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キャラ崩壊注意!
死ネタあり
「ねぇ中也」
「あ?なんだよ」
「死後の世界ってどんな感じだと思う?」
「はぁ?知るかよそんなの」
「じゃあ、先に行った方が次会った時に教え合うことにしようか」
「生まれ変わってもお前と会うとか冗談じゃねぇ…」
「確かに、じゃあ私はもう行くよ」
「嗚呼」
それが、太宰と交わした最後の会話だった。
「は…?太宰が…?」
次にあった時太宰はもう息をしていなかった。いつも通り自殺をはかって、川に飛び込んだらしい。
「おい、太宰…?」
呼びかけてもいつものように太宰は煽っては来ない。
「なぁ,太宰…死後の世界はどんな感じだ…?
先に行った方が教えるんだろ?」
何を言っても太宰は何も返してはくれなかった。
それから3週間,太宰が死後の世界について教えに来てくれることはなかった。そして今日は中也の誕生日。
「なぁ,太宰。お前が言ったんだろ。教えるって。」
中也の声に川の流れる音が微かに混じる。
「お前が教えてくれねぇなら、もう自分で見に行ってやるよ…」
そして中也は帽子を脱ぎ捨て,3週間前に太宰が死んだ川に“飛び込んだ“。
「さぁ、中也はどこにいるのだろうねぇ」
その頃太宰治は街中を呑気に歩いていた。
「おや?ここはかつて私が死んだところじゃあないか!中也に会う前に今1度飛び込んで見ようかな」
そう独り言を呟きながら太宰が川の方に歩いて行くと、あるものが目に付いた。
「ん?帽子…?」
「は…?中…也?」
そのあるものは中也が肌身離さず持っていたあの帽子だった。
「…はは,本当君は莫迦だねぇ…」
周りの音が川のせせらぎにかき消されてゆく。
そんな中太宰は1人呟いた。
「約束すらも覚えていられないのかい…?」