「学校がありまして、、」
「あ、そうでしたね、うっかりしてました!すみませんこんなとこで足止めしてしまって!」
申し訳なさそうに彼は言う。
「いえいえ。」
「では、放課後にどうでしょうか。」
「大丈夫です。」
「では、ここで待ってます。」
「16時頃には来れると思います。」
「わかりました、待ってますね!」
少し嬉しそう、いや気の所為か。
キーンコーンカーンコーン···
「はぁ。」大きなため息をつく。
「あんた、朝起きてたのに社長出勤?」
莉佳子が聞く。
「色々あってさ。」
あの後。
「学校まで送りますよ。」
「そんな申し訳ない!!」
と言いながら途中まで送ってもらった。
「全然連絡つかないから心配したんだよ!?」
「ごめん、スマホ壊れてさ」
「え?ガチ、やばー。放課後行く?」
「いや、1人で大丈夫!部活行ってきなよ」
莉佳子は陸上部のエースだ。私のために時間を作らせるのは忍びない。
「わかった。何かあったら戻ってきてね」
少し心配そうに言う。
「うん。」
放課後。
16時丁度、朝の喫茶店に着いた。
「あ、待ちました?」
「僕も今着いたところですよ。」
このイケメンくんは、隣の高校の生徒らしい。
聞いたわけではない、 制服だけの判断だ。
「学校大丈夫でした?」
不安そうに聞く。
「そっちこそ大丈夫でしたか?」
お互い様でしょと意地悪交じりに聞き返す。
「あはは、そういえば自己紹介してませんね。 」
苦笑いしながら話を帰るイケメンくん
「そうですね。では私から。」
ただの自己紹介なのに緊張してる。
「桜ヶ丘高校、2年生の春野美桜です。」
我ながら高校の名前と私の名前が馴染んでる。
「美桜さんって言うんですね。とても可愛い名前ですね。」
なんの恥じらいもなく褒めるからこちらが恥ずかしい。
「僕は、隣の春山高校に通ってる、緒川結翔、高3です。」
やっぱり隣の高校か。というかこんなイケメン去年気づかなかった私は、すごいな。
「僕のがひとつ先輩なんですね」
「いや、そんな敬語とかやめてくださいよ!」
「じゃあ美桜ちゃんもやめてね。」
あ、堕ちる。
「はい、。」少し頬が暑くなってるのがわかる。
この時、私は不覚にも恋に落ちてしまったんだろう。