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ピピピピッピピピピッ

「天希、起きなさい!」

目覚ましの音と母親の甲高い声が耳に入ってきた

私はベッドから起き上がり地面に足を着いた

「よいしょ…」

階段を下り、母親の元に行った

「おはよ、お母さん」

まだ寝足りないかの様な声で囁いた

「おはよう、お母さん仕事に行ってくるから!夜には帰るからね」

そう言い、慌てて出ていった

私がリビングに向かうとそこには冷めたトーストと粉っぽいスープが置いてあった

椅子に座り、一息ついた

「ふぅ、」

そして私は一口ずつトーストを口に運んだ

私の家は決して貧乏な訳では無い。ただ、父親にお金を振り込んでいるため使えるお金が少ない。

昔はこんな暮らしではなかった。

いつからだろうか、変わってしまったのは……

「ゴホッ!」

私はスープで蒸せてしまった。

苦しいはずがだか、なんだか苦しく思えなかった

「ご馳走様。」

私は椅子から立ち上がった

『ギギィ!!』

と、椅子と床が擦れた音が部屋に響いた

洗濯機から生乾きの制服を取り出し、着替えた

母親が急いで洗濯したから上手く乾ききっていなかった

鏡の前に立ち、足まで届く髪をクシでとかした。

最後に歯磨きをし、カバンに荷物を詰め込み家を出た

誰もいないのに私はいつも静かな家にこう言う

「行ってきます」

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