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――エマたちの人間世界での日々


☀️【数年後/人間の世界】

時計の針は静かに進み、

元の世界から来たエマたちも、少し大人になった。

エマは街の子どもたちに笑顔で絵本を読んでいた。

ノーマンは研究機関で働いていた。

レイは教育センターで小さな子に文字を教えていた。

…でも。

彼らの胸のどこかには、いつも**“空白”**がある。

埋まらない“何か”が、心の真ん中でうずくのだ。


🧸【回想:別れの扉】

あのとき、扉が閉まる寸前に――

**「行って」**と微笑んで、

シンム兄ちゃんは背中を押した。

レイ「……あいつ、全部知ってたくせに、最後まで何も言わずに」

ノーマン「僕らが泣かないように、笑ってたんだ。あの人らしいよ」

エマ「でも…!でも…!私たち、もう一度ありがとうも、ぎゅって抱きつくこともできなかった…!」


🌧️【エマのひとりごと】

ある雨の日。

エマはベンチに座って、空を見ていた。

「シンムお兄ちゃん。今どこにいるの? 生きてるの?」

「もう誰も…シンムお兄ちゃんのこと覚えてないみたい。あんなに優しくて、私たちのために全部をくれたのに」

「でもね、私たちは…忘れないよ。ずっと、ずっと、ずっと――」


📚【ノーマンの研究室】

ノーマンは夜遅く、古いノートを見つめていた。

それは脱出計画を書いていたときの記録。

その端っこに、ぽつんと残されたメモがある。

「この紐の使い方、シンム兄ちゃんが言ってた登り方に似てるね」

「“昔、高い木に登れなくて”ってやつ」

「もしかして――あのときから全部、知ってて導いてたの?」

ノーマン「シンム兄さん……君は“僕らを逃がすため”だけに生きてたの?」


📖【レイの図書館】

レイはふと、棚に並ぶ本に目を留めた。

タイトルは「小さなお兄ちゃんの物語」

ページをめくると――

どこかで見たような、やさしい少年が描かれていた。

レイ「……絵柄が似てる。偶然じゃないよな……?」



3人の視線が、それぞれの空を見つめる。

それぞれの道を歩きながら、

胸の奥にいる――優しくて、どこまでも強い“お兄ちゃん”を想って。

そして、願う。

「今、どこかで幸せに生きていてくれますように

**そしてまたいつか、再会できますように」**と


優しい嘘の果てで

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