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バトルスポットに立ち、両者互いに戦姫を駆り出す。先程までギリギリの戦闘をしていたカナ、肉体的な傷は戦姫大戦のシステム的に完全治癒されてるが精神的な傷は癒えぬまま戦場に立つこととなる。

「くっ……。本調子では無いってのにやらないとか」

「すまない。だが、あの場で覚醒を使っていたらカナはここに立つことすら困難だった」

「実際それはそう。ENの残量的にもあそこで覚醒使ってたら確実に負けるからね」

「辛いだろうが頼むぞ」

「それはそれこれはこれ、よ。絶対負けないし覚醒使えるならなんとかなるはず」

「ずいぶんと私も舐められたものね。あの時はデータを集めるための兵装、今回は貴女を潰すための兵装。あの二の舞にはならない」

「なら、確かめさせてもらうよ!」

すぐさま距離を詰めて得意の近接戦に持ち込む。だが、以前戦ったアサルトナイトはそこには居ず簡単に初撃を防ぐ。

「なっ!?」

「言ったはず。あの二の舞にはならない、とね。」

「確かにやるようになったのね。」

「ねぇ?この戦闘が最期になるかもしれないでしょ?なら、私な好きなようにやってもいい?」

「あぁ構わない。私はもう往くも還るも地獄しかないからな」

「分かった。じゃあせめて行った先の地獄で二人落ちましょう。」

「覚悟を決めたってことね…。」

「私の名は『アサルトナイト』以前貴女は私の名に対してナイト要素がほとんどないと言ったわね?」

「言った記憶があるね」

「今回は見せてあげる。貴女が求めていたナイト要素を!!」

体を隠していたマントを脱ぎ捨て本来の兵装が姿を現す。今度は名の通り鎧を身にまとい腰には直剣が一つと背部に大盾を背負っている。鎧自体は肩等ところどころ肌が見えていて、そのあたりはデザインとして作られているが素人のカナでもわかるほど、装備としてのランクは高く機動性と耐久性も優れている

「私はお前にあの時確かに負けた。装備が整っていなかったのもあるが、負けは負けだ。それから私はお前を下級の戦姫とは見ず、私が倒すべき相手と認識した。 」

「へぇ?」

「だからお前の対策もしっかり取らせてもらった。この剣はビーム兵器を弾く性質を持つ。得意の近接戦に使用するのはビームサーベルだ。私がいなせばお前は隙だらけになるのを忘れるな」

「ふん。なんだっていいさ。私はとにかくアンタのオーナーを何とかしないといけない。その為にアンタを倒す。ただの通過点だ。対策されようと私は現時点ではこの装備しかない。これでやり通してみせる。 」

「装備だけじゃなく、お前のスキル覚醒に対抗するべく持ってきたスキルもある。『ブースト』というスキルだ。本来バーニアやバックパックの推進剤はENを消費する。しかしこのスキルはその時に発生する消費ENを激減して余ったENを攻撃に回せる。そういうスキルだ。」

「なるほどね。持久戦に持ち込めるようにブーストの消費ENを減らしたわけだ。いいよ、私にそれだけ本気を出してくれたのは嬉しいからね。」

「なに?」

「今のあんたに会うまで色んなやつは私をF帯の雑魚戦姫と罵って結局敗北してる。下克上みたいで楽しかったけど、やっぱり対等に扱って欲しかったのは本音のとこね。」

「以前の私は確かに舐めてた。だから負けた。なら、どんな相手にも全力で挑むこと。私はあの敗北から全てを学んだ。もうお前を雑魚とは言わない……いや、お前とも呼ぶのも辞めてやる。『カナ』ここで貴女を仕留める!」

「なら、私もさっき煽ったことは謝るわ。お互い死力を尽くしましょう『アサルトナイト』」

お互い距離を取り相手の様子を伺う。常に警戒を怠らず、緊張の糸は張り詰める。

(仮に私が先に動いたとして、相手はビーム兵器を弾く特性を持つ剣を手にしてる。私がサーベルを縦に振り下ろした時彼女はきっと横に剣を振るうはず。

その時、剣の特性で私は大きく弾かれ隙だらけになる。そこを突かれてジリ貧だろう。では、こちらが横に斬り掛かるとどうだろうか?

結果はさっきの逆になるが、それは『相手が盾を使わない』という条件付きになる。恐らく背部に背負う盾は今私が考えた策に対する対策だ。となると私は如何にして自分の得意レンジに持っていきそのうえで反撃されない立ち回りをするか、それが攻略の鍵となる訳だが……)

「どう突破したものかなぁ…」

「貴女が考え望む方に進めばいいんじゃない?」

「そう言って私を貶める気か」

「どうかな?」

(実際のところは私の意図した通りに行動して欲しいところではある。というのも、彼女が扱う『覚醒』というスキルは消費するENがかなり大きい代わりにそれに見合った、もしくはそれ以上の対価として『力』を手にすることが可能なのだ。

あの負けた一戦で私はそれらを理解した。さらに私はその戦闘ムービーを何度も見直し何とか原理を理解しようと試みた。もちろん結果として分からないことが多いが、分かったことも少しある。

その一つが火力の上がり具合だ。彼女が扱う武具は全てF帯で手に入る装備。にもかかわらず覚醒を使うとその強さはおおよそ【C帯】のレア武器に匹敵していた。数値化出来ればなお良かったが、そんな都合よくはいかず、時間を掛けて何とか見つけたのが今回のこの成果という訳だ。

私の見つけたこの仮説が正しかった時、覚醒は現在扱う武器ランクを二つから三つほど一気にあげることが可能になり、出力もそのランクに合わせたものになるなら、彼女がランクを上げてしまうと勝てるものはそうそう現れない。

故に彼女が欲しいんだろう。覚醒が何かを知り他の戦姫も扱えるようになればさらにド派手な戦姫大戦が可能となる。インフレも大きく進むだろうが、競技にまた少し変わった面白さを見いだせるだろう。それが正しき方向に使われる未来なら、ね。)


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