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꒰ঌソラ໒꒱
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都市擬人化
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目を覚ました時、俺は漆黒の闇の中にいた。湿った空気と苔の匂いが鼻をつく。身体中が痛む。いや、正確には痛みを感じる以前に、これが自分の体だという実感がない。
「ここは……?」
声を出してみると、掠れた男の声だった。俺の声ではない。慌てて両手を見る。骨ばった指、ごつごつとした関節、そして腕には無数の傷跡。間違いなく俺の体ではない。
記憶が混乱している。確か俺は……勇、十七歳の高校生だったはずだ。放課後、友達と話しながら横断歩道を渡っていたら、右折車に跳ね飛ばされた。そう、あの瞬間、世界がスローモーションになり、血の臭いと衝撃が同時に—
「思い出せ」
突然、別の意識が頭の中で囁いた。それは俺自身であり、同時に俺ではない誰かでもあった。
土牢の片隅にある小さな明かり窓から差し込む薄明かりを頼りに、壁に寄りかかりながら立ち上がる。裸足で冷たい石床を感じる。ぼろぼろの麻の服を着ていた。髪は伸び放題で、顎には無精髭が生えている。おそらく何ヶ月も剃ってないのだろう。
「お前の名前は倉木俊之助……そうだ、俺は俊之助だ」
その名前を口にすると、途端に記憶が奔流のように流れ込んできた。倉木俊之助、十九歳。尾張国出身の地方武士の子として生まれた。幼い頃から常人離れした知性と、稀に未来を垣間見る不思議な力を示した。それが父親を恐怖させた。「化け物」と呼ばれ、十歳の時にこの土牢に閉じ込められた。
以来九年間、俊之助はここで生き続けてきた。最初は食事も満足に与えられなかったが、ある日、織田信長が偶然この地を通りかかり、土牢の中の俊之助を見つけたのだ。その聡明さに興味を持った信長は、彼を家臣として取り立てることを決めた。
しかし俊之助の才能があまりにも突出しすぎて、周囲の武将たちからの嫉妬と警戒心を買い、結局は再び元に戻され、こうして土牢に封印されていた—
「待てよ、今は何年の何月だ?」
これは最も重要な質問だった。俊之助の記憶によれば、今日は永禄三年五月十二日。つまり西暦1560年。そして桶狭間の戦いまであと一週間しかない。
桶狭間……歴史の教科書で見た有名な合戦だ。弱小勢力だった織田信長が、圧倒的兵力差のある今川義元を討ち取った奇襲作戦。これにより信長の天下統一事業が本格的に始動することになる。
だが今の俺—いや、俊之助にはその情報がない。いや、あったとしても、それを信じる者はほとんどいないだろう。
突然、土牢の外から足音が聞こえてきた。重厚な鎧の擦れる音と、複数の人間の話し声。
「倉木様、失礼いたします」
鉄格子の向こうに現れたのは、見覚えのある顔だった。信長公の側近であり、「墨俣一夜城」の智将として後世に名を残すことになる黒田孝高—後の官兵衛である。まだ若く、ひげも濃くはない。二十代半ばといったところだろう。
「ご機嫌はいかがでしょうか」
「機嫌など、この牢獄で良くなるわけがない」
俊之助の言葉を通じて、俺は冷静に答える。孝高は薄く笑みを浮かべると、懐から小包を取り出した。
「信長様よりのお預かりものです。些細なものですが」
それは干し肉と少量の米、それに巻物だった。孝高が去った後、俺は急いで巻物を開く。
そこには驚くべきことが書かれていた。
『倉木殿
明日より貴殿に会いに行く者が次々と訪れるであろう。彼らの話をよく聞き、我らに進言を与えたまえ。
第一に来る者は明智十兵衛なり。
—信長』
明智十兵衛……後に明智光秀となる人物だ。なぜ彼らが土牢にいる俺に会いに来る? しかも進言とは?
頭の中で様々な可能性が駆け巡る。おそらく桶狭間の戦略に関わることだろう。もしそうなら、俺には未来の知識がある。しかし、それをどのように伝えればいいのか。
未来が見えることは本当だ。ときどき、まるで走馬灯のように鮮明なビジョンが頭に浮かぶことがある。桶狭間の決戦時の雨雲、雷鳴、そして今川軍が油断している姿。そういう映像が、今も鮮明に蘇ってくる。
だが問題は、それをどう証明するかだ。もし単に未来が見えると言っても、狂人の戯言だと一蹴されるだけだろう。
夜が更けるにつれ、思索を深めていく。すると突然、眩しい閃光とともに強烈な頭痛が走った。これは俊之助の特殊能力が発動する兆候だ。
目の前に広がったのは、桶狭間での激しい戦闘の場面だった。ぬかるみに足を取られる重装備の今川軍。予想外の方向からの織田軍の突撃。そして混乱の中、わずかな隙を突いて信長の部隊が義元の本陣へ殺到する様子。
「これは……信長さんが勝つ姿だ」
確信があった。俺は真実を見ている。ただし、このまま進めば多くの犠牲者が出るはずだ。歴史に残っている被害よりももっと大規模な戦いになるかもしれない。
コメント
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うわ、これ面白い!!戦国転生×未来予知能力って組み合わせ、めっちゃ刺さるわ🔥 土牢に9年も閉じ込められてた俊之助が、いきなり桶狭間直前で動き出す感じ、一気に引き込まれた。未来が見えるのに「証明できない」もどかしさ、そこからの「どう動くか」が読めてるようで読めないのがいいよね。 官兵衛が土牢に来るシーン、歴史人物が主人公の前に次々現れる伏線っぽくてワクワクするわ。次話がめっちゃ気になる!