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虹花 ありさ @て い ふ
7,178
うp主
48
#学パロ?
「…ごめんなさい」
「…っごめんなさい…」
「…っ!!」
またあの夢だ。
_だが、同じ夢でも…少し違うものになっている。
あの夢で私が声を出すことはなかった。
_出せなかったのだ。
「…っぐす、ぅう、」
_むしろ、夢に出てくる彼女の方が、声を出せずにいた。
「……。」
_どうしてだろう?
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
わからなかった。
_それを考える前に、思考は誰かに対する罪悪感で潰されていったから。
_だが夢の中にいる彼女は前までとは違い、ひどく安らかな表情で、この場所に眠っていた。
「…」
「…?」
前まではこちらを失望するような目で見てきて、こちらに語りかけてきていたのに。
_なのに今、この夢から覚めようとした瞬間_
彼女が、口を動かした。
“まっててね”
彼女ははっきりと_そう言ったのだ。
瓦礫の上で倒れる彼女は、そう言ってなんだか_少し楽しそうに笑ってみせた。
何故か、顔を歪めているのはこちらだ。
彼女は笑う。
こちらに手を伸ばすことは無いが_こちらを拒絶することもない。
驚いた。
今までこんなこと_一度も無かったからだ。
「…っ!?」
だが、その口は言う事を聞いちゃくれない、そして_
もうすぐ、この夢からは覚めてしまうから。
「っ……!!」
ウパパロンは起き上がると、自分の左腕を確認した。
相も変わらず何も無く、安心と不安を同時に覚える。
最近は、こんな現実を見るくらいならば夢を見た方がマシだと思っていた。
そのため、ずっと眠り続けていたような気がした。
(…でも、あんな夢、1回も見たこと無かった。)
(ずっとあそこに倒れてる人は、私を蔑むみたいに見て、嫌いなんだろ、とか投げかけて…)
(あの人に嫌われてるんだろうな、って…)
(…ねぇ、どうして…?)
(……嫌いなんじゃなかったの?)
(…ねぇ…!!)
ウパパロンの目からは気が付けば涙が溢れ出していた。
そりゃあ、会えるものなら会いたい。
彼女に会って、話したい。
それなのに_彼女はある日、突然姿を消して、連絡も取れぬまま疎遠になった。
夢の中でこちらに語りかけてくるぼやけた彼女に、なんでここから消えたのか聞きたかった。
欲を言うのならまた、前みたいとまではいかずとも、友達としてバカやりたかった。
_でも、無理だと、思っていた。
_違ったんだ。
(…本当に、会いに来てくれるの?)
(ねぇ…信じていいの?)
(…Latte…)
ウパパロンは、かつての親友の名を_初めて口にした。
__ずっと後悔していた。
_第2戦争が_2人の分かれ目であったのだ。
「…っ、どうして…いなくなっちまったんだよ…」
震え声でそう呟き、腕で、両目を覆った。
何故か出てくる涙を隠すようにした。
弱いところは、見せてはならないから。
___
厚い雲が空を覆い隠しているが、雨は止んでいる。
歩いているうちに、2人はびっしょりに濡れていたようだ。
だがそれもまた_いいものだ。
今は、そうしたいから。
今は、歩きたいから。
「…八幡宮さん、どうしてここまでして…私と逃げようと思ったんです?」
Latteはふと疑問に思い、聞く。
「いやぁ?貴方に会わせたい人がいるもんで。」
「あ、会わせたい人?」
「そうそう、多分Latteさんの記憶に近付けるんじゃないかな。」
「…は!?」
「まぁまぁ、あとは会ってからのお楽しみ、ってことで。」
「…けど、会ったとして…思い出せるのかな、わたし。」
Latteは曇天の下を歩きながらそんな不安を吐露する。
_そんなLatteに、彼女は笑った。
「すぐ思い出さなくたって良くない?」
「…それが、思い出せない人のことを傷つける結果になっても?」
そんなLatteの問いにも八幡宮は変わらず笑ってみせた。
「大丈夫だって、多分そういう問題じゃないし、私が説明してあげるよ。」
「最近の教科書にはリィン・システムのリスクも載ってるみたいだし、なんも不思議では無いんじゃない?はは。」
_八幡宮が何度羨ましくなったことか。
Latteは少しだけ、濡れた自分の身体を見た。
なんて泥臭いことだろう!
何時間もこうやって歩いて、遠い遠い雲の向こうまで行こうなんて考えて、探しているあの人、と名のついた果てを探した。
_今更引き返すなんて選択肢は無い。
_たどり着くまで、飢えようと、倒れようと_
この雲の下から、居なくなるなんていう選択肢は、残されていない!
_そうだ、そうだ。
どうして後ろを向こうとしていたのだろうか。
_前だけ向いて歩けば、なんだかどうにかなる_そんな気がした。
_そうしたら何かが変わると、そう信じたい。
だから_歩かなくてはならないのだ。
___
_ぜんこぱすは、少し硬いベッドの上で目を覚ます。
「…?」
_冷たい感覚が、はっきりと体内まで伝わってくる。
訳も分からぬままぜんこぱすは起き上がろうとした、だが両腕あたりから
ガシャン_!!
金属質の音が思いきり響き渡り、何かに妨害される。
「…あ、起きました!」
女の声だ。
(…誰?ぽれのこと…殺すのかな。)
_何故だか、そう思い始めると途端恐怖が全身を覆った。
「えっと、ごめんね。」
_男の声だ。
この部屋が暗いために誰かは分からない。
だが、少しの既視感があった。
「…電気つけるよ。 」
男の声が響き、途端、まるでフラッシュしたかのように勢いよく視界が鮮明になった。
辺りを見渡すと、もう一人_おそらく自分と戦っていたであろう金髪ロングの人間が眠っていた。
「…あ、その人が気になるかな。」
「…」
ぜんこぱすは小さく頷いた。
全身の震えを抑えようとするが、今止めることは到底難しいだろう。
_こちらに話しかける男はボロボロの紙面をしており、底が全く見えない。
女は今のぜんこぱすと同じように少し恐怖を感じた様子でぜんこぱすを見ていた。
「…どういう、じょうきょ…」
ぜんこぱすは口をつぐんでしまう。
ただでさえこのベッドは手術台みたいで冷たいのに、この少しだけ広い金属質の部屋には冷たい空気が充満しており、ぜんこぱすの震えは強くなる。
「え、えっと…」
女は男の方を見て、困ったように笑った。
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