side佐久間
外に出ても、正直、怖い
だって目の前には__
「康二__」
俺の、メンバーがいるんだから
俺らは向かい合っている
でも、みんな、動こうとしない
互いの様子を見ているように__
「_さっくんも、おったんやな」
先頭にいた康二が喋り出す
「俺ら、なんでこんなことやっとんのやろ」
「なんで、事務所内で争いあっとるんやろ」
「……もう、いやや……」
泣きそうになるのを堪えながら、言葉を紡ぐ康二
「康ちゃん……」
横にいた西畑大吾が声をかける
「……でも、しゃあない」
急に、康二の声が変わった
「やるしかない」
そして、康二が銃を構えた
その目が捉えたのは……
「康二……」
「ごめんな、照兄」
康二は銃を照に向けた
「照ッッ」
聞こえたのは、
「うっ……」
照の声……
ではなく、
「康二!!!!」
「てる……にぃ」
康二の声だった
「なんで……なんで……」
「やっぱ……照兄に……生きて欲しいから……かな……」
「なんで……」
照は、なんでと言うばかり
「生きて……照兄……」
そうして、康二は目を閉じた
「康二!!!!」
叫ぶ照の横に、重岡大毅が寄る
「照……」
「しげ……」
「ごめんな」
「え……?」
「ッッ!!」
周りに、赤黒い液体が飛び散る
「照……!?」
「なぁ、俺らは敵同士なんよ」
「そんな友情なんて」
「いらんわ」
氷のような目で照を見下ろす
「お前……!!」
だてさんが掴みかかろうとする
「ぎゃあぎゃあうるさいんだよ」
そう言うと、バンッという大きな音が鳴り、だてさんから赤いものが飛び出る
これ以上見ていられなくて、
思わず目を逸らしてしまう
「逃げんの?」
耳元で囁かれる
いつの間に……!!
「にげ……たく……ない……」
「でも……」
でも……
俺が、こんなことを言っている間にも、みんなはどんどん撃たれていく
助けたい
でも、
「足が……動かないんだ……」
足が地面に縫い付けられたように
地面から離れない
「……あっそ」
音で、相手が銃を構えたのが分かった
でも、自衛すら出来ない
すると、横に飛ばされる
誰かに押されたのだと分かる
「お前ッ……何やってんだよ!!」
「しょ……た……」
「死ぬぞ!」
改めて、周りを見渡す
すると、仲間と、敵の、血が飛び散っていた
周りは赤く染まり、大きな音が鳴り響く
「お前、何してたんだよ」
「もうすぐ死ぬところだったんだぞ」
「……ごめん」
「分かったらさっさと戦え!」
「……うん」
本当に、これが正しいのだろうか
正しくないかもしれない
でも、これを正しいと思う人がいる
なんで、こんな世の中になっちゃったんだろうなぁ……笑
涙が一筋頬を伝うのを感じながら、
隠し持っていた銃を構える
そして、銃を構えていたやつを、撃つ
そいつは倒れる
周りを見ても、向こうに残っていた人も出てきている
side渡辺
外から誰も入ってこないのを不審に思い、外を少し見てみる
すると、たくさんの人が倒れていた
それを阿部ちゃんに伝える
「多分、向こうもこっちに入ってこれないんじゃないかな」
「俺らの想像以上に、外で粘ってくれてる」
「じゃあ、俺らは……」
「…怖い子はここに残ってもいい」
「別に、それを責める気はない」
「行ける子は俺らと一緒に外に出よう」
「みんなで、戦おう」
阿部ちゃんの問いかけに答えるように、みんなは銃を手にした
みんな、決心した目で阿部ちゃんを見ていた
「……ありがとう」
俺らは、阿部ちゃんを先頭に外に出た
外に出て、俺が最初に目にした光景
それは、
佐久間に銃が向けられている光景
佐久間は逃げようとしない
俺は、走り出した
間に合えッッ……
佐久間を押して、横に倒れる
「お前ッ……何やってんだよ!!」
「しょ……た……」
「死ぬぞ!」
「お前何してたんだよ」
