配信を終わらせてしまったあの日から。私はまだエブシンを開けずにいた。もう自分でもどうしたらいいのか分からない。苦しい…ずっとそう思っていた。いっそ辞めてしまおうか。でも辞めたらノイズやすとろーはどう思うだろう?せっかく頑張ってきたのに辞めてしまうのも…ずっとそう自問自答しながら日々を過ごしていた。そんなある日,すみれに話しかけられた
「蒼唯〜ちょっといい?」
何の用だろう?でも私もすみれに聞きたいことがあったし,付いて行った。連れていかれたのは人気のない空き教室だった。
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
「ん?なぁに?」
「私を階段から突き落としたのってすみれ?」
沈黙が流れた。少したって
「うん。そうだよ。」
聞きたくなかった…
「どうして突き落としたの?」
「だって…」
『だって私,蒼唯のこと大っ嫌いだもん』
は…?どういうこと?
「そんなことより!私蒼唯にいい提案があるんだけど…」
「何…?」
『蒼唯さ,エブシン辞めたら?』
驚いて言葉が出なかった。
「どうして…?」
「え?だって蒼唯がいじめられてるのは蒼唯がエブシンをしてたからでしょ?だから〜エブシンを辞めたらいじめられないじゃん!万事解決!私,あったま良い〜!」
怒りで我を忘れ,いつの間にか私はすみれの頬を叩いてしまっていた。
「っ…」
「ふざけないで!今更辞めたって…」
急に教室の扉が開いた。
「すみれちゃん大丈夫?!」
長岡さんのグループの女子達だった。
「あーあ痛そう…」
「これ,岬さんがやったの?」
「うわっ最低…」
「え…私は…」
「うっ…ひっく…私がっ…蒼唯をっ…怒らせちゃったからっ…」
「すみれちゃん可哀想!」
「すみれちゃん岬さんに叩かれたのに庇うなんて…優しいね…」
「岬さんすみれちゃんに謝んなよ!」
は…?どうして…?なんで私が悪者みたいになってるの?
「違っ…私は…」
「え?この後に及んで嘘つこうとしてんの?」
「うわっ最悪…オタクで,往生際も悪いとか。」
「性格終わってんじゃない?」
「っ…」
その場の空気に耐えきれず,私は逃げ出してしまった。もう無理だ。友達には突き落とされ,挙句の果てに悪者扱いされて。誰も私の味方なんかいない。もう,いいや…どうせ誰も,私が何を言っても信じてなんかくれない。ずっと誤解されたまま生きていくなんて無理。それなら…
私は屋上に来ていた。
「ここで楽になった方がいいよね。」
私はフェンスに足をかけ,フェンスを乗り越えた。そして…
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