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天彩。
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少し身を屈めながら、彼らは隣の部屋をノックした。
shp「あ、あれ…誰も返事してくれへん、…」
「誰もおらへんのかな、」
「教えてもらう…こと、出来たらなって思ったんやけど…」
ゾムの耳に、微かに聞こえた見知らぬ誰かの言葉。
2人分の小さな、でも大きな足音が、カツ、カツと聞こえてくる。
その不気味さは、まるで研究員が近づいてくる時の足音のよう。
案の定ショッピは気づいていない。
なんせ聴覚が鈍っているのだから、小さな足音など聞こえない。
「ッぴ、くん…足音、…が、」
「誰か、の…声…が、」
掠れた声で伝えると、ショッピの顔色は次第に悪くなる。
罰を恐れているような、恐怖一色に染まった顔をしていた。
shp「食堂、!食堂って何処でしたっけ…と、トントンさんに、た…助けてもらいましょ、!」
zm「この通路右で…その後左曲がって、その奥、…」
「しょ、っぴ…?」
shp「足…動かへん…、怖い…んかな、」
2人の脳裏には、嫌な記憶が浮かぶ。
歯向かったときの罰、痛みという名の苦しさ、不快さ。
実験から逃げた時の、 研究員からの怒号、体罰。
自分の身体が壊されていく感覚は、ショッピは勿論、ゾムも薄っすらと感じていた。
ゾムは危険を感知した。ショッピは恐怖で動けなかった。
誤解から生まれた恐怖を掻き消すかのように、
「ぞ、ゾム…と、ショッピ…?」
ショッピの背後からした、はっきりとした優しい声の主はトントンだった。
tn「何しとるん」
抑揚が少なく、聞き取りやすい声は、恐怖で縮こまったショッピの耳にも、空っぽのゾムの心にも響くものだった。
その声に、安堵したのか。精神の限界だったのか。
ショッピは膝をがくりと折って、気絶してしまった。
▷
「ショッピ君は大丈夫や。」
ゾムは、何故ここにいるのかを説明した。
「知る、ために…ここ…」
ショッピの発していた言葉を断片的に繋いで、懸命にトントンに訴えかける。
自分は悪さをしていないこと、
ショッピは悪くないこと、
自分達を壊さないで欲しいこと。
その思いは、自分達を守りたいという、ただ純粋な一つの思いから成っていた。
tn「…じゃ、見てきてええよ」
「…?」
「ここは制限がないからな、変なことしなきゃ何でもしてええんよ」
トントンはそう言って、見取り図をざっと描いてゾムに渡した。今いる書記長室から見た簡易的な地図だった。
そして、別れを告げ、食堂を出た。
数歩ほど歩くと、
音が聞こえてきた。
刀と刀が
ぶつかり合う音
その音は、微かながら
ゾムの耳に届いた。
zm?『せ、戦闘を…を、をを、感知、感知…』
「しょ、ショッピ…!!助、け…」
zm?『強制強制、てて停止ププロロログラム…始動』
壊れかかった機械音が鳴り、ゾムの目にあった少しの光は消え失せた。
そして、訓練場目掛けてかけて行った。
どうして、戦闘を停止するプログラムが組まれているのか
戦闘兵器であるはずのゾムに、なぜ不必要なプログラムを組ませたのか
研究所の腹の中は、まだ明かされない_
ut「ハァッ…ちょ、…一旦休憩…」
sha「嘘やろ!?まだ動けるよなぁ〜?」
ut「こんの…ッ…💢」
ガラスの割れる音がした。
それも、グラスが割れるような軽度なものではなく、
爆発のような、大きな音。
それは、鬱の怒りで割れた訳でもなく。
sha「はっ!?誰…」
ut「ゾム…?」
zm?『き、きき凶器…を、発見。発見…、発見…』
zm?『排除、…排除…し』
「逃げて下さい!!!」
荒い息と共に、大きな声が二人の耳に飛び込んできた。
ショッピがゾムを抑えながら、必死に叫んでいた。
「…んで…なんで…、…急に… 」
途切れ途切れになる、泣きそうな声。
カラン、とナイフの落ちる音が無造作に鳴り、鬱とシャオロンは二人に駆け寄る。
「に、逃げ…て、ッ…下さい…」
「こ、カヒュッ…殺させ、ないッ…」
「カヒュッ、ごめ、ヒュッゲホッ、なさ…カフッ」
ut「過呼吸へーきか?ゆっくり呼吸しぃや」
「ハッ、ケホッ ハーッゲホッゲホッ、ゾ、ム…さん、」
zm「…邪魔、…する、?」
zm「殺…さな、」
shp「ど、ど、うしよ、…ゾムさん、…、」
sha「…多分、お前の声しか届かへんぞ」
sha「大丈夫、きっと届くって。な?」
シャオロンはショッピの強張った背中に手を置いた。
「止まって、」
「殺しちゃ、…だめや、 」
ゾムを抑えながら、目に涙を浮かべながら、必死に伝えた。
暴走したゾムの怖さを知っているから。
いくら彼らが強くても、けがが軽く収まったとしても、
「助けてくれた人達には恩を返すこと」
売られた喧嘩を買うのと同じ。
絶対に傷つけたくなかった。
少しして、
ゾムの目からは、光は戻らなかった。
それでも、その代わりに、ゾムは気を失った。
わこマリ。
ぎこちないね~そこがまた良き。
ピゾはいつまでも尊い。最高(^^)
早く次を書きたいです。
読んでくれてありがとう。♡も💭もみんな嬉しいわ。
おつマリ。
コメント
3件
うわあ、第6話、めっちゃ重かったですね……。ゾムの暴走プログラム、あれは明らかに研究所が仕組んだものだ。戦闘兵器に「戦闘停止プログラム」をわざわざ仕込むなんて、制御か、あるいは何か別の意図があるとしか思えない。ショッピが必死に止めるシーン、声が震えててこっちまで苦しくなりました。トントンの優しさに一瞬ほっとしただけに、あの展開は心臓に悪い。設定の裏側が気になって仕方ないです。