テラーノベル
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さらにもう1つの強豪クラブにスカウトされ、大阪から京都の裏繁華街に足を踏み入れた少年少女2人がいた。
「なんで俺なんかがスカウトされんねん…嫌やわほんまにぃ」
「お兄はビビりやな!私は自分の居場所が見つかってテンションモリモリやで!」
「なんでそんな元気あんねん」
青髪の兄弟は大阪では有名なヤンキー妹と、ビビリ兄の兄弟、佐古兄妹だった。
妹佐古魔除 兄佐古安林。
大阪らしいカジュアルな服装を着る妹とは裏腹に、兄は全身をコートでまとっていた。
「ここやな」
と、扉の前に立つと、
「ようこそ、おいでやす」
「ひいっ!?」
ビルの上に死体の上に座った琵琶を持った血まみれの芸子さんがいた。
「あんたたちの大阪での暴れっぷりを見てスカウトさせてもらいました。
芸子戦闘員の岩見 熊子と申します」
「わあー、綺麗な芸子さんやなあ」
「ふふっ、ありがとうございます。早速ですが、2人には任務に行ってきてもらいます」
「お、ガチバイオレンスやな!」
「いいえ。うちは殺しの斡旋もやらせてもろてます。2人に行ってきてもらうのは詐欺師不知火 カイトの殺害任務です」
「さ、殺害任務!?ひいいい」
「彼も異能力を持っています。そしておそらくボディガードも大量につけております。お気をつけてー。死なんといてな。私の給料減んねん」
「はーい」
「今日も楽な仕事だったなー」
雷色の髪をワックスで逆立てているのが、詐欺師の不知火カイトだ。被害は100件を有に超えているのではないだろうか。
「俺のこと、逮捕できるかな?警察君」
その時、ドオン!!という音を立てて、壁を突き破って釘バットを持った魔除が現れた。
「逮捕はできんけど、死刑執行ならできるでー!!」
「はっ、大方殺害任務か。撃ち殺せ」
「はい!!」
何人かのボディガードが魔除に銃を向ける。
「!!やばっ」
ドドドドドン!!という音が響くが、硝煙が消えると、安林が魔除を守っていた。
「お前ら……俺の妹に何してくれとんじゃワレェ!!」
圧が廃ビル全体に広がる。
「何日和っとる!うてぇ!!」
再び、弾の音が響く。
「異能力」
「グラビティ・リバース・ゼロ」
その瞬間、弾が安林の前で止まり、跳ね返りボディガードに全員当たる。
「はっ、どんな異能力しとんねん」
「お兄ちゃんアシストナイスー!」
「!!いいとこだけもってくなやー!」 「異能力」
「ラブマシーン」
その瞬間、魔除の前にガチャが現れ、安っぽい音楽が響く。
「何が出るかな〜!」
すると、赤玉が現れ、釘バットが消えた代わりに玉が弓に変わる。
「うーん微妙なあ!!」
「えい!!」
ズドン!!という音が響き、不知火の顔を仕留める。
「任務終了や!」
と、思った瞬間、陽炎のように不知火の姿が揺らぎ、消える。
「!?倒したやろ!?」
「ざーんねーん!」
「異能力」
「陽炎」
彼はこの能力を発動している間、異能力による攻撃を受けない。つまり、
異能力無効化者。
「ふっ!!」
「お兄ちゃん!!」
ドオン!!という音が響き、廃ビルから安林が弾き飛ばされる。
「俺の異能力も無効化ってわけかよ!」
「へっ」
「序盤ボスにしては強すぎー」
「いいね、合格」
「……は?」
その時、奥の暗闇から聞き慣れた声が響いた。
「いやー悪いどすな。あんたらを試してやってん」
「芸子さん!」
その時、安林も戻ってきた。煤で薄汚れているのでかなり急いできたのだろう。
「ゲホッゲホッ、あんたら仕掛け人だったわけかよ」
「ああ。改めて、選手兼新人教官の不知火カイトでーす。よろぴく!」
「はあ!?」
「いや俺死んどったかもしれんやん」
「てへぺろ」
(嫌いやわあこいつ)
ここから、最強を証明し、No.1を目指す兄妹の伝説が始まった。
続く
コメント
1件
また遅くなってしまったぞ… 今日も面白かったです!😇 応援してます!😇🙇