それから数日経ったある日。誰もいない病室でスマホを触っていた時だった。
「翔太っ!!!!、翔太ぁ!!!!!」
隣の部屋から大声がした。ガシャンと物が倒れる音も。涼太が起きたと嬉しくなったと同時に胸が締め付けられる思いだった。
「宮舘さん、落ち着いてー、大丈夫だからねー」
「どこっっ!?翔太はっっ!?」
「渡辺さんは無事だから。大丈夫だよー」
「会わせてよぉ!!!翔太ぁっ!!!」
病院の人だったり機材の音だったりが隣の部屋に色々運ばれていくのが部屋からでも分かる。暫くすると隣は静かになった。ひとまずは落ち着いたんだなとほっとする。トントンとドアがノックされた。
「よぉ、なべ。元気してたぁ?」
「…お陰様で。」
「ははっ、そんな返しができるなら大丈夫そうだねー」
ふっかは近くにあった椅子を引きずり座った。
「隣少し開いてたから覗いたら少し荒れてたねー舘さん1回起きたの?」
「起きたっぽいけど…会うのは厳しいんじゃね?」
「やっぱりそうよねぇ…荒れてた理由知らない?」
「…何か突然俺の名前叫んで暴れてた。」
「へぇ…そう。」
「機材も色々倒してたっぽいし。ガシャンガシャン聞こえたから。」
「荒れてんねぇ…」
「…」
「…舘さんねぇ、翔太を陸に連れて行って自分が気を失う寸前までずっと泣いてたんだよね。翔太が俺のせいで死んじゃうって。」
「…」
「まぁそりゃそうなるよなぁって感じだったけど。舘さんの中で翔太がいかに大切かがわかったよ。」
「…大切、ねぇ…」
「そう。んじゃ、俺仕事あるんで!」
「…何か腹立つな。」
「何で!?」
理不尽ーとか言ってケラケラ笑いながらふっかは帰った。するとふっかと入れ替わりで医者が入ってきた。
「渡辺さん、今いいですか?」
「はい、大丈夫です。」
「ありがとうございます。…さっき宮舘さんが目を覚まして…」
「…ずっと俺の名前叫んでましたよね。」
「…はい。このままだと宮舘さんの精神状態が更に悪化する恐れがあるので、御提案なんですが、同室にして頂けないでしょうか?」
「…いいですよ。」
何故かは分からない。だけど気付いたら承諾していた。
「ありがとうございます。では早速移動させていただきますね。」
そうこうしているうちに俺と涼太は同室になっていた。一応カーテンで仕切られているがあえて開けてある。起きた時に隣にいると気付かせるためだ。
「…ひでぇ顔色。」
青白い顔で眠っている涼太の頬を撫でる。余程深い眠りなのか起きる気配は全くない。この様子じゃ明日までは起きないだろう。そう思った俺は静かに1人の時間を過ごした。
コメント
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推しの生誕祭に推しを苦しめるスタイルですみません… 後悔はしてないです…