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わぁーらっだぁも来たぁ!!てか多分だけどらっだぁもしかして……?!
ベッドに横になり目をつむった。
時間が経つのが遅く感じる。
ぺ「外見ても雨でよく見えないし……つまんねーの」
せっかく久しぶり目を覚ましたというのに何もできないなんて退屈すぎる。
コンコン
扉をノックする音がした。
ぺ「はーい、どうぞー」
ト「お邪魔しまーす」
ぺ「おっ!トラゾー!!」
誰かに会えることの喜びが隠せない。
ト「めっちゃ元気じゃん!笑」
ぺ「寝てただけだからな笑、てか来るの早くね?」
ト「早退してきた」
ぺ「やば笑、さすがトラゾーだわ笑」
それからトラゾーが、最近あったことや学校で起きた出来事などの話をしてくれた。
ト「あっ、そうだ、お団子持ってきたんだったわ」
ぺ「まじ?サンキュー!てかなんでお団子?」
ト「え?ぺいんとお団子好きでしょ?」
ぺ「お団子好きなんか言ったことないけど」
俺たちは数秒間見つめあった。
ぺ「まぁいいや、ありがとね」
ト「どういたしまして!笑」
相変わらずトラゾーはよくわからんけど
久しぶりにこういうくだらないやり取りができて
正直嬉しかった。
ト「じゃあ俺そろそろ帰るわ」
ぺ「おう!わざわざ早退してまで会いに来てくれてありがとな!笑」
お互い大きく手を振りながら、俺はトラゾーを見送った。
ぺ「あーあ、行っちゃった…」
トラゾーがいろんな話を面白おかしく話すもんだから病室に笑い声が絶えず響いていたが、
そんな病室も今では怖いぐらいしーんとしていた。
ぺ「学校が終わるのはまだか…」
誰か来てくれないかと扉を見つめた。
誰も来ない……
コンコン
ぺ「!、どうぞ!!」
扉が開いた。
し「ぺいんとさん!」
ぺ「しにがみ!!」
よく見ると、汗で服が濡れていた。それに息遣いも荒い。
きっとダッシュで来てくれたんだろう。
し「てかメッセージでからかってきましたよね!!💢僕めっちゃ心配してたのに!」
ぺ「ごめん笑、本気にするとは思わんかったから笑」
久しぶりに見たからか、余計しにがみくんが可愛く見えてしまう。
ぺ「来てくれてありがとう」
し「どういたしまして!」
し「ぺいんとさん!!外晴れてきましたよ!」
ぺ「本当だぁ!!やっぱり晴れが一番だな!」
し「ですね!」
窓から朱色の光が差し込んできた。
その光が窓際にいるしにがみくんと重なる。
ぺ「……………」
しにがみくんの後ろ姿を見て無性に抱き締めたくなった。
ぺ「………しにがみ…」
し「ん?」
俺はしにがみくんを背中から抱き締めた。
しにがみは黙って俺の手を握った。
ぺ「しにがみ…?」
し「ほんとに…心配したんですからね」
声が震えていた。
ぺ「しにがみ…こっち向いて」
し「はい…」
こっちを向いたしにがみの顔は、今にも泣き出しそうだった。
ぺ「ごめん、あとありがとう」
そう言って、俺のおでことしにがみのおでこをくっつけた。
ぺ「泣かないで」
し「泣きませんよ笑」
視点 sn
ぺいんとさんが抱き締めてきた。
背中から伝わる温もりで今までの不安な気持ちがどこかへ行った。
その瞬間目が熱くなり、僕はとっさに涙をこらえた。
ぺ「しにがみ…こっち向いて」
僕をぺいんとさんの方へ向かせると、お互いのおでこ同士をくっつけた。
ぺ「泣かないで」
し「泣きませんよ笑」
本当は大きな声をあげて泣き叫びたかったが、我慢した。
ぺ「しにがみ…」
ぺいんとさんの顔が見られない。
きっと今見たら涙が溢れてしまう、そう思った。
ぺ「ほんと…ごめん」
そう言うと、うつむいた僕にキスをした。
し「ん///」
優しいキスだった。
そして、強く抱き締めてくれた。
し「目が覚めて…ほんとによかった」
この言葉を聞いて、ぺいんとさんは更に力を強めた。
ぺ「しにがみ…」
し「はい…」
今度はぺいんとさんの顔を見て微笑んだ。
もしかしたら涙目になっているかもしれない、そう思ったが
今はそんなことどうでもよかった。
ぺ「やっぱお前は笑ってる顔が一番可愛いよ!」
し「ありがとうございます!」
ぺ「……………」
