ぺ「んう……朝…?」
看護師「おはよう!ぺいんとくん!」
ぺ「おはようございます…」
看護師「ほら!体温測るよ!」
ピピピピッ ピピピピッ
看護師「平熱ね!それと今日は軽い運動するつもりだから!」
ぺ「動いていんすか!!」
看護師「まぁ運動って言っても病院の中を歩き回るだけなんだけど」
ぺ「え~」
つまらないと思いながらも、断るわけにはいかないので、渋々承知した。
看護師「また来るね!」
ぺ「はーい」
正直、昨日から体が重く感じていた。
誰も気づいてなかったけど…
ぺ「はぁ……だるっ」
俺は朝食を済まし、一時間ほど病院の中を歩き回った。
その後、看護師さんが体に異常がないか確認するから、と言い
病室で待機するようにと言われた。
早速手すりに捕まり、病室へ向かった。
ぺ「やっぱり一ヶ月も寝てたら上手く歩けないなぁ」
そして、午前中は体の確認で終わった。
ぺ「疲れた……」
重い体で一時間も歩いたからか、酷く疲れていた。
ぺ「……………ぐぅ……ぐぅ」
俺はいつの間にか眠っていた。
看護師「ぺいんとくん!起きて!昼食の時間だよ!」
ぺ「すぅ……すぅ……」
看護師「駄目だ…熟睡しちゃってる」
俺は昼食を食べずにそのまま眠り続けた。
ぺ「ん……んん~……あれ…今何時だ……?」
看護師「おはよう!今は3時30分くらいね!」
ぺ「えっ…お昼ご飯は……」
看護師「もう残ってなくて……お店で買って食べてくれる?」
俺はがっかりしながら立ち上がった。
ぺ「とりあえずお店に行くかぁ…」
ぺ「何買おうかな~」
と「ぺんちゃんじゃん!!」
ぺ「あ、ともさん!」
と「何してんの?」
ともさんが微笑みながら近寄ってきた。
ぺ「お昼食べてないから買って食べようと思って」
と「じゃあ俺も一緒に食べていい?」
ぺ「いーよー」
ぺ・と「「いただきまーす!!」」
俺の病室に戻り、二人で手を合わせた。
と「ペンちゃんさ~、もっと胃に優しいご飯の方がよかったんじゃないの?」
ぺ「大丈夫だって!それにやっと好きなもの食えるし」
と「えぇ……まぁ大丈夫ならいいけど…」
俺は久々の海老料理が嬉しすぎて、リスのように口の中に海老を詰め込んだ。
ぺ「ともさんこそお昼ご飯がそれだけじゃ足りないだろ」
机の上に置かれているコーヒーを指差しながら俺はそう言った。
と「いやぁ、お腹が空いてなかったんだよね~」
笑いながらコーヒーをすすった。
と「そう言えばさ、ぺんちゃんってクロノアさんと仲いいんだね」
ぺ「クロノアさん?まぁ仲いいけど…なんでクロノアさんのこと知ってんの?」
と「俺クロノアさんと中学校同じだったんだ」
ぺ「へぇ……」
納得したが、一つ疑問が浮かんだ。
ぺ「でも学年違うよね?」
と「あぁ、生徒会に入ってたからね!」
ぺ「え…?ともさん生徒会に入ってたの?!」
と「うん笑、しかも生徒会長してたし」
その言葉に更に驚いた。
ぺ「まじか…なんか意外笑」
と「ね~、なんで俺が選ばれたんだろうね笑」
ぺ「クロノアさんはどんなだったの?」
と「クロノアさんはね、めっちゃモテてた!笑」
クロノアさんに関してはあまり驚かなかった。
ともさんが意外過ぎたのかもしれない笑
と「でも俺生徒会長になっただけですごいことはしてないけどね!」
ぺ「生徒会長になれただけですごいけどな笑」
と「そー言えばどうしてぺんちゃんって入院してるの?」
ぺ「あー、なんか通り魔に刺されてさぁ」
すると、ともさんが驚いた反動で立ち上がった。
まぁ自分の知ってる人が通り魔に刺されたなんか言われたらそんな反応にもなるか。
と「通り魔に刺されたの?!」
ぺ「うん笑」
ともさんはぶつぶつとなにか呟きながらゆっくりと椅子に座った。
ぺ「ともさんはなんで病院に?」
と「俺の母さんが入院してるんだ」
少し笑ってそう言った。
と「てかぺんちゃんって友達いないの?」
ぺ「え?いるけど、なんで?」
と「だって誰もお見舞い来てないじゃん」
ぺ「………………」
しばらく俺たちは沈黙した。その間、俺とともさんは見つめ合っていた。
数秒後ともさんが笑い始め、俺もつられるように笑った。
ともさんと話すといつも自然に笑みが溢れてしまう。
ぺ「そう言えばなんで飯奢ってくれたの?」
と「えー……暇だったし、親戚だし……クロノアさんと仲いいし!」
ぺ「親戚ねぇ……」
俺はともさんを一人の友人として仲良くしてきた。
だからいざ親戚だと言われると、少し違和感があった。
と「え?違うっけ?」
ぺ「いや親戚だよ!笑」
と「だよね!笑」
また病室内に笑い声が響く。
あと…クロノアさんと仲がいいから、か……まぁ仲良すぎてキスもしたしな。
ぺ「仲がいい……か」
クロノアさんにされたキスが脳内で再生される。
その時の記憶はまだはっきりと覚えていた。
と「ぺんちゃん?聞いてる?おーい」
ぺ「はッ、え、あ、何?」
と「大丈夫?ぼーっとしてたけど…」
ぺ「あぁ、うん全然大丈夫!」
大丈夫と言いながらも、だんだん鼓動が速くなっていくのを感じた。
と「もしかして喉つまらせた?」
ぺ「いやいやさすがに笑、エビチリで喉つまらせんやろ笑」
と「たしかに笑」
いつもなら暇な時間も、今日はともさんのお陰で楽しく過ごすことができた。
視点 tm
病院にあるお店で見つけたあの懐かしい後ろ姿。
俺は気づけば声をかけていた。
と「ぺんちゃんじゃん!!」
ぺ「あ、ともさん!」
久しぶりにぺんちゃんと話したが、小さい頃と全く変わっていなかった。
相変わらず面白くて、いいやつだ。まぁクロノアさんが惚れるのも無理はない。
と「そう言えばさ、ペンちゃんってクロノアさんと仲いいんだね」
ぺ「クロノアさん?まぁ仲いいけど……」
少し間があった。きっとぺんちゃんとクロノアさんは
俺が予想している関係なのだろうと、俺は感じた。
ぺ「仲がいい……か」
そう言うぺんちゃんはどこか一点を見つめて固まってしまった。
と「ぺんちゃん?ねぇ!どうしたの?」
ぺ「……………」
と「ぺんちゃん?聞いてる?おーい」
ぺ「はッ、え、あ、何?」
少し揺らすと、ぺんちゃんは少し顔を赤くして俺を見つめた。
と「もしかして喉つまらせた?」
ぺ「いやいやさすがに笑、エビチリで喉つまらせんやろ笑」
と「たしかに笑」
ぺんちゃんにだったらクロノアさんをとられてもいいかもな…
ぺんちゃんと話していくうちに、俺はだんだんそう思うようになっていった。
と「ぺんちゃんほんと元気だよね笑、いつ目を覚ましたの?」
ぺ「えっとぉ~……2、3日前ぐらい……?」
と「めっちゃ最近じゃん!!………元気だね笑」
そう言うと、ぺんちゃんはケラケラと笑った。
と「まぁ何かあったらクロノアさんに連絡してあげるよ!」
ぺ「!、いや……迷惑かけたくないし…大丈夫…!」
と「それもそうだね!」
ぺんちゃんはクロノアさんの思いに気がついてるのか…?
それと、病室にクロノアさんといた紫色の髪の子……あの子も気になる…
と「でも俺が連絡とれるのクロノアさんくらいしかいないし笑」
ぺ「たしかにそうだな…笑💦」
なぜかぺんちゃんは焦っていた。
クロノアさんと仲良くないのかな?
ぺ「……………」
と「ぺんちゃん?どうしたの?」
ぺ「…うぅ……」
と「えっ!大丈夫?」
だんだん顔が青白くなってきていた。
よく見れば汗もすごいことになっている。
ぺ「気持ち悪…うぐッ」
と「ちょっとおでこ触るよ!」
額に手を当てると、少し熱くなっていた。
と「少し熱があるな…」
俺はナースコールを押した。
と「あの、ぺんちゃんが苦しんでて!熱も少しあるみたいなんで早く来てください!!」
そう言って、ナースコールをきった。
ぺんちゃんは苦しそうに唸っていた。
ぺ「うッ、気持ち悪い……う”え”ッ」
と「喋らない方がいいよ!それと一応クロノアさんに連絡しとくね!」
ぺ「うぅ…」
嫌なのかわからないが、顔色が悪くなっていた。
看護師「ぺいんとくん!!」
と「ぺんちゃん!看護師さんが来てくれたよ!」
看護師「今から処置室に向かうからね!、君!ちょっと手伝ってもらってもいい?」
と「はい!」
こうしてぺんちゃんは処置室へと連れていかれた。
と「クロノアさんに伝えないと!」
俺はクロノアさんに電話を掛けた。
と「クロノアさん!!」
ク「ともさん!お久しぶりです!」
元気そうでよかったと思いながら、ぺんちゃんのことを伝えた。
ク「えっ!ほんとですか?!」
と「はい!じゃあそれだけなんで!」
ク「ちょっ…」
もう少し話したかったが、我慢して電話をきった。
視点 kr
俺はぺいんとのことをしにがみくんに伝えた。
ク「しにがみくんも病院に行くよね?」
し「行きます!心配なんで!」
ク「じゃあ走るよ!」
し「は、はい…!」
コメント
1件
え〜やばば〜てかほんとにどっちが結ばれるんだろう