一時間後
結局俺たちは凸さんに大した傷も付けられず、逆に疲弊していた。
………ななっし~…
ななっし~は少し離れたところで、顔を真っ青にして座り込んでいた。
ななっし~は戦いに慣れていないし、覚悟を決めても、恐怖心が勝ってしまい、凸さんと戦うことが出来ないんだと思う…
…じゃあ、やっぱり俺が戦わなきゃ
膝をついて、痛む体を何とか起こす。
「…まだ戦う気あるんだ。さもさん」
余裕ぶっているつもりかもだけど、凸さんも疲れているはず。
なんとか凸さんに隙を作れば…!
俺はななっし~に視線を動かす。
心を通わせた俺とななっし~なら。
お願い、ななっし~
〈ななっし~視点〉
…こんな所で突っ立ってても、状況は好転しない。
そして多分、いや絶対、さもくんは私に託した。
別に凸さんを倒せなくていい
さもくんたちが勝てるように、隙を、生み出す。
私はさもくんたちと凸さんと三角形にみたいな位置になってる。
そして私は遠いところにいる。
ここから凸さんの後ろに向かって…
運良く私は凸さんに気付かれること無く、凸さんの背中に回り込めた。
そこで体がゾクッとする。
怖い。
ここで失敗したらとか、逆に状況を悪化させたら、とか…
…いや、そんな悪い未来なんて想像したら駄目だ。
私は、odmnの皆とまた笑って過ごしたいの…!
私は、さもくんが教えてくれたみたいに、拳銃を構える。
さもくん、任せた
〈さぁーもん視点〉
…ダァン!
ななっし~の撃った弾が、凸さんの肩を貫く。
「うぐっ…!?」
…今!
俺は直ぐさま凸さんの元に駆け、凸さんの腹を思いっきりぶん殴る。
「ぐあっ!」
地面に倒れ込んだ凸さんを見下ろす。
「…あーあ、俺の負けか」
凸さんは肩を押さえて起き上がる。
「じゃ、さよなら、皆」
「………待ってよ」
俺の声は、自分でもびっくりするほど鋭かった。
「…なんでodmnを裏切ったの。」
話してよ、と、語気を強めて言う。
「…俺の、昔話、聞いてくれるか?」
コメント
1件
うわ…泣ける……感動に浸りたいけど寝なければ…続編いつでも待ってます!