ぺいんとさんが見つめてくるので、恥ずかしくなって目をそらした。
ぺ「そういうとこ…誰にも見せたくないなぁ……」
し「ん?なんて言ったんですか?」
ぺ「いやっなんでもない!!」
しばらく問い詰めてみたが、それでも言ってくれない。
でもなぜか、悪い気はしなかった。
視点 pi
つい本音を口にしてしまった。
だけど、めんどくさい男と思われそうではっきりとは言えなかった。
し「じゃあ僕そろそろ帰りますね!」
ぺ「おう!送ってくよ!」
し「大丈夫です!ぺいんとさんは安静にしててください!」
ぺ「安静にしなくても元気だから大丈夫だよ!」
どうしてももう少し一緒にいたかった。
し「うーん……、じゃあお願いします!」
横を歩くしにがみくんをじっと見つめた。
俺の視線に気づいたのかしにがみくんも俺を見つめている。
し「どうしました?」
ぺ「いやぁ、可愛いなぁって思ってさ」
し「可愛くないですぅ!……それに…見つめられたら緊張するんですけど///」
そう言ってそっぽを向いた。
まじ可愛すぎ。
し「もう外出ちゃうんでここまでで大丈夫ですよ!」
ぺ「わかった…」
し「明日退院するんですよね?」
ぺ「元気だったらね!」
そう言うと、しにがみくんは微笑んだ。
し「なら大丈夫そうですね!」
ぺ「だな!笑」
し「じゃあ僕行きますね!」
ぺ「あぁ、じゃあな!」
しにがみは、暗闇の中へと消えていった。
ぺ「もうちょっと一緒にいたかったなぁ…」
俺はとぼとぼと歩きながら病室へ戻った。
ぺ「はぁ…」
ため息をつきながら扉を開けた。
ら「ぺいんと」
ぺ「らっだぁ?!どうして…?」
ら「ニュース見たらぺいんとが載ってたから笑、目を覚ましたって」
ぺ「ニュースになってんだ笑、初めて知ったわ笑」
俺はベッドに転がりながらそう言った。
ら「ていうかそんなに動いて大丈夫なん?重症でしょ?」
ぺ「え?知らん」
そう言うと、らっだぁは呆れた顔をした。
ら「お前高校生だろ?それぐらいわかってないといけないんじゃないの?」
ぺ「うるせぇ!笑」
美容院でしからっだぁに会ったことがなかったため
下がっていた気持ちがだんだん上がっていった。
ら「明日も仕事あるしそろそろ帰るね」
ぺ「オッケー、来てくれてありがとな!」
ら「どういたしまして!」
らっだぁを見送ろうとした時だった。
ぺ「う…うぅ……」
ら「え?」
急な腹痛が俺を襲った。
ら「どうしたの?」
ぺ「お腹…痛い…」
ら「えっ…あ!ナースコール!」
らっだぁが慌ててナースコールをかけてくれた。
看護師(ぺいんとくん?大丈夫?)
ら「ぺいんとの友人なんですけど…急にぺいんとが苦しみだして」
看護師(わかった!すぐ行くね!)
プツンという音と同時にナースコールがきれた。
ら「すぐ来るって」
ぺ「ありがと……うぐぅ…」
看護師「ぺいんとくん!!」
1分も経たないうちに看護師さんが来てくれた。
看護師「どの辺が痛い?」
ぺ「傷のところが痛いです…」
看護師「あ~、なるほどね」
俺の腹痛の原因は起きてすぐ動き回ったせいだった。
看護師「安静にしてたらすぐ退院できるから、今度は動き回ったりしないでね!」
ぺ「はい…」
看護師「明日の退院は無理そうだから…諦めてね」
ぺ「はい……うぅ」
らっだぁは俺のとなりで少し笑っていた。
看護師「じゃあ何かあったらまた呼んでね!」
そう言って看護師さんは部屋から出ていった。
ぺ「退院できると思ってたのになぁ…」
ら「ぺいんとが悪いんじゃん笑」
ぺ「そうだけどさぁ…」
ら「……ぺいんと」
落ち込む俺を見て、らっだぁが俺の名前を呼んだ。
ら「泊まっていこうか?」
ぺ「えっ?…いや、いやいやいやいや!!明日仕事でしょ?!」
ら「別に休めるけど…」
ぺ「全然大丈夫!寂しくなったら電話するわ笑」
そう言うと、らっだぁは微笑んだ。
ら「了解笑、じゃあまた来るね」
そう言い残し、病室を出ていった。
ぺ「まさからっだぁが来てくれるとはなぁ」
俺はベッドに転び、目を閉じた。
するとだんだん眠たくなっていった。
一ヶ月も寝てたのにまだ寝るか笑
そう思いながら深く呼吸をしていると、俺はいつの間にか眠っていた。