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まず俺がやったのは、蓮に事情を話すこと。
変に隠して拗れるのも困るし、今の自分が置かれた状況も察してるだろうから。
「えーと…佐久間くんが性欲発散させてくれるってこと?」
「まあ、分かりやすく言うとそうなるな」
「さすがにそれは…申し訳なさすぎるというか」
自分の欲は発散させたいけど、それにメンバーを使うのはさすがに罪悪感があるみたいだ。
そう言われると思ったから、努めて明るく言い返す。
「そんな難しく考えるなよ。要するにさ、んー…恋人ごっこしようぜってことだから」
「恋人、ごっこ?」
「そ。ヤるだけじゃなくさ、恋人っぽいいちゃいちゃとか甘えたりとか。そういうの、俺とちょっとやってみないかって提案だと思って」
そんな風に言うと、蓮はうーんと考え込んだ。少しは気持ちが揺れてるみたいだ。
お願いだから、蓮。頷いて。
どうせ一時期の、期間限定の関係だから。
偽物でもいいから、俺に蓮に愛された記憶をくれよ。
「…本番ありの恋人ごっこ、どっちにもそれなりにメリットあると思うけど?」
意識して艶っぽい声を出しながら、蓮の顔を上目遣いで覗き込む。大きく見開いたあと細められた蓮の目は、僅かに欲に濡れていた。
「…いいよ、分かった。その提案乗った」
「それじゃ、契約成立だな」
契約印の代わりみたいに唇を重ねる。
思いの外しっくりきて、そのまま舌を絡めて貪り合った。
勢いのまま一夜を共にしてしまったことは、さすがにメンバーには内緒だ。
この日から俺は、蓮の『契約恋人』になった。