テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
鴨之助
762
596
花月夜れん
3,045
#異世界転生
しめさば
8,228
コメント
1件
わあ、第1159話、読み終えました……! この世界観、本当に奥行きがあって毎回引き込まれます。 今回特に印象的だったのは、レイブたちが干し肉や木の実を差し出そうとするシーンです。自分たちも決して余裕があるわけじゃないのに、相手を思って「少しなら分けられる」と言える優しさに胸が温かくなりました。でもそこに「バッタ以外の虫」というギレスラの台詞が入ることで、独特なユーモアが生まれていて、シリアスになりすぎない絶妙なバランスが素敵です。 そして何より、グフトマの「ゴブリンはニンゲンの魔物、モンスターの事さ」という告白には驚きました。レイブたちと同じくらい私も息を呑みましたよ……。まさかそういう設定だったなんて。さらに「小人の隠し穴」への案内で、岩壁が姿を変えるシーンの描写も幻想的で美しく、冒険譚の醍醐味を感じました。 KEY-STUさんの紡ぐ物語は、いつも読者の想像力をそっと刺激してくれるので大好きです。続きも楽しみにしていますね🌷
レイブはペトラ、ギレスラと視線を交し合ってからオズオズと提案を口にする。
「俺達も余計な程持っている訳じゃないけど…… 干し肉なら少しは分けられると思う、な?」
『うん、それにドングリとかの木の実も結構余っているけど……』
『後は虫だな! バッタ以外の虫だったら沢山乾燥してあるぞ!』
『ギギ、ジジジッ!』
最後はテューポーンが自分用の青草を咥えて何か主張していた。
恐らく『これも持って行け!』的な内容ではなかろうか? 泣かせるじゃないか。
グフトマも意気に感じたのか美しい相貌を緩ませて答える。
「ありがとう! だが気持ちだけで充分だよ! 我々の事は何とでもなるからね! それと、ゴブリン達の食事は普通とは違うから……」
レイブは不思議そうな顔を浮かべてチラリとテューポーンに目をやった。
明確にこの貧しい時代のニンゲンにとっても青草は、はっきり言えば雑草は普通の食事では無い。
そんな元藪や茂みだった草より普通じゃない物とは? 気になっても仕方が無いだろう。
「一体何を食べるんだ? ってかそもそもゴブリンって一体……」
この質問にはホブゴブリン達の困惑した視線を集めたグフトマが簡潔に答えてくれる。
「ゴブリンはニンゲンの魔物、モンスターの事さ」
「えっ」
『ニンゲンのモンスター、だと?』
『………………』
驚いた素振りを見せるレイブとギレスラ。
ペトラも表情を消して黙り込んでいる。
グフトマは岩壁を手で示しながら続ける。
「実際に見て貰った方が理解しやすいだろう、さあ、案内するよ、『小人の隠し穴』へ」
そう言うと先に立って、先程自分が滲み出て来た岩壁に向かって手を差し出す。
手の先にはいつの間にか小さな金属の針が握られている。
針の先端が岩壁に触れた、と見えた瞬間、滑らかだった岩は姿を消して、代わりにぽっかりと口を開けた洞窟の入り口が姿を表したではないか。
今度こそ揃って口を噤み驚愕の表情を浮かべているスリーマンセルにグフトマの声が届く。
「ようこそ我が終の棲家へ…… このクラックが『小人の隠し穴』だよ」
洞窟の中へと歩みだすグフトマの後ろにはホブゴブリンとパイロが続いた。
注意深く見ると、パイロ配下のラタトスク達は洞窟の中で身を寄せ合っている。
姿を隠したのはこの『小人の隠し穴』だったようだ。