テラーノベル
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健診で告げられた言葉に、驚いた。けれど、心のどこかでは「やっぱり」とも思っていた。
ゆずのときとは、日常生活の負荷が違いすぎる。保育園のお迎えでは、片手で荷物を載せたベビーカーを押し、もう片方の腕には、歩くことを全力で拒否する12キロの塊。そのまま坂道を上る日だって、珍しくなかった。
(さすがに、無理しすぎたのかも……)
医師はカルテに目を落としたまま、続ける。
「しばらくは、できる限り安静にしてください。ご自宅で安静を保つのが難しければ、入院したほうがいいでしょう」
自宅には、イヤイヤ期と赤ちゃん返りを同時に発症しているゆずがいる。
安静。その二文字が、我が家で実現するとは思えなかった。
診察室を出ると、すぐに電話をかけた。呼び出し音が一度鳴っただけで、繋がった。
『もしもし?』
「切迫早産って言われちゃった。家で安静にできないなら、入院したほうがいいみたい」
『……今、どこ?』
声色が、一瞬で変わる。
「まだ病院だけど……。どうしよう?」
ほんのわずかな沈黙のあと、きっぱりとした答えが返ってきた。
『入院しよう。すぐに行くから、そこで待ってて』
***
金曜日の午後。
その電話を受けた時、頭が真っ白になった。それでも、午後休の申請だけは光速で済ませる。
必要な入院用品を鞄へ詰め、保育園への連絡も終え、息を切らしながら病院へ駆けつけた。
自宅には、あの愛すべき暴君がいる。家で安静に過ごすなんて、物理的に不可能だ。入院以外の選択肢はなかった。
「というわけで、陽一さん」
病室のベッドに腰掛けたひよりさんが、申し訳なさそうに両手を合わせる。
「ゆずのこと、お願いしてもいい?」
「もちろん。何も気にしないで、ゆっくり休んで」
そう答えると、ほっとしたように笑った。
「ありがとう。じゃあ――二週間、頑張ってね!」
「う、うん……」
笑顔で手を振る彼女に、ぎこちなく振り返す。
そして目の前で、史上最大難易度のソロプロジェクトが強制的にキックオフされた。
パパと娘、二人きり。予測不能な二週間のサバイバル生活が、いま幕を開けたのだった。
鷹槻れん

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#強引
#シングルマザー
水羽凛
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コメント
1件
えぇ〜!!😭💕 切迫早産で緊急入院、そしてパパのソロ育児プロジェクト発動…!ゆずちゃんのイヤイヤ×赤ちゃん返りの同時進行ってマジで鬼畜難易度だよね…。ひよりさんがお互いを思いやって連絡し合うところに、夫婦の絆がじーんと伝わってきたよ。パパの「史上最大難易度」発言に笑ったけど、温かい目で見守りたくなる回でした!頑張ってパパ〜🔥