TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

一つ屋根の下、地雷注意報

一覧ページ

「一つ屋根の下、地雷注意報」のメインビジュアル

一つ屋根の下、地雷注意報

4 - 第三話:「マヨネーズ多すぎなんだよ」

♥

24

2025年05月01日

シェアするシェアする
報告する

その日は朝から雨だった。天気予報は外れ、干してた洗濯物が見事にびしょ濡れ。


俺がベランダからタオルを引っ込めてリビングに戻ると、

ソファに座ってたるかが、ジトッとした目でこっちを見ていた。


「言ったじゃん。今週は雨多いって」


「天気予報、外れたんだって」


「じゃあ信じるお前が悪い」


スマホをいじりながら、いつもの口調で刺してくる。

…でも、ほんのちょっとだけ、目が笑ってるように見えたのは、気のせいか。


その日の昼ごはんは、俺が作る番だった。

冷蔵庫にあったのは、卵、ツナ缶、キャベツ、マヨネーズ。


結局、ツナキャベツの卵焼き、という微妙な料理が完成した。


「いただきます」


「……マヨネーズ多すぎなんだよ」


一口食べた瞬間、るかがつぶやいた。


「いや、ツナに合わせるならこれくらいでしょ」


「キャベツが死んでんの。味バランス、壊滅的」


「文句あるなら自分で作れば?」


「うちは“食べる係”なんだけど?」


口は悪いくせに、箸は止まらない。

俺は黙って、もう一口卵焼きを口に入れる。


「…てか、お前さ」


「ん?」


「なんで料理できんの?彼女いた?」


唐突すぎて、飲みかけの味噌汁でむせた。


「いねーよ。実家で仕込まれた」


「へぇ…健全な家庭」


「…そうでもないけどな」


るかはそれ以上何も言わなかった。

ただ黙って、ご飯を食べ続けていた。


食後、俺が洗い物をしてると、

彼女は何気なく水を出してる横に立ってきて、

ポンと小さな声でつぶやいた。


「次、うち作る。文句言わせないくらいのやつ」


「おう、楽しみにしとく」


「…あ、でもマヨは使わないから。トラウマレベルで」


「なんでだよ」


「キャベツが泣いてる」


一つ屋根の下、地雷注意報

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

24

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