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#prtg
@ きみ以外なんて選ばないよ
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療養期間にしよう、と言われて数日
僕は、敦が働いている間
がらんとした広い部屋に取り残されるようになった。
ただただ静かな部屋で過ごすことが不安で
寂しさも紛らわすために
BGMを流すようにテレビのバラエティ番組を流し見するようになった。
画面の向こうで弾ける笑い声も、今の僕にとってはただの遠い世界の光景でしかない。
それでも、音がないよりは安全に感じた。
〝療養期間〟と言われても、あまり実感は無い。
この間まで普通に動けていたはずなのに
急に「休め」と言われても、心と体がちぐはぐに空回りしているようだった。
何もしていないと無性に罪悪感が湧いてくるし
世間の人々が忙しなく働いている時間帯に、ただ天井を見つめているだけの自分がたまらなく惨めになる。
本当に、ただ生きているだけの自分に罪責感が募っていった。
何も生み出さず、ただ消費するだけの存在。
その重圧が、じわじわと胸を締め付けた。
しかし、そんな不安を敦に話すと、彼は責める素振りをなにひとつ見せずに
〝ひろがするべきことは何かをすることじゃなくて、なにもしないでゆっくり休むことだよ〟
とだけ言って、優しく頭を撫でてくれた。
その大きな手のひらの温もりが心地よくて
だけど同時に、申し訳なさで胸がちくりと痛んだ。
それに加えて、家事分担に関しても話し合った結果
今の僕の体調を考慮して、僕は僕にできる範囲のことを。
「毎日料理を作る」ってガチガチに決めることはしないで、その日の体調や気分と相談しながら。
洗濯物を取って畳んでおく、とか
気力があったらお皿を洗っておく、とか
調子が良いときだけする、ということになった。
あまりにもハードルの低い、僕を甘やかすためだけのルール。
そんなことだけでいいの?と聞き返すと
〝今はひろの体調を優先して、俺に甘えてくれたら100点満点だよ〟
と、まるで当たり前のように教えてくれた。
「…でも、本当になにもすることないや」
ぽつりと呟いた声は、誰もいないリビングの壁に反射して虚しく消える。
敦が帰ってくるのは大体午後8時ごろ。
それまでの十数時間、僕は途方もない自由という名の孤独に放り出される。
とにかく、無理をしなければいい。
敦はそう言ってくれた。
(なら……その範囲で、少しでもしゅんの役に立てることをしないと…!)
そう発起し、ソファから立ち上がったものの、いざ動き出そうとすると鉛のように体が重い。
掃除は大変だし、洗濯物を畳んでしまう気力もない。
手足に力が入らず、頭に霞がかかったようになる。
それに、敦は休むのが仕事みたいなこと言っていたし、休んでた方がいいのかな?とも思う。