戦場は、一面焦土と化していた。四つ巴の争いの中で、坂本竜馬を退けた雅也は息を整えながら、周囲の状況を確認していた。新政府軍は未だ圧倒的な兵力を保持しており、残党軍も混乱の中で攻撃を仕掛けてくる。黒潮軍は消耗が激しいが、それでも前進を続ける。
加藤清政は少し離れた地点で兵を率いながら、戦場の全体像を見渡していた。彼の手には「六魂」の一振りが握られ、その目は次なる敵を探していた。
坂本竜馬は剣を手放し、その場に膝をついた。彼の軍勢は雅也の切断によって崩壊し、戦場から撤退を余儀なくされていた。
「雅也、お前の力は確かに恐ろしいな…でも、このままで終わると思うなよ。」
竜馬は弱々しい声で呟きながら、新政府軍の方角を見やった。その目には、まだ完全に諦めていない光が宿っていた。
西郷隆盛率いる新政府軍は、この隙を見逃さなかった。坂本竜馬が退いた今、彼らの標的は明確に雅也と加藤の黒潮軍となった。
「黒潮軍を包囲せよ!やつらを殲滅する!」
新政府軍の命令が飛び交い、次々と隊列を整える兵士たち。雅也はそれを見て、静かに刀を構えた。
「これで終わりやない。まだ、戦える。」
その時、加藤清政が大声で雅也に向かって叫んだ。
「雅也!は俺がやる。お前は休め。」
加藤は、手にした六魂を振りかざしながら、前線へと躍り出た。彼の周囲には冷たい殺気が漂い、その目は新政府軍の兵士たちを見据えていた。
「お前ら、覚悟しろよ。俺は六魂だけじゃない。十魂すら使ってやる。」
彼は異能を込めた武器を次々と取り出し、天雷剣、風狼刀、そして新たな武器である「灼熱弓」を使い始めた。その攻撃は広範囲に及び、新政府軍の兵士たちは次々と倒れていく。
一方で、残党軍は静かにその機を窺っていた。彼らの指揮官である真壁宗一郎は、混乱に乗じて再び奇襲を仕掛けるつもりだった。
「今だ!雅也の背後を突け!」
真壁の指示で、数十人の兵士が雅也の背後から迫る。しかし、雅也はその気配を察知していた。
「残党軍も、懲りへんな。」
彼は再び異能「切断」を発動し、空間を一刀両断。その攻撃で残党軍の奇襲は完全に阻まれた。
戦いは続き、どの軍勢も疲弊していった。最終的に、黒潮軍は新政府軍を退けることに成功するが、その代償は大きかった。加藤清政は、激しい戦闘の中で傷を負い、雅也もまた限界に近づいていた。
「雅也…俺たち、勝ったんか?」
加藤が息を切らしながら尋ねると、雅也は微笑みを浮かべた。
「まだや、加藤。これが終わりやない。俺らの戦いは、まだ続く。」
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