「もうすぐ死ぬところだったぞ」
「……ごめん」
「分かったらさっさと戦え!」
「……うん」
こんな佐久間は見たことない
佐久間の視線は、ずっと、1箇所を見つめている
その視線を辿ると……
「嘘だろッッ……」
……照と、康二と、だてさん
3人が倒れていた
その横には赤黒いものがあって__
「しょっぴー……?」
「ぇ……」
めめに声をかけられて気づく
俺は、涙を流していた
「どうしたの?向こう戻る?」
「……いや、大丈夫」
佐久間は、銃を構えられていたやつを撃っていた
そして、周りを見渡し、Jrの援護に入っていった
「……」
俺は、涙を流して立っていた
目の前にいる人は数10人程
それはもちろん、敵と味方合わせた数
俺の銃はもう弾がない
そして、横には、
「……」
息をすることを忘れためめがいる
守れなかった
1番、大好きな人だったのに
今までで一番、愛した人だったのに
「翔太、」
阿部ちゃんが俺の肩に手を置く
「おれ……なんで……こんなこと……」
「いみ……ねぇじゃん……」
「……俺らは、結局、先輩たちに操られてたんだよ」
残っている人たちも、立ち尽くしている
その中には、ふっかも。
俺らは、大きな、大きな罪を犯した
何よりも大事な人たちを殺した
この手で。
殺してしまったものを償うには、
自分の命を断つしかない
生命に代わるものなんてない
誰かの生命に代わるものは何一つない
誰かの生命が何かより劣ることなんてないんだ
だから、俺らは、
生き残った俺らは、
結局、
命を断つしかないんだ
俺は、銀色に鈍く光るものを取り出した
「翔太……?」
それを自分の腹に向ける
「翔太ッッ!!!!」
その声でみんなが一斉にこちらを向く
「何してッッ……」
ふっかが駆け寄る
俺は、彼らの声には答えず、
それを刺した
「翔太ッッ!!!!」
阿部ちゃんが叫ぶような声を出す
そこがジンジンと熱くなる
痛さなんて感じない
俺は後ろに倒れ、阿部ちゃんに支えられる
でも、俺の視線の先には__
「め_め__」
『やっぱり、しょっぴーなら来ると思ったよ』
俺は、彼の顔を見て、目を細め、一筋の涙を流した
これでも罪は償われないけど、
これが、俺の出来る最大のことなんだ__
目を閉じ、意識を手放した
『__た』
『翔太』
『翔太』
誰かに名前を呼ばれて目を開ける
『ご飯できたよ』
何故か、安心して、抱きついてしまう
『うわっ……なぁに?どうしたの?』
『ほら、ご飯食べよ』
彼に着いていき、手を合わせる
『いただきます』
目の前には大好きな人
いつもの光景、
ただ、それだけ__
『はいおっけー!』
周りを見渡せば、全員涙を流している
特に……
「康二泣きすぎ笑」
血のりをつけた康二がギャン泣きしていた
「なんなん、これぇ……」
とか言いながら
みんな、康二の方に行くけど、俺はめめのところにいく
「めめ」
「ん?」
優しく、微笑んでくれる
やっぱ、好きだなぁ……
「めめはさ、生まれ変わりって信じる?」
「もちろん」
「じゃなきゃ、もう1回しょっぴーに会えないじゃん」
「生まれ変わった先が、今回みたいなやつでも、俺は、しょっぴーと一緒がいい」
「何回生まれ変わっても、」
「しょっぴーと一緒がいい」
「こればっかりは譲れない」
なんだか、プロポーズを受けてるみたいでこっちが恥ずかしくなってきた
だから、めめに抱きついてめめを強く抱きしめる
そうすれば、めめも強く抱き締めてくれる
俺も、生まれ変わったって
この温もりに触れていたい
コメント
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なんか、すげぇ、、((言葉になんねぇ、
重岡ぁぁぁぁぁ!!!!(((( うちの天使殺ってんじゃねーよ!!!!((((
ほぉワァオ✨……(?)