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ruruha
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「陽雅さんのお兄さんでしたか。俺、陽雅さんにお世話になってる恭也です。よろしくお願いします」
「よろしく。恭也くんの話は泰輝からよく聞いてるよ」
「泰輝さんからですか?」
「うん。俺たち、恋人なんだ」
陽煌さんはそう言って泰輝さんの方をチラッと見る。
泰輝さんは陽煌さんを見た後、俺を見てニコッと笑う。
「へぇ…」
「恭也くん、陽雅にすごい気に入られてるんだよね」
「えっと…多分。他の人とは違うって零斗さんが言ってました」
「あぁ…零斗くんが…」
陽煌さんは少し考える素振りを見せた後、口を開く。
「零斗くんとは仲良いの?」
「まぁ、恋愛相談乗ってもらってて。一応、お互いなんですけど」
「恋愛相談? もしかして、陽雅とか?」
「えっと…」
お兄さんに好きな事を伝えるのは、なんだか恥ずかしい。
(適当に誤魔化そうかな…)
なんて誤魔化そうかと考えていると、 陽煌さんは俺の傍により、俺の耳元に顔を近づける。
俺の手に陽煌さんの手が被さった後、耳元で囁かれる。
「好きな人って陽雅なの? 教えて」
「陽雅さんです」
そう勝手に口から出る。
俺の言葉を聞いて、 陽煌さんは俺から離れる。
耳元で囁かれて、言葉が勝手に出た。
きっとお兄さんも陽雅さんと同じドルなんだろう。
耳元で囁くのが条件なのも陽雅さんと同じ。
遺伝なのかな。
「陽雅の事、好きなんだね。兄として嬉しいよ」
陽煌さんはそう言ってニコッと笑う。
「でも、だからこそ大事な事教えてあげる。これは恭也くんのためでも陽雅のためでもあるから」
陽煌さんはそう言って俺の目を真っ直ぐ見て続ける。
「陽雅は人殺しなの」
「えっ…?」
心臓がドクンと跳ねる。
(陽雅さんが、人殺し…?)
「まぁ、陽雅が殺したって言うか、死に追いやったって言い方の方が正しいんだけどね」
「死に…追いやった…?」
「気になるなら、調べてみなよ。”感律高校、自殺”で出ると思うから」
「…はい」
「暗い話してごめんね。まぁ、一旦空気変えて、改めてよろしくね」
陽煌さんはニコッと微笑んで手を差し出す。
俺はその手を握った。
「…よろしくお願いします」
戸惑いながらもそう言うと、 陽煌さんは微笑んだまま言う。
「まぁでも正直、気になっちゃうよね」
「…そう…ですね…」
俺がそう返すと、 陽煌さんの手が離れる。
「引き止めちゃってごめんね。シャワーでしょ? 浴びてきな」
「…はい。ありがとうございます」
陽煌さんにお辞儀をし、俺はお風呂場へ向かった。
家に帰ると自分の部屋に真っ先に向かう。
あの話を聞いてから、ずっと気になっていた。
(少し怖いけど、調べてみよう…)
俺はスマホでネットを開いた。
「感律高校 自殺」で調べると、いくつかの記事が出てくる。俺は、一番上のサイトを開いた。
———
感律高校で男子生徒が自殺。恋人の束縛が原因か。
2018年11月10日、感律高等学校で男子生徒が屋上から飛び降り、命を経ちました。
部活終わりのほとんどの生徒が帰った夕方頃の事で、飛び降りる瞬間を目撃した生徒もいたようです。
知人や同級生に話を伺った所、「恋人の束縛が激しかったらしい」「恋人の束縛が原因で自殺したのではないか」などの声が上がりました。
学校関係者は取材を一切断り、詳しい原因は分かっていません。
———
(恋人の束縛…)
もしかして、その恋人が陽雅さんだったのかな。
画面をスクロールすると、コメント欄があった。
『恋人って黒崎じゃね?』
『黒崎、結構束縛強いって聞いた事ある。絶対原因黒崎でしょ』
『恋人の束縛が原因って。その黒崎って子、一生恋人作らないで欲しい。また同じ事になりそう』
他にも数十件、コメントがある。
陽雅さんを酷く言うコメントや自殺した本人だと思われる優真という子へのコメント。
俺はふと、陽雅さんの言葉を思い出す。
