💦 次が待ちきれない〜!那月先生、引き続き追いかけます📖🔥