テラーノベル
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と言う事で無事(?)、地上を離れる悪魔に代わる戦力は補充されたのである、やや過剰気味に。
だと言うのに未来でニンゲンサイドがモンスターに後塵を拝する二つ目の原因となってしまったのは何故だろうか?
答えは先程も伝えたとおり、世界中の聖女が痩せた、この事である。
揃って豊満だった彼女たちのお肉さんは課された重労働によって消え失せたかに見えた。
しかし、エネルギーや質量の保存の法則と同様に、魔力=生命力=中性子エナジーは形を変える事はあっても失われることは無い。
命がアートマンとブラフマンの違いこそあれ、一定量を保持し続けているのと同じである。
聖女たちの失ったお肉は、彼女たちの流した汗と共に周囲の大地や大気に吸収されてしまうのであった。
ただ一人バックレたままだったコユキすら、善悪と共に封印されて、現世(うつしよ)から隔離されてしまったのである。
世界は、これまで魔力隔離装置として活躍していた超巨大タンカーと、吸引も譲渡も思いのままだった魔力コントロール装置を同時に失う事となってしまったのだ。
手下の半数(女性)は腱鞘炎でオイオイ涙を流し、残りの半分(野郎共)は只無為にオロオロしているだけである。
結果…… それまで世界中で散見されていた『石化』災害が頻発してしまうことになったのだ……
突然広範囲を襲う『石化』の前には、魔術師となったニンゲンも、強化された魔獣も、それっぽく育ち始めた竜達も、抗うすべなく数を減らし続けて行ったのである。
反して、世界中の繁殖種、家畜やペット、養殖動物は次々とモンスター化して行ったのだ。
そうして数千年を経た結果、ニンゲン、魔獣、竜は生き残りの為に、身を寄せ合って隠れ住む、劣等種へと変わって行ったのである。
モンスターに数で圧倒的に負けているだけでなく、未だに粉薬による治療法、所謂(いわゆる)対処療法しか持たない勢力は、石化の暴威に脅え続けているのだ。
自然、共に暮らす仲間たちは、戦友から同士へ、そして家族や兄弟の様に近しい間柄として認知されるようになっていた。
互いに互いを寄る辺と考える事になれた結果、レイブ達のような独断専行であっても、家庭内の問題のように、なあなあで見逃すようになってしまっていたのである。