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何者かに突然背後から襲われ、次にルディックが目を覚ましたのは……何とあのピザレストラン店舗の、とある部屋の中だった。
「此処は……」
「ルディック、大丈夫……!!?」
「ユリメア、いてて………此処はまさか……あの店舗内か……」
「そうだよ、そして君を此処に連れ込んだのは……」
ユリメアは静かに視線を向けた。そして其処に立っていたのは鼠色のウサギと黄色いウサギの着ぐるみスーツを装着している二人の男女と、その背後には暴走状態になって制御不能の無数の機械人形達。
すると男性と思わしき人物はそっと着ぐるみスーツの頭部を外し、ルディックの方を見つめこう言った。「やあ、ルディック•ディルビー。やっと君と正面から対面出来る日をずっと待ち望んでいたよ、君もそうだろう?」
「何で俺の名前を知っている、…………そうか、あんたがウィリアム•アフトンか……!!!?」
「そうさ、驚いたかい?それにしてもびっくりだよ。私が殺した幼児の中に君と幼馴染の関係にある子供が居たなんて、最初はこの店に隠蔽されている闇の真実を暴こうとしていたからその本質に気付かれてしまう前に始末する………いや、最初からあの少女を殺して私の偉大なる完璧な機械人形 へ成し得る為のパーツの一部にするつもりだった……」
「そして、彼女を殺害して数年後……当然君は悲しみに暮れ、彼女の突然の死……その真相を探ろうとする、全てが想定通りだった訳さ、しかしそうなると君は私にとってせっかくの切望を邪魔するに違いないと、破綻する前に君をも抹殺してしまえば良い……とな」
冷酷なる非常な言葉を突き付けられ、そしてルディックは彼に問う。
「……………………一つ、あんたにどうしても聞きたい事がある」
「何だ……?」
「何でユリメアを殺したんだ、何で……彼女は殺されなくちゃいけなかったんだ……!!!?」
そう彼が問いただすと、ウィリアムは平然とした態度で「何故……か、理由などない、私はただ長年望んでいる自分の切望を叶えようと、完璧なる機械人形をこの手で創造したい、まあ【欲望の為】とでも言っておこう」
「っ…………、…………ふざけるな……」
彼は遂に積もりに積もっていた憤怒の怒りを爆発させた。
ただ単に、自分の都合や身勝手な欲望という理不尽な理由でたった一人の幼馴染を失ったその悲しみは簡単な言葉で済ませられない程に単純ではない。
「そんなくだらない理由で、あんたはユリメアのたった一つの命を奪った……そうさ、あんたがさっき言った通り、これまで俺はユリメアを失ってからずっと復讐と無念を晴らす為に此処まで動いてきた、それがこうして実現するとはな……何があっても復讐は果たさなくちゃいけない、そう彼女と約束したんだ」
「ははっ、だが……どうするつもりだ?此方には無数に機械人形達が居る」
そう話していると、ユリメアは自身を殺した張本人、自身を殺した事への因縁や恨みは勿論……何より自分だけに止まらず、ルディックまでをも殺害を企てようとしている事で怒りと憎しみが沸々と湧いてきてユリメアはルディックを守り庇うように、「彼まで殺してみなさい?ルディックを殺したら、お前を地獄に突き落としたとしても恨み続けてやるから……」
「憎いか……?恨めしいか?はははっ、所詮お前はもう死者の魂の器でしかないのにそれでどうやって私を地獄に突き落とすつもりだ……? 」
とその時……。
と何やら後ろからロックが解除される音が聞こえ、ウィリアムが後ろを振り向くと、「ルディック……!!?」
「皆んな…………」
「…………何故だ、何故ロックが解除されている…!!?、鍵は隠蔽した筈だ……!」
「ウィリアム・アフトン、やっと見つけた…貴方の悪行もこれで終わりよ」
「情報共有をずっと定期的に皆んなでやっててほんとに良かったよ、やっぱり最初から全てルディックを狙ってやってたんだな、彼から話を聞いていくうちに彼を明らかに殺害して抹消しようとしているんじゃないかって憶測を立ててたけど、ビンゴだったね」
「更に他にも彼を殺そうとかかってると勘付いた根拠はそれだけじゃない、突然と彼を自宅警備へと移行を命じたのも貴方、つまり雇用も警備場所を変更させたのは彼を追い詰め、逃げ場を塞ぐ事で苦しめ、最終的に彼を殺害しよう……いや、彼と犠牲者との関係性を調べた事により、邪魔者だと認識し、最初からそのつもりだったんでしょ?」
「だから何だと言うんだ……?」