“俺は恋人を作る資格なんてないから”
陽雅さんはこの事をずっと後悔してるんだ。
だから恋人を作らない。また同じ事を繰り返さない様に。
俺はそっと画面を閉じた。
次の日、大学の講義室に入ると、席に座る快を見つけ、傍による。
「快、珍しく早いね」
スマホを見ていた快は俺に気づくと、ニコッと笑う。
「恭也、おはよう」
「おはよう」
そう返して、隣の席に座る。
「どうしたの? いつもより早いね」
「なんか早く目覚めてさ。これ見てたの」
快はスマホの画面を見せる。零斗さんの写真だ。
「零斗さん?」
「うん。土曜日にカフェ行ったの。零斗さんね、あの見た目で甘党なんだよ? 激甘パフェとカフェモカ頼んで、すげぇ美味そうに食べてた」
快はニコニコしながらそう言う。
(零斗さん、快と仲良くなれたんだ)
「良かった。零斗さんと快が仲良くなれたみたいで」
「まぁね。まだまだだけど」
快はそう言った後、俺をじっと見る。
そして、さっきまでの笑顔が心配そうな顔に変わる。
「恭也、陽雅さんとなんかあった?」
「えっ。なんで?」
「なんか、不安のオーラが見えて。好意のオーラに混ざってるから陽雅さん関係あるのかなって思って」
さすがフィールズ。分かっちゃうんだ。
「陽雅さんとなんかあった訳じゃないんだけど…ちょっと陽雅さんの過去を知ったというかなんと言うか…?」
「何。あんまり良くない事知っちゃったの?」
「うん…まぁ…陽雅さんが恋人を作らない理由を知ったの」
「あの人、恋人作らないの?」
「うん。なんか後悔してるみたいで」
「そっか。でもあの人、恭也の事好きだと思うけどな」
「え?」
「オーラ、見えたから。まぁ、誰に対してかは分かんないから恭也とは断言出来ないけどね」
俺じゃないとしたら多分、優真くんなんだろうな。
っていうか、その可能性の方が高いと思う。
「俺だったら嬉しいな」
と、自分を誤魔化すように呟いた。
_________
全ての講義が終わると、写研へ行く。
写研では、撮った写真をネットで販売している。
その写真を撮るために色んな所に行き、個人や時にはサークルのみんなで写真を撮りに行く。
俺は週末、花の写真を撮るために、名所として有名なフラワーパークへ行くことに決めた。
そして当日、俺は東雲駅で人を待つ。
と言うのも、デートも兼ねて、零斗さんを誘っていたのだ。
誘いの答えは即答でイェス。
しばらく待つと、小走りで零斗さんが来た。
「待たせたな」
「大丈夫ですよ。俺も今来た所なので」
「そうか?」
零斗さんは、前回とは違って、少しチャラい服を着ている。
でも、ただチャラいのではなく、かっこいい。
これが本当の零斗さん。
「服、いいですね。かっこいいです」
そう言った瞬間、歓喜と照れのオーラが浮かぶ。
「ありがとな」
頬が少し赤くなっている。
俺がフィールズじゃ無くても照れてるの分かりそうだな。
「じゃあ、行きましょうか」
東雲駅に入り、電車に乗る。
フラワーパークの最寄りの駅を降り、フラワーパークへ向かう。
フラワーパークには様々な花が咲いていた。
「おぉ…めっちゃ綺麗…」
俺はデジカメを取りだし、花をパシャリと撮る。
ふと横を見ると、花を眺めている零斗さんが目に入った。
(かっこいい…)
俺は思わずカメラを向け、シャッターを押す。
零斗さんは撮られたことにも気付かず、花を眺め続けている。
「綺麗ですね」
「だな」
「次行きましょうか」
俺が歩き出すと、零斗さんも隣に並んで歩き出した。
コメント
1件
第23話読み終えたよ〜!😭💦 陽煌さん、穏やかな見た目でぶっ込んでくるな…「陽雅は人♡♡♡」って耳元で囁かれて勝手に口が動くの、ドル家あるあるなんだね怖いよ!でも恭也くんが過去を知っても陽雅さん想いなのが尊すぎるし、快くんの「陽雅さん恭也のこと好きだと思う」発言に心臓ギュッてなった。 零斗さんとのフラワーパークデートも可愛すぎた〜照れてる零斗さん撮る恭也くんのカメラ小僧っぷり、尊みしかない。この先どうなるの気になりすぎる!!続き待ってるよ灯依さん🌸✨