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「おぉ!こりゃ見事なもんだ!」
パチパチと手を叩く音が空気の痺れた
部屋に響く。
『んで、約束の報酬は?』
「はい、こちらです。」
サングラスをつけた黒いスーツの男が
鞄を取り出し、中を見せる。
「約束の一千万円でございます」
『ふぅん…なんか最近少なくない?』
「そ、そんなことないさぁ」
取引相手 にぎこちなく返事をされる。
『……あっそ。じゃあもう行くから。』
「下でタクシーがお待ちです」
『オーケー』
鞄を手に取り早足で部屋を出る。
ガチャン
「…危なかったっスね。そろそろ
あんな金額じゃ減らしてんのバレますよ、」
「それもそうだが…できるだけ安く済ませ
たいだろう。余した金で酒でも飲もう。」
「たしかにそれもいいっスけど…」
全部全部筒抜けだ。
『ハァ、ここももう終わりか。内装綺麗だし気に入ってたんだけど…』
パチンッ…
私は取り出したハサミを鳴らす。
ブシャッ、ドンッ、ドシャッ
想像するだけで吐き気がするような
グロい音が扉越しによく聞こえる。
『我ながら自分が怖いねぇ…
ま、いっか』
私を舐めて見るから悪いんだ。
なんてったって**私は最強だぞ。**
『あー、眠い眠い』
パチッ
私は取り出したハサミをしまう。
『さぁ〜て……』
『次の働き場、探すか。』
そして私は1人ビルを出た。
───────────────────
…後に、私は最強じゃないとわからせられる時がくるが、それはまだ別のお話。