「これ以上、何の罪もない犠牲者を増やさない為にも、今度は貴方が存在を隠蔽される番よ」
と、助けが来てルディックに付く味方が、ウィリアムからすれば敵が増え、一気に今度はウィリアムの方がピンチに追い込まれる事態に変わった。
すると、ウィリアムは焦りを感じ、さっきまであった余裕が段々となくなった状況だが、何としてでも、切望を叶えるのを阻害する不都合な邪魔者は消さなければならない……そう考えたウィリアムは排除機械人形達に命令を下した。
ウィリアムが命令を命じると制御不能モードになっている機械人形達は一斉にルディック達の方へゆっくりと巨体の身体を動かし進み、此方の方へ向かってきている。このままでは…………「ルディック…………!!?、いや、嫌っ……!!」
「…………心配はいらないよ 」
「え……??」
絶対絶命の危機だと、誰もが彼は殺されると思っていた。だが…………。
「何故だ、どうした……!!、どうして動かない……!!」
「どうやら、慢心していたようね。何故動かないかって?それもそうよ、忘れたのかしら?その機械人形達の【ガワの中身】は貴方が殺した犠牲者の子供、その魂が宿ってるんだもの……そうなれば、自分達の命を奪い去った貴方に対して何の恨みもないなんて事、ある訳ないでしょ?」
しかし、機械人形達のシステムは彼の手によって改竄され、暴走していた筈だったが何らかの要因をきっかけにどうやら機械人形の中に閉じ込められている亡霊達の魂は自我を取り戻し、改めて自分達がこの男に殺害され、命と人生を奪われた事を再認識し、今度はウィリアムの方へ標的を変え、無数の機械人形達は彼を目掛けてゆっくりと歩み寄る。
「な、何んだ……!何故私の方へ来る……お前達が仕留めなければならないのはあっちだ……!」
「早く地獄に落ちなさい、この悪党者め」
「私達の命を弄び利用して楽しかった?ふふっ、残念だったね、死ぬのは彼じゃない……貴方の方だよ」
「よくも今まで私達の命を弄んだね、死の苦痛を味わうべきなのは他の誰でもない……貴方一人だけで十分だよ」
亡き犠牲者達の魂は遂に悲願の復讐を果たす為に反逆の意を決意し、自らの手で自分達の命を弄び、散々利用した憎き悪人、ウィリアム•アフトンへ裁きの罰を与える。
「こ、こんな筈じゃ……」
「全てはあんたが仕組んだ事、まあ因果応報って奴さ。今更誰も助けようとなんてしないだろうな」
機械人形達は更に詰め寄り、ウィリアムが脱いでいたスプリングボニーの頭部パーツのガワを彼に被せようとどんどん近づいていく。
「凶悪人には現世よりも、そして機械人形のガワの中に圧縮されるよりも……地獄で一生をもって苦しんでもらった方がお似合いだよ。さあ、あんたも大人しく機械人形の中に取り込まれなよ、私達と同じ苦痛をたっぷりと体感して貰うから」
「ひっ……、や、やめろ……!!言う事を聞け…!!、やめろ……!!」
ウィリアムは必死に叫び、無数の機械人形達を制御しようと訴え続けるも、そんな思いも虚しくガワの中身である犠牲者の亡霊達はウィリアムの事を許すわけも無く、一気に自分が危機的状況に追い詰められ、「はあ……はあ、はあはあ…………、私はお前達の親のような存在なんだぞ、指示通りにしなさい……!」
「さあ、地獄へ行くんだ。そして死者になっても尚……自らが殺めた犠牲者達に恨まれ、憎まれ続けると良い」
想定もしてなかった突然の事態に焦り始めたウィリアム。それ故に心拍数が早まり、段々と着ぐるみスーツの中にある無数の金具やスプリングロックが緩み始め、メキメキと音を立てながら自身の身体にゆっくりとめり込んでいく。
「あら、自分で自分の首を絞めてるなんてほんとに何処迄も惨めね。それにそのスーツは身体のある部分に直結していて、汗や脈拍……鼓動の変動が引き金となる……、スプリングロックが外れれば、内骨格の部分が刺さる、自分で作った着ぐるみスーツで命を落とす事になるなんて運がないわね、まあこれも因果応報……悪行を積み重ねてきた天罰よ」
「ジュディア、頼む……!助けてくれ……!」
「ずっと貴方に従ってきたけど、でも……もう」
彼女はウィリアムを一切助ける事なく、ただひたすらにウィリアム•アフトンが徐々にボロボロとなってスプリングロックが外れていき、少しずつ死んでいく様を無慈悲に見つめる。
「私は…‥いえ、私達は貴方に脅されて良いように利用され、仕方なく協力関係を築いていたけれど、それも今日‥……この瞬間で終わりにしたい、だからどうか、そのまま地獄へ墜ちて」
そう言って彼女はウィリアム•アフトンを睨みつけ、そして救済も何もせず機械人形達に無理矢理スプリングロックを緩められ…………
「ああああああああああああっーー!」
こうして、彼は無残な死を遂げた。
そして機械人形達はウィリアムが入っているスプリングボニーの胴体を引き摺るようにして何処かの部屋に入れ込み、今度は彼を永遠なる闇へ葬り、幽閉した。
それにより、閉じ込められていた亡霊達はガワから一斉に解放され、もう現世にいる理由もなくなり、遂にお別れの時間だ。
「……………………」
復讐を終え、嬉しいはずなのに何だか心が寂しくなってくる。そんなユリメアを見兼ねて、「良いよ、そろそろあの世に帰らなくちゃいけない、だから君も……君の大切なあの人との最後の会話をしてくると良いよ、その間僕らは此処で待ってるから」
「ありがとう……、皆んな……!」
そしてユリメアは別れの準備を済ませる事にした。
「ねえ、ルディック……」
「ユリメア……もう分かってるよ、復讐を果たし終えた以上…もう現世に居る必要がなくなった……だからあの世に帰るんだよな、本当はお別れなんてしたくない……けどお前はもう生者じゃない、だから天国に逝かなくちゃならない、分かってる……でも……」
彼はユリメアとの別れの時がもう目の前に迫っている今、大切な幼馴染がもう傍に居なくなる現実が近づいて来ている、そう思うと不意に……。
「……………………っ」
「ごめんなさい、私はもう死んでる身だし……帰る場所なんて天国しかない。それに復讐を果たすっていう二人での約束も果たされたし、彼奴への復讐が出来て私はもうこの世に未練なんてないよ、ない筈なのに……何だか急に寂しくなってきちゃった……」
「天国に還っちゃう前にもう一度抱き合おう」
「うん………」
そして二人は互いに抱きしめ合い、最後の優しい温もりを感じ取り合った。
「暖かい………」
「ああ、そうだな」
「ねえ、ルディック……寂しいよ、私ね……ずっと言えなかったけど私……もっと大きくなって大人になったら君と一緒に暮らしたかったな、そしたらずっと……一緒に居られて沢山遊んで……ずっと笑い合いたかったよ」
「……………………俺だって同じだよ、ずっと言えなかった…言おうと思ってた事があって……お前の事ずっと大好きだよ」
「私も……愛しててるよ、ルディック」
すると、時間がきたようで彼女の身体は段々と透け始め、「…………時間がきたみたい、じゃあ最期に言わせて。ルディック、私の事ずっと忘れないでいてくれてありがとう……大好きだよ、寂しいけど…………もう逝かなくちゃ……さようなら」
「ああ、さようなら」
互いに涙を堪えて、最期の別れの言葉を告げ、ユリメアは他の亡霊達の元へ戻った。
「別れの言葉は済ませられた?」
「うん、もう思い残す未練はないよ」
「それなら、安心してあの世に還れるね」
こうして、ユリメアと犠牲者の亡霊達は一斉にあの世に還っていった。
「ユリメア…………あの世でも元気で居てね」
ーーーそれから数年が経ち、ルディックは成人して警備からは退き、別の仕事やバイトをやりながら日々を過ごしていた。
勿論、ユリメアを失い亡くした喪失感が完全に消えた訳ではない、彼女が天国に旅立った今でもその悲しみと寂しさは癒えないまま。
「ユリメア…………あの世で元気に過ごしてるかな、もう君を悲しませる事はなくなった、それだけでも救いになれたのかな」
そうして、彼はユリメアとその母マーティルの墓参りに行く為に外へ。
その墓参りへと向かっている途中で、「あら、ルディック君。何処かへお出かけ?」
「ああ、そうだよ」
なんと、道中で偶然にも再会したのはかつてウィリアム・アフトンを射つ為に協力してくれていたあの警備員仲間達だった。
「せっかくだし、良ければ墓参りに同行しても良い?それに……もっと貴方の幼馴染だったあの少女についての話も聞いてみたくて」
「分かった、って言ってもその話は墓参りの後にしよう、色々話したいし」
「それで構わないよ、此方は頼んでる方だし、それも無理にとは言わないから」
「じゃあ、行こう」
ルディックはその後彼らを連れ、ユリメアが眠る墓石がある墓地へと向かった。ユリメアの墓石の隣には勿論、マーティルの墓もあり、彼は二人の墓に其々花とお供え物を置き、墓前で手を合わせた。
「ユリメアちゃん……だっけ、風邪の噂で流れてきて、貴方とその少女はとても仲が良かったってって言っても私達が知ってるのは小耳に挟んだ話程度の事だけど……」
「……………………ユリメア……」
墓参りと献花、清掃を終わらせたルディックは彼女の事をもっと深く打ち明けるべく皆んなを家に招待した。