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prrrrr…
彼の携帯に電話がかかってきた。
「出ないの?」
彼は「あー、うん。」と言い、そのまま携帯の画面を下向きに、机に置く。
「だれ?」と聞くと、「会社の上司」と彼は言った。「そっか。」と私が言うとすぐ彼が、「そーいえばこの前さ 」と話を切り替えた。
本当に上司なのかな。不安が頭を巡る。不思議なもので、こーゆうのって1つ考えると全部怪しく感じる。
大丈夫、大丈夫。落ち着け。私は心の中で”彼を信じよう”と自分を宥めた。もう4年も付き合っているし、結婚の話だって出てる。 浮気なんてあるはずが無かった。
次の日、「じゃあ、行くね。 」と私は彼に言う。「ん。」そっけない返事に少し寂しい気持ちもありつつ、今日からの2泊3日の友達との旅行が楽しみで仕方なかった。
色んな所を周って食べ歩きをしたり、温泉に行ったり日々の仕事疲れも癒されて、 久々に息抜きができた。彼は今頃何してるのかな。あの人の事だからゲームばっかりしてゴロゴロしてるんだろうなぁ笑 こんな時にも彼の事ばかり考えて1人で気持ちが高ぶる。あぁ、私、本当に 彼の事が好きだな。と心底思う。
2泊3日の旅行が終わり、家についた。彼とお揃いのくまのキーホルダーがついた鍵を握りしめて開ける。たった3日間なのに会えるのがすごく楽しみだ。
ドアを開けるといつもの貴方がいた。「ただいまー」と、元気よく彼の元に向かう。抱きつこうと手を広げると
彼に避けられた。「え?」こんなのは初めてだ。「仕事で疲れてるからやめて」彼は言った。「ごめん」私は俯く。
少し沈黙が続いて私は切り替えてお風呂にでも入ろうと思った。先に 化粧を落とそうと思い、洗面所にいく。
あれ、クレンジングの量減ってる。明らかに最後に使った時よりも減っていた。気の所為かなと思い、下をみたら歯ブラシが1つ増えていた。「歯ブラシ、新しく買ったのー?」と遠くからきくと、「あー、結構長く使ってたからそろそろ替え時かなと思って。」変に思いながらも
お風呂に入る。
「…おかしい。」シャンプーもリンスもボディーソープも量が減っていた。私のと彼のは別々だから、彼が使うことはまずない。
だとしたら、誰かが家に来たとしか考えられない。さっきの歯ブラシだって本当に彼のものなのか?クレンジングだって減っていた。お風呂から出た後、私は彼にきいた。
「…誰か家に泊まったの? 」「誰も泊めてない。」彼はゲームをしながら言った。私は「ねぇ、こっち向いて?」と彼の裾を掴む。「んー。」彼はゲームから目を離さない。「ねぇ。ねぇ?こっち向いてってば。」私の震えた声とポタポタ床に落ちる雫に彼は流石に焦りを感じたのか、やっとこっちを向いてくれた。やっと…?今思えば、彼の携帯に電話がかかってきたあの時から彼は私を見てくれなくなった。
「…なんで泣いてんの。」彼は私を見つめる。
私を見るその目にどうか嘘がありませんように。私は心の中で願い、問いかける。
「本当に。本当に、誰も家に泊めてないの?」すると、彼は黙り込んだ。私は泣きながらもしっかりと、目を離さず問いかけ続ける。
「あの、 あのね。私、分かっちゃったよ。ねぇ。私以外に女の子いるんだよね。」彼は「なんで?」ってきいてきた。「日用品、沢山量減ってたよ。笑歯ブラシもさ、貴方のじゃないでしょ、?笑だって、だってピンク色の歯ブラシだもん。おかしいよ。」彼は「…ごめん。ほんとに、ごめん。」って謝り続けてる。
「この前の電話もその子なんだよね?隠すの下手だなぁ。笑」彼も少し、涙を流し始める。「…泣かないで。一瞬の気の迷いだよね?ほんとに好きなのは、私…だけだよね。? 」彼は下を向きながら、「他に、好きな人が出来たんだ。」と呟いた。
4年間築き上げたこの関係がこんなにも一瞬で崩れるものなのか。私は彼の言葉を信じられなかった。信じたくなかった。
「…行ってきな。あの子と一緒に居たいんでしょ?笑」私が言うと、彼は「でも…」と躊躇いながらも、最後には「本当に、ほんとにごめん。」と言って家を出ていった。一瞬こっちを見てから再び前を向いた彼の顔は付き合った当初と同じ彼の顔だった。彼がもう居ないこの部屋を見渡す。
もう、ほんとに終わりなんだな。最後まで泣きながらでも笑顔でいれたかな。もしかしたら戻ってきてくれるかな。相手の子はどんな子なんだろう。美人なんだろうなぁ。旅行中彼の事考えてた私、惨めだなー。 考える事が、気持ちが、多すぎていっぱいいっぱいだ。
「今年も思い出沢山作ろうね!」
「結婚式のドレスどんなのが似合うかな?笑」
「今度実家に挨拶にいくね!」
日々の日常はもう無くて、貴方といれることも無くなったのが辛くて、辛くて仕方ない。 でも、こんな状況でも貴方が好きでどうしようもなくてたまらない。 だから願う。貴方の幸せを。心の底からとは言えないかもしれないけど、願う。
次の子とは必ず幸せになって。
さようなら、私の愛。