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サイド マオ
◯◯銀行の奴等が来た後、ネットにとある写真とコメントがアップされた。
『◯◯銀行の社長を突き飛ばした少年。事件と関わりあるのかな?』
一応、顔は隠されていた。それに、ただの意見・考察だったから誰も傷つかない。はずだったんだ。
このコメントを事実だと思い込み、一方的に俺を非難した奴がいた。
「「「「…………」」」」
ネットでは、事実と考察が交差しやすい。
嘘も、信じれば真実になる。真実も、信じなければ嘘になる。
アミ、お前が俺を犯罪者だと決め付けたようにな。
「っ…………」
『犯罪者はタヒね』『そいつが金、盗んだんだろ?』『最悪』『人間じゃない、クズだ』『56しに行く人手ェ挙げて♡』『住所特定!』『ナイスゥ‼︎』『社会の53が』『なんでのうのうと生きてんだよ』『個人情報晒しとくわ』『お巡りさーん、こいつでーす』
「違う、俺じゃない!!」
そんな俺の叫びは誰にも届かなかった。
ネットでは、顔が見えないから簡単に暴言を吐けるんだ。そして、後は数の暴力を振るう。
そんなSNSの悪いところが全て俺に降り掛かってきた。
顔を隠すためにマスクをし始めたのもこの頃だな。アミみたいに、分かる人には分かってしまうから、気休め程度だが無いよりはマシだった。
毎日自宅に落書きやイタズラをされて、親にもたくさん迷惑をかけた。
そんな地獄が一年も続いた頃、もう生きることをやめようと思った。リスカだってたくさんやった。今でも痕が残っている。
それを止めてくれたのがアイツだ。
「あいつ?」「誰ですか?」
ああ、こいつらは知らないのか。
「このモンダイジ団を作った初代団長だ」
「「「えっ?!」」」
俺はアイツに救われた。だから今の俺がいる。
「アイツが俺を助けたように、今度は俺が誰かを助ける」
きっと、それがアミになるんだろうと俺はどこかで思っていた。