「鬼…ごっこ?」
愛が不安そうに言う。
「ルールは簡単。鬼から逃げてください」
「範囲はこの学校の敷地内のみです」
「…は?」
「それでは、ゲームスタート」
わけがわからない。
「なあ、淳成…!」
大和がこっちに走ってきた。
「わけがわかんねえ…これなんなんだよ」
「そんなこと俺に言われても分かんねえよ」
俺はそんなこと考えてる暇はなかった
このゲームが始まる前に圭からお願いされた。
「日茉梨を見てやってほしい」
圭と日茉梨は幼稚園からの幼なじみだそうだ。
…それに、圭はきっと日茉梨のことが、…
その時
「淳成危ない!!」
誰かが俺を思いっきり押してきた。
ゆっくり目を開けると、そこには
日茉梨の姿が。
「無理矢理押してごめんね」
「大丈夫?」
なぜか、頬が熱くなった気がした。
「お、おう…//」
日茉梨は少し口角を上げた。
「絶対に生き延びようね」
そういって日茉梨はどこかにいってしまった。
急げ、急げ
私は部室へと足を急いでいた
今日は吹奏楽部の演奏があった
だから先輩達は部室にいるはずなのだ
「生きてて、お願い」
そう願うばかりだった。
バンッ🚪
「先輩っ!!!!」
思いっきり叫んだ。
でも、そこに待ち受けていたのは
「…えっ」
血まみれの部室と、倒れた先輩たちだった
足が動かなくなってしまった
涙がでるよりも先に失望感が襲ってきた。
「み、みゆ先輩…」
重い足を動かして、みゆ先輩のもとへ向かった。
みゆ先輩は楽器庫に倒れていた
金色のサックスが血に塗れて赤黒くなっていた
「ハアッ…ハアッ…」
なぜか呼吸が正しくできない
『ひまりちゃん音綺麗すぎだよ〜💕』
『ひまりちゃん〜今日も可愛いね❣️』
ああ、先輩、先輩、先輩
どうして、…!
目から涙が溢れた
嗚咽もこらえられなくて溢れてしまった
「ううっ…みゆ先」
「黙れ」
口を塞がれた
息ができなくなった
目の前が真っ暗になった
???
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