テラーノベル
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「さぁ、今年の日本シリーズ!!3勝同士で迎えた第7戦!!1点リードのビクトリーオーシャンズに最大のピンチが襲い掛かります!!」
「2アウト満塁、迎えるバッターは今日2ホームラン、二塁打、シングルヒットのマルチヒットで当たっているデンジャラスクライシスの四番、立花将一が打席に立ちます!!」
――――
マウンドに集まるオーシャンズ選手、コーチ、そして監督。
監督の大下は審判に告げる。
「ピッチャー、松原!!」
審判は走る。
ウグイス嬢に伝える。
「オーシャンズ、ピッチャーの交代をお知らせ致します。」
――――
松原!!!!
まつ!!頼む!!!
抑えてくれ!松原!!!
将人!!!!
観客は、既に周知。
一塁側オーシャンズスタンドは、絶叫の嵐!!
「ピッチャー、田岡に変わり、」
松原将人!!!!
背番号18!!!
うぉおぉぉおぁおおおお!!
松原!!!頼むぜ!!!
頑張れ!まつ!!!
抑えてくれぇぇぇ!!!
――――
ゲートから、松原が出て来る。
絶叫、怒号……
いや、何とかして欲しい、と言うその想い。
アナウンスの声すら、聞こえない。
――――
ゆっくりと、マウンドに向かう。
これで、日本シリーズ7試合、全てに登場。
困った時の、松原。
体力、気力?関係無い。
責任も乗っかって、総てが重くのし掛かる。
いつも、同じだ。
――――
打線の弱いオーシャンズは、常にギリギリの戦いをしてきた。
たまにはさ、麻布辺りでゆっくり呑みてぇよなぁ……
フッ
マウンドに立ち、いつものように、後ろを向く。
得点ボードを見る事が、松原のルーチンになっていた。
実は今年、立花との相性が頗る悪い。
防御率0.71の数字を跳ね上げているのは、立花だ。
でもなぁ、やるしかねぇ。
殺すつもりで、投げてやる。
松原は、マウンドに向かった。
――――
1球目。
松原は、キャッチャー・千田のサインを見る。
(まつさん、これで)
松原は、首を振る。
(くっ……じゃこれですか?)
松原は千田に対して、胸を十字に触る。
(取れよ、千田)
――――
これは、松原が決めるサインだ。
しかし、こんなサインは……無い。
千田は…………何が来るか分からない。
(死んでも止めますよ!!!)
キャッチャーミットを
ズバンッッ!!と叩く!!
――――
冷静な立花。これをどう読むのか。
サインが決まらない。
結局、松原の投げたい球か……
なら、
ストレートに絞る。
高さの調整ならある程度は可能だ。
狙いをストレートに、絞って、
スタンドまで運んでやる。
――――
「さぁ、サインの交換も終わり、松原はセットポジションから、立花に対しての第一球目!!!」
シュッッッッ!!
ブンッッッッ!!
ズバンッッッッ!
立花は、尻もちをつきかけたその体制をバットで支えた。
フォーク!!!
オーシャンズサイドでは、大歓声が起こる。
――――
(マジかぁ、フォークかよ……)
立花は、タイムを掛けて、体制を戻し上半身を振る。
(まつさん……)
バクンッッッッ
千田も冷静な表情の裏で、爆発しそうな心臓を抑えていた。
ボールを丁寧に、松原に返す。
(まつさんがこういう考えなら、俺も頭を切り替えないとな)
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