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鼻をくすぐる、遥の少しだけ荒い吐息。
頭が真っ白になって、私はギュッと目を閉じた。遥の心臓の音が、重なり合う胸板からドクドクと伝わってくる。
「……ん、……ぁ」
ようやく顔を離した遥の瞳は、満足げに潤んでいて、それでいてどこか挑戦的な光を宿していた。
「……紗南。今、誰のこと考えてる」
「……遥、のこと」
私が消え入るような声で答えると、遥はふっと口角を上げ、満足そうに私をもう一度強く抱きしめた。
でも、ここから先、自分自身の心と、そして待っている凌先輩にちゃんと向き合わなきゃいけない。