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あ
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最近、舜太は自分でもおかしいと思っていた。
前までは平気だったことが、平気じゃない。
今日も
「勇斗くーん!」
女性スタッフが勇斗に笑いかける。
勇斗もいつも通り笑顔で返す。
「ありがとうございます!」
その光景を見た瞬間。
舜太の胸が、もやっとした。
「……なんなん」
思わず小さく呟く。
別に勇斗は悪くない。
仕事だし、普通の会話。
なのに、なんか嫌だった。
勇斗が他の人に優しくしてるのを見ると落ち着かない。
しかも最近、勇斗は少し距離を取っている。
前みたいに無理やり近づいてこないし、触れてこない。
それなのに舜太の方が勝手に勇斗を目で追ってしまっていた。
(ほんま意味分からん……)
休憩中
舜太は楽屋の隅でスマホを見ていた。
すると隣に誰かが座る。
「……しゅんた」
その声だけで分かる。
「っ…」
顔を上げると勇斗がいた。
前みたいに逃げようとして、でも今日は体が動かなかった。
勇斗はそんな舜太を見て少し笑う。
「逃げないんだ」
「……別に」
「ふーん」
近い。
でも、嫌じゃない。
むしろ近づかれると少し安心してしまう自分がいて、舜太は余計混乱した。
勇斗はペットボトルを開けながら、ぽつりと言う。
「最近ちょっと優しくなったよね」
「え…?」
「前、近づかんといてって感じだったじゃん」
「……っ」
思い出して恥ずかしくなる。
勇斗は笑いながら舜太を見る。
「今は逃げなくなった」
「…慣れただけ」
「ほんとに?」
その言い方がずるい。
舜太は視線を逸らした。
すると勇斗がふと小さく笑う。
「嫉妬してた?」
「……は?」
「さっき」
「スタッフさんと喋ってた時、めっちゃ顔怖かった」
「してへん」
即否定。
でも勇斗は完全に分かってる顔だった。
「してたじゃん」
「してないって!」
「じゃあなんであんな不機嫌だったの」
「…わからん」
本当に分からない。
でも勇斗を見てモヤモヤしたのは事実だった。
勇斗は少しだけ目を細める。
「嬉しい」
「なんでやねん…」
「だって俺のこと気にしてるってことでしょ」
その言葉に舜太は黙り込む。
否定できない。
勇斗はそんな舜太を見つめながら、静かに笑った。
「しゅんた」
「……なに」
「顔赤い」
「うるさい」
舜太は顔を隠す。
すると勇斗が少し身を乗り出した。
近づく距離。
また心臓が速くなる。
「ねぇ」
低い声。
「今も俺のこと拒否してる?」
その質問に、舜太は息を止めた。
前なら即答で“無理”って言えた。
でも今は。
「……分からん」
小さく出た本音。
勇斗の目が優しく揺れる。
「そっか」
「でも、まだ怖い」
「うん」
「はやちゃん急やし……」
「ごめんって」
苦笑する勇斗。
その笑い方を見ていると、胸が変になる。
勇斗は少し黙ったあと、そっと舜太の髪を触った。
びくっと肩が揺れる。
でも、振り払えない。
勇斗はその反応を見て少しだけ嬉しそうに笑った。
「……前なら逃げてた」
「……」
「進歩じゃん」
「知らんし…」
舜太は小さく唇を尖らせた。
すると勇斗が急に静かになる。
「……やばい」
「え?」
「今のめちゃくちゃかわいい」
「は…?!」
舜太は一気に顔を赤くした。
「かわくない、」
「かわいい」
「もうほんま嫌や!」
ソファの端へ逃げようとする。
でも勇斗が腕を掴んだ。
「っ」
そのまま軽く引き寄せられる。
近い。
また壁ドンされた時みたいに逃げ場がなくなる。
勇斗は真っ直ぐ舜太を見つめた。
「しゅんた」
「……なに」
「そろそろ期待していい?」
ぐい、と引き寄せられる。
気づけば背中がソファに押し付けられていた。
「は、はやちゃん……!?」
勇斗がそのまま舜太の両隣に手をつく。
逃げ場がない。
近すぎる。
心臓の音がうるさい。
勇斗は真っ直ぐ舜太を見つめながら、小さく笑った。
「逃げないでよ」
「に、逃げるやろ普通……」
「でも逃げてない」
「っ……」
図星だった。
勇斗はさらに顔を近づける。
息がかかる距離。
舜太は反射的に目を閉じそうになる。
「しゅんた」
低く名前を呼ばれる。
それだけで力が抜けそうになる。
「最近さ」
「……なに」
「俺にドキドキしてるよね」
「してない…」
即答したのに声が裏返る。
「分かりやすすぎ」
「うるさい……」
舜太は勇斗の胸を押す。
でも離れてくれない。
むしろ勇斗は、その手を強く掴んだ。
「っ」
指が絡む。
その熱に、舜太の呼吸が止まりそうになる。
勇斗は優しく名前を呼んだ。
「しゅんた」
「……」
「もう一回キスしたら、また嫌がる?」
その言葉に、舜太の頭が真っ白になる。
逃げなきゃいけないのに。
拒否しなきゃいけないのに。
勇斗の顔が近づいてくると動けなかった。
コメント
3件
まじ主さんのストーリーよすぎです✨更新早くて助かります!ありがとうございます!!
うわー!更新ありがとうございます😭 なんかむずキュンでいいですね!次のお話も一気に更新してくれたんですか!? 神ですね🤩ありがとