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秦中先生短編集

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秦中先生短編集

13 - 第13話あ、遊園地いこう

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2025年06月05日

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🧣「あ、そうだ。学園長、俺と遊園地行ってくれません?」


昼休み。恵比寿を含め仲良く4人で昼ごはんを食べていると、学園長が飯綱と仕事の確認にきた。そして発せられたのは遊園地へのお誘い。当然


🎭「何言ってんだお前」

🧣「誘っただけで胸ぐら掴みますかね、普通」

🎭「クソガキにはこれくらいがちょうどいいんだよ」


胸ぐらを掴み、苛立ちを隠さない道満。飯綱の真面目キャラがブレる一方、道満も紳士な学園長というキャラがぶれつつあった


🧣「いや、そのですね?荊棘ちゃんが咲鬼ちゃん達とデパート行ったらしいんです。そこで福引やってて。『悪魔もびっくり仰天福引』ってやつなんですけど」

🎭「…当てたのか」

🧣「はい。で、今週末行こうと思ったんですけど、悪魔にちなんで?6人いけるんすよ。で、あと1人どうしようかなって言ってたら加前くんが『ボスは?』と言ったので。咲鬼ちゃんも太一くんも乗り気で…」

☀️🦐🍶「ボス?」

🧣「RPGごっこハマってるだろ?」

☀️「ああ…」

🍶「マジでどんな教育してんねん」

🧣「で、俺の上司だからボス」

☀️🍶「いやそうはならんだろ 」

避難まがいの視線と文句は聞かず話を続けた


🧣「なので学園長も一緒にどうですかって話なんで…そろそろ離してもらっていいですか?」


今まで胸ぐらを掴み上げられていた飯綱。普通その状態で話し続けるだろうかと疑問に思う恵比寿を取り残して、話は進んでいた


🎭「…仕事は?」

🧣「…俺も手伝うんでどうです?」

🎭「ま、いいですけど…」


こうして、道満は遊園地へ行くために嬉々としてで飯綱に大量の仕事を回した




















🌹「学園長。きてくれてありがとうございます」

🎀👾🍼「おつかれ様です、ボス!!!」

🎭「いえ。こちらこそ誘ってくれてありがとうございます…。飯綱くん、大丈夫ですか?」

🧣「…風に乗ってどこかへ消えたい…」


今にも消えそうな飯綱。そんな飯綱を、子供達はやれやれといった様子で慰めている。どっちが親なのか。助手席から子供に慰められる部下を見て道満は笑っていた。実に滑稽である。せっかくだから楽しく喋りながら遊園地へ行こうということで車で移動している。父親に似たのか、子供達には早々に顔バレした。なので、秦中一家の前では仮面はつけない。というのも、長い髭が遊ばれ、一回抜かれた。親子だなと思いつつ、もう顔バレしたし、飯綱達だし、もうつけなくていいかというかなり雑な理由で外している。子供達は顔の痣に恐怖はないらしく、かっこいいとのこと。後ろで消えかけている男にも似たようなことを言われた


🎭「本当、大丈夫ですか?」

🧣「…消えたい…」

🎀「おじちゃん達もママも免許取れてるのに、自分だけ取れてないのが相当重いみたい」

👾「帰宅後とかママにすごい謝ってるもん」

🎀「最早新種の土下座よ」

🌹「でも、次の日とか三食作ってくれたり、掃除してくれたり色々してくれるやろ?ホンマ頼もしいええ旦那さんで嬉しいわぁ」

🧣「荊棘ちゃん…!」

🎀「相変わらず万年新婚ね」


このテンションだけにはどうもついていけない。飯綱と荊棘がバカップルなのは知っている。結婚の証人も請け負ったし、子供が産まれた際には会わせにきてくれる。交流が深いが、本当についていけない。子供とは思えないほど達観している。変なところでその年不相応な感性を持つあたりやはり飯綱の子だなと思う


🎭「…嫌な予感がする」


突如、道満の首を冷や汗がつたった。これはギャグだが道満にとっては笑えない凶事の前触れだった


🌹「学園長?」

🎭「…いえ。なんでもありません」


立ち直った飯綱と子供達の話し声をBGMに道満は窓の外を眺めていた



















🎀👾🍼「わー!!!!!」

🌹「✨✨」

🧣「わーすごい人」

🎭「…」

🧣「学園長? 」

🎭「…大丈夫か?」

🧣「?はい」


道満の視線の先には飯綱がいた。いるのだが。加前を肩車し、太一を頭に乗せ、咲鬼を片手で抱え、もう一方の手には荊棘が腕を絡めている。1人疎外感を感じたが、楽しそうなのでそこは気にしないようにした


🧣「…なんか学園長、疎外感すごいっすね」


週明けに業務を5倍にしてやろうと決めた













🎀「ママー!!」

🌹「楽しかった?」

🎀「うん!!!!!」

🎭「嘘だろ…」


咲鬼達は子供用ジェットコースターに乗っていた。子供用とはいえ絶叫、と呼ばれるアトラクションのはずなのだが、咲鬼も加前も太一も笑顔で乗っていた。側から見てても、想像しただけで叫べそうなのだが…。何を隠そう道満はあまり浮遊感が好きではない。空間移動はあ、空間移動してるんだなという感じがあるし、烏に乗っている時も確かに下に烏がおり、真っ逆さまにされることもないので大丈夫なのだが、浮遊感…ジェットコースターは違う。回転するし、速いし、逆さにされる。逆にジェットコースターを笑顔でのる奴らの思考がわからない


👾「パパー!チュロス食べたい!!!!!!」

🍼「うー!」

🧣「わかった。…何味がいい?」

👾「僕シナモン」

🎀「私はいちごミルク」

🧣「学園長と荊棘ちゃんは?」

🌹「うちは…チョコにしよかな」

🎭「おすすめとかあります?」

🧣「…抹茶とかほうじ茶ありますけど」

🎭「では抹茶で」


店前に出ているポップをみるとまだ種類はありそうだ。お茶類をピックアップし提案してくるあたり、なんとなく味覚の傾向を掴んでいるのだろう。なんとなく気に食わなかったので、とりあえず体育館倉庫の片付けも押し付けることにした





🧣「俺何にしようかな…」


飯綱は1人メニューと睨めっこをしていた。種類が多すぎて決めかねているのだ


🧣「…ラムネにっすっかな〜」

「次の人〜…ってメガネくんじゃん」

🧣「あ?」


なんとなく聞き覚えのある声に顔をあげるとそこには蘭丸と梵丸がいた。…2人ともエプロンをつけている


🧣「…レギュラーでシナモン、いちごミルク、チョコ、抹茶、ラムネください」

🐦‍⬛「え、覚えてない?!」


視界に入れるのも鬱陶しく思い無視して注文をしたがそれを許してくれるわけではないらしい


🐦‍⬛「しょーがないなー…梵ちゃん、店、閉めよ」

🧣「は?」

🐦‍⬛「あ〜ちゃんと注文受けた分は作るから〜」










🎭「で、なんでいんだよ」

🌹「先生…?!」

🐦‍⬛「ヤッホー荊棘!久しぶり!!まさか荊棘の旦那がメガネくんだったんだ!!!!!」


道満にチュロス片手に〆られながらも呑気に喋る蘭丸。横で顔を引き攣らせる梵丸に、加前はアニマルセラピーと称して太一を顔に押し付けようとしたが、背後からとんでもない殺気を感じたため全力で辞退した


🐦‍⬛「なんでって…お金なくなっちって」

🎭「なんでまともに働いてんだって話なんだよ」

🌹「せや。飯綱くんの毛刈ろうとしたんはホンマですか?」

🐦‍⬛「えっと…副隊長!!ヘルプ!!!!!」

👺「そーなんだよ…節度はねえし最底辺だし…」

🧣「なー。俺んとこもそうだよ…お互い老けた上司持つと大変だな…」

🐦‍⬛🎭「ちょっとどういう意味よ?/意味だ?」


蘭丸は梵丸に助けを求めたが、上司のせいで苦労するメガネ同士意気投合し上司の愚痴大会を始めていた。子供達は美味しそうにチュロスを食べている


🧣「…やべっ…」

🎭「言いたいことは分かるな?」

🧣「はいはい…」


無言の殺気を感じ、殺気の出どころを辿ると、上司に行き着いた。明らかに怒っている。こりゃどっちだろうと思いつつ、上司の意向に沿う方を考えながら口を開いた


🧣「まず、荊棘ちゃん。確かに俺はこいつに毛を刈られかけたけど、なんか哀れだからもう気にしてないよ」

🌹「事実なんか」

🐦‍⬛「め、メガネくん?!」

🧣「あー…うん事実。でも、せっかく遊びにきたんだし、楽しも?ね?」


そうやって手を握り笑いかければ、ポンっっっと効果音がつきそな勢いで荊棘は真っ赤になった


🧣「…で、学園長も。子供達もいるんで暴力はまだしも暴言はちょっと…」

🎭「おい、止めるならしっかり止めろよ」

🧣「はい…。とりあえず、今日は休戦ということで楽しみません?」

🎭「…そうですね。そうしましょう」

🐦‍⬛「メガネくん…!」

🧣「俺が庇いきれなくなる前に逃げろ」

🐦‍⬛「ラジャ!いくよ、梵ちゃん!!!!!」











🎭「やっと消えやがった…」

🧣「はっははは…」


飯綱と道満が苦労で苦笑いしかできない中


🎀「あーママが…」

👾「またパパにキザイことされたか言われたな〜」

🍼「うー」


いまだに頬を真っ赤に染め上げ、放心状態の荊棘とそれをさりげなく永遠にやり続ける父親に苦笑いしかできない子供達だった








🎀「パパはジェットコースター乗らないの?」

🧣「ん?あー…」

🌹「乗ってきたら?せっかくやし」


ようやく現実に戻ってきた荊棘は飯綱にジェットコースターに乗るように促した。実は福引を当てたその日のうちに、子供達が『パパがジェットコースター乗ってる写真見たい』といい出したのだ。確かに、遊園地に行くと、カメラマンは飯綱であるため、アトラクションを楽しんでいる写真はない。なぜジェットコースターなのか聞いたところ、『パパ好きそう』と声を揃えて返されたのは記憶に新しい


🧣「…いいの?」

🌹「飯綱くんジェットコースター好きやろ?」

🧣「…うん。じゃあ、乗ってこようかな。子供達、任せてもいい?」

🌹「任せとき!」

🎀「せっかくだし、ボスもどうです?」

🎭「え」

👾「いつもパパが迷惑かけてると思うし…」

🌹「ええかもなぁ。息抜きがてら行ってきたらどうです?」

🍼「あぅーーー!」


名案とばかりに輝く四対の目を向けられ、最早断る術はなかった










🎭「い、飯綱くん…大丈夫ですよね?落ちませんよね??????」

🧣「そうそう外れないでしょうし外れたとしても助けますから」

🎭「…しかも、最後尾…」


ある意味ジェットコースターで最後尾を取れたのは幸運だろう。こんなことにまで幸運であってほしくはなかった道満だった












🎭「いや、無理無理無理無理無理ーーーーーー!!?ぎゃーーーーー!!!!!」

🧣「が、学園長、く、首が…」


序盤から急降下急上昇を繰り返し、道満は飯綱に抱きついていた。飯綱は道満に首を絞められ、息が苦しくなってきていた


🧣「が、学園長…」

🎭「なんでそんな普通に話しかけてこれんだよ?!ふざけっっっっっ〜〜〜!!!!!ぎゃああああああああああああ」

🧣「み、耳が…」


耳元で叫ばれ耳まで痛くなってきた飯綱。しかしそんなこともお構いなしに道満は叫び続ける。普段絶対に見せないであろう学園長の姿を微笑ましく見ていると、そろそろ荊棘達の視界に入ることに気づいた


🧣「っ学園長、そろそろ荊棘ちゃん達が…!」

🎭「はっっ?!」


今は高所で急降下急上昇を繰り返しているため道満達の状況は荊棘達からは分からないが、もう数十秒もしないうちに見えてしまうだろう


🎭「ふー…」

🧣「っっっ?!」






🎀「あ、パパー!!!!!!」

👾「おーーい!!!!!」

🍼「うーーーー!! 」

🌹「飯綱くーん!」



荊棘達の前を通過する際、飯綱は少年時代のような笑顔を浮かべ、横にはいつもと変わらない顔をしている道満がいた。2人とも気づいたのかしっかりカメラ目線であった












🧣「いてぇ…」

🎭「すみません」


恐怖を鎮める見栄を張るために道満は飯綱の手を思い切り握った。普段アイアンクローをかましていた分握力は相当強いはずだ。しかも恐怖からいつもよりずっと強い力で握っていただろう。飯綱はいまだに痛みで痺れる右手をさすりながら荊棘達に笑顔を見せた













🎀「ねえ、弟一号。ママ、どうなってると思う?」

👾「真っ赤になってるでしょ、今頃。パパが観覧車の伝説をママが知ってるのを知ってるはずだし」

🎭「…」


道満は子供達と待っていた。飯綱と荊棘は今観覧車に乗っている。両親が見えなくなった途端始まった話に、道満は黙っているしかできなかった。飯綱は、大体相手の気持ちやら隠し事に気づく。さりげなく気遣ったり、さりげなく聞いてるこちらが歯痒くなるようなセリフも本気で、普通に、言う。荊棘は最初こそクールで冷静な先生であったが、飯綱が入学してきてから恋する乙女のようだった。恐らく荊棘自身そういう恋愛ごとには興味ができたのだろう。それに、まさに相思相愛といった仲で結婚した2人だ。お互いに対する好感度がバカみたいに高いのに加え、飯綱のコミュ力だ。荊棘が茹たこの如く赤くなるのは最早当然の結果だろう


🎀「あ、でてき…あらら。やっぱりママ真っ赤ね」


案の定、顔を真っ赤に赤らめた荊棘と、いつもの飯綱が出てきた。素早く子供達は駆け寄って行った。飯綱も若干耳が赤かったので荊棘には数百、数千倍のダメージだろう。荊棘はもう思考すら処理できないらしく、その場で倒れた。しっかりと飯綱に抱き止められ、子供達は素早く母親の携帯を抜き取ると写真と動画を撮り始めた。あまりの手際のよさに、道満は今のうちに宝くじ当てれるだけ当てておこうと思ったのだった







後日談


☀️「あれ、飯綱くん手どうしたの?」

🧣「ビビり散らかした上司に握りつぶされた」


後日、右手に包帯を巻いて飯綱が出勤してきたため、増やしてやろうと思った分の仕事を引っ込め、お詫びにちょっと高いケーキを放課後に渡したのであった

この作品はいかがでしたか?

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