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@ きみ以外なんて選ばないよ
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でも休むと言っても休み方が分からない…
今までこういうときなにしてたんだろ…?と思い返すと
かつての自分が夢中になっていたものがいくつか思い当たる。
すぐ頭に浮かんだのは【BL漫画】や【チョコレートを食べること】だった。
それが僕の何よりの癒やしであり、生き甲斐であり、特効薬だったはずだ。
でも、今はとてもじゃないが、BL漫画を嗜む気にはなれない。
ページをめくる、文字を追う、物語に感情を移入する。
そのすべての工程が途方もないエネルギーを必要とするように思えてしまう。
山積みになったBL漫画はたくさんあるけど、なんだかそれも面倒くさいのだ。
かといってチョコレート菓子を僕が作れるわけもないし
そもそも最近じゃ、あまり食に美味しさを感じられない。
何を口にしても砂を噛んでいるようで、味覚そのものが霧に包まれてしまったかのようだった。
以前まで普通に飲んでいたインスタントの味噌汁なんて、不味くてとても食べれたものじゃなくなった。
出汁の香りも、味噌の塩気も、すべてが不快な異物のように脳に届く。
今まで好きだったお菓子も全部同じに見えて
コンビニの棚を前にしても購買欲すら湧かず、何も買わなくなった。
欲求が無くなった。
生きるための根源的なエネルギーが、すべて削ぎ落とされてしまったかのようだった。
本当に自分が〝変わった〟と嫌でも認識せざるを得なかった。
壊れてしまったのだ、僕は。
「あれ、もうこんな時間…」
気がつけば時計の針は昼を大きく回っていた。
お腹が空いたというより
胃が空っぽだから何かを入れなくてはという義務感だけで、昼ご飯の準備をする。
昼ご飯は、朝取っておいた冷ご飯と
昨日敦が作り置きしておいてくれたそぼろ丼の具だ。
それらをレンジでチンしてそぼろ丼にして食べる。
敦にはお味噌も飲めたら飲んでねと言われていたけど、正直インスタントの味噌汁は食べたくない。
あの異常な不味さを思い出すだけで、吐き気がしそうだった。
そして、温め終わった目の前にあるそぼろ丼を口に運ぶ。
(しゅんが作ってくれたものも…正直あまり味がしないっていうか…まるで粘土でも食べてるみたいに感じちゃうんだよね……)
かつてあれほど美味しいと感動した敦の手料理さえ、今の僕の舌は拒絶してしまう。
味気ない塊を、ただ義務的に咀嚼して喉の奥へと押し込む作業。
だから敦に「美味しい?」と聞かれても、前のように笑顔で答えられない。
そう聞かれる度にドキッとして、裏切りを働いているかのような罪悪感に襲われ
必死に作り笑いを浮かべて「おいしいよ、ありがとう」と答えてしまう。