テラーノベル
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雨が降る
ざぁざぁと音を立てて襲いかかる雨が鬱陶しい
俺は傘を忘れて走って帰っていると
先に帰ったはずの莉犬くんが雨宿りをしていた
雨宿りをする君はびしょ濡れで
肌に服が張り付いている
直ぐに声をかけた
莉犬くんは驚いたようにこちらを向いた
その時、気付いてしまった
君が泣いていたことに
雨に濡れた顔でも分かるほど
目元を赤く腫らした君が
俺に必死に気付かれまいと笑いかける
「どうしたの、?」と。
今、どうしたの?ときくのは状況的におかしい
それを普段の君ならすぐに気付くはずなのに
君は必死に作られた笑いを俺に投げかける
泣いてる理由は俺なのだろうか?
俺が…
君を独り占めしたいがために君を苦しめてしまっているのか
心のなかで
何度も何度も
好きになってしまってごめんなさい
出会ってしまってごめんなさい
と謝る
それでも、
俺は君を解放してあげられない
だって好きになってしまったのだから
ありがとうとごめんなさいが俺の中で
ぐるぐると混ぜられている
苦しくて仕方がない
それでも俺は君を離せない
苦しくてもいい
この苦しみは俺なりの愛で
俺だけの幸せなのだから
だから俺は、
何も言わずに君の頭を優しく撫でた
コメント
2件
(初コメ失礼します!) (´▽`) '` '` '`(´°ᗜ°)ハハッ..…( っ °、。)っパタッ