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イレブンとセーニャは、ロビンに告げられた試練に従い、指定された場所に向かうことにした。校舎の隅にある、広めの休憩室だった。そこにはすでに、何組かの生徒が集まっているのが見えたが、彼らがどんな試練を受けるのかは、まだ分からなかった。

「さあ、準備はいいか?」

イレブンはセーニャに向かって微笑んだが、その目は真剣だった。

セーニャは少し緊張しているようで、無意識に手をギュッと握りしめていた。彼女はまだ完全にはその試練を理解しきれていなかった。だが、イレブンの言葉を信じて、一緒に過ごす時間を大切にしようと思った。

「はい、イレブン様。」

セーニャは少しだけ頷くと、イレブンと一緒にその部屋に足を踏み入れた。

部屋の中は、柔らかな光が差し込み、窓からは校庭が見渡せる。壁には少し古いが、落ち着いた雰囲気の絵が飾られており、床には大きなソファが置かれていた。部屋の中央には、二人が座れるようにと、大きなテーブルが用意されている。

「これは…?」

セーニャは少し驚いた表情でその部屋を見回す。

イレブンもその部屋を見渡しながら、少しだけ考え込む。

「どうやら、ここで『一緒に過ごす時間』を作るみたいだな。」

そう言って、彼はソファに腰を下ろす。

セーニャは少し迷いながらも、イレブンに続いてソファに座った。二人の距離は、普段よりもぐっと近い。静かな空気が流れる中で、セーニャは少し気まずそうに手を膝の上に置いた。

「イレブン様、私たちは本当にこれをやらなければならないのでしょうか?」

セーニャの声には、少しだけ不安が滲んでいる。

イレブンは少しだけ苦笑いを浮かべ、セーニャに向かって優しく語りかける。

「セーニャ、僕たちが一緒に過ごす時間は大事だよ。どんな試練でも、お互いに信じ合っていれば乗り越えられると思う。」

その言葉に、セーニャは少し驚いた様子でイレブンを見つめた。

「信じ合っている?」

セーニャはその言葉を繰り返し、自分の心に問いかけるように言った。イレブンの言葉は、彼女の心の中で何かを揺り動かす。

イレブンは頷くと、ふと真剣な表情になった。

「うん、僕たちには幼い頃からの絆がある。だから、この時間も大切にしたいと思ってる。」

その言葉に、セーニャは少しずつその緊張を解きほぐすことができた。

「私も…そう思います、イレブン様。」

セーニャはやっと微笑みを浮かべ、イレブンに向かって穏やかな視線を送った。

その瞬間、部屋のドアが開き、ロビンが現れた。

「さて、二人とも順調そうだね。」

ロビンは手をポンと叩いて、ニヤリと笑った。

イレブンは少し警戒しながらも答える。

「どういう意味だ?」

その質問に、ロビンは愉快そうに肩をすくめた。

「いやいや、これから君たちはこの部屋で過ごすわけだろ?ただし、試練だから、二人の間に何かが芽生えるかどうか見届けさせてもらうよ。」

ロビンは言うと、すぐに部屋を出て行った。

その言葉に、二人はしばらく沈黙が続いた。試練というものが、やはり簡単に答えが出るものではないことを実感したからだ。

「イレブン様、これからどうしましょう?」

セーニャは心配そうに尋ねるが、イレブンは少しだけ安心させるように微笑む。

「まずは、この時間を楽しもうよ。焦ることはないさ。」

そう言って、イレブンはセーニャに優しく微笑みかけた。

二人は、ロビンの挑戦に乗る覚悟を決めた。その瞬間から、二人の関係は少しずつ変わり始めていた。試練の意味が何であれ、彼らはお互いを大切にすることを心に誓った。


次回予告:

第16話では、二人が一緒に過ごす時間の中で、少しずつ心が通い合う様子が描かれる。セーニャが抱える不安や、イレブンが彼女に対して感じている思いが明かされる中、試練の本当の意味が見えてくる。

主セニャの恋愛学校

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