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#イラスト
るめ
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スイレン🩵🪽 不定期浮上
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#アモアス役職
シノーペ🪐🌠💜
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椎名は、学校に着く。
いつも通り、りりは居ると思い込んでいた。
だがりりは_休みであった。
(…なんでこんなタイミングで…?)
(いつも、休まなかったのに?)
窓から入る風が椎名の悪寒を刺激し、恐怖が迫ってくる。
椎名は呆然と立ち尽くし、ぼうっと親友が座っているはずの空席を眺めていた。
思えば、いつもりりとばかりつるんで、他の誰かとはあまり話していなかったことを思い出す。
…きっと引かれているだろう、そんな考えと憂鬱が、水泡のようにゆっくり浮かんでいく。
(…ダメ、ダメだ。)
(…今そんなこと考えてる場合じゃない、授業を終わらせて、さっさと帰って研究員と話さないと…)
一切眠くないのが、ひどく違和感だ。
今まではずっと絶え間なく眠かった、寝ても寝てもそれは変わらず、ただ眠るという安寧を享受して、緩やかに時間を失っていった。
だが、今は違うのかもしれない。
眠気の根源が目の前にある。
それなのに届かない、届かないくらい遠いのに、今自分の目の前にいて、それなのにやはり触れられない。
(…)
「…う…」
椎名は、額を押さえた。
ひどい頭痛が、眠気の代わりに襲う。
保とうと思えば、倒れないくらいの頭痛だ。
だが今の椎名にとってそれは、なにか大きなものの前兆にしか見えず、ひどい恐怖感が襲った。
(……もうだめなのかな、私…)
(わたし…もう戻れないの?)
涙が出そうなほどの孤独感も、苦しみも頭痛も、全てが椎名に刃を向けているかのようだ。
(……私がわるいんだ…)
そんな独白も、誰にも届くことはなかった。
言葉にできることも、なかった。
今の椎名には、あまりに難しい計算式なのかもしれないから。
___
椎名は帰り、夕陽に照らされた玄関の扉を閉め、外の世界を隔絶する。
(…どうにかしないと)
もはや追い詰められているような気がした、だがもう呑気にしている場合では無い、もう_
椎名の様子を見た母親が、ひどく驚いたような表情をした。
「ね、ねぇ…一昨日くらいまで凄く眠そうだったじゃない、最近どうしたの?辛いことでも…」
椎名は困ったように笑って
「あー、ごめん!後にして…!」
そう言って自室に戻って行った。
母親は首を傾げる。
(…椎名、どうしたの…?)
(お友達と何かあったの?いや、それにしたって……)
___
急いで、静寂の部屋の中でペンを走らせる音が聞こえた。
『りりは今日休みでした。』
『…それより、りりについてではなく、研究員さんについて教えて欲しいんです。』
『お願いです、隠さないでください。』
『貴方が私に罪悪感を持っている、というなら、どうか…。』
届くかもわからぬ文字を書く手はひどく震えていて、漢字の編すら形を保てなくなるほどであった。
_いや、頭の中ではわかっていた、だが無理だ。
身体が拒絶してるみたいに、絶え間なく震えている。
(…研究員…覚えてる。)
(微かな記憶だけど、幼い頃に…)
__
「ぅぁあああっ!!ぁあっ…」
「ま、ま…まま、ままぁあ!!」
幼い子供の、泣き叫ぶ声。
それが”瓦礫ばかりの場所“から響く。
幸いなことに、彼女は下敷きになった訳ではなく_大量の瓦礫の、赤子なら1人入れるくらいであろう隙間で泣いていた。
「……この子…」
___
(…けど、顔が、思い出せない…)
(…もう、昔すぎたんだ…だからきっともう…)
『あなたの記憶は…あんまりよく覚えていません。』
『でも、あなたが助けてくれたのは事実だって、わかってるんです。』
(…そうなんだよね?きっと、きっとそう、そうなんでしょ? )
縋るような思いですらあった。
ただペンを走らせた。
静かに滴る涙が紙を濡らしても
一心不乱に、短冊に願いを書くように、書いた。
そうしなければいけないからだ。
「…これでいい、これでいいんだ」
「…………大丈夫、きっと、大丈夫。」
息を思いっきり吸った、足りない酸素を、身体に取り込んだ。
「…寝よう。」
眠気がコントロールできることの幸せは確かにあった、だが今は実質寝ていないようなものである。
研究員が起きる限りは、椎名も眠ることは出来ない_
「…うん、でもそれでいい。」
「明日も学校だし…」
気がつくと時計は9時半を回っていた。
椎名はベッドに潜り込み、そのまま眠りについた。
____
_レイマリは、目を覚ます。
デスクに置かれたノートに目を通し、目を丸くする。
「…私を知りたい?」
「……」
「…そっか、親友のことも、きちんと大事にできるんだ。」
「…椎名、大人になったんだね。」
【呪いだ、消えろ、ここから消えろ】
「…」
今は、今だけは_脳で絶えず響く声に辟易とするわけにはいかないとレイマリは直感する。
「…そう、だね。」
「…私も、強く生きてくれてる椎名のために、向き合わないと…。」
レイマリはそう呟くと、筆を走らせた。
「…」
『椎名は、”第2戦争”の事は覚えてる?』
『皇と一般人の間で起きたけど、次第に被害は一般人に及んでった…酷い戦争。』
『私はその時に椎名を拾った研究員だ。』
『椎名が幼い頃、私はボロボロになった周囲から食料を探そうとして、泣き叫ぶ椎名を見つけた。』
____
「…子供…?」
「なんでこんな所に…」
穴が開き、ボロボロになった家の正面あたりの地面に、椎名は放置されていた。
砂埃が絶えず舞っていて、遠くからは銃声が響く。
叫び声も、段々とこちらに近づいてくるような、そんな錯覚が襲った。
経緯は分からないが、こんなにも幼い子供を放っておくのはあまりに人でなしなのでは?
_そう感じて、せめてと引き取ることにした。
彼女が5歳頃になるまで、育てた。
最初こそずっと泣きっぱなしだし、もう嫌になりそうであった。
だが、せめて両親の元に返さなくてはと、懸命にお世話を続けた。
_いつまでも研究に没頭したからか、そういった出会いも全くなく、無論子育てなんて未経験だった。
だが、戦争も末期に近づいた頃、悲劇が襲った。
「…くそ!!生き残りがいる!!こいつが皇っつー可能性は捨てきれねぇ!!殺せ!」
そう言う群衆が、レイマリの家に向け_鉛玉を放った。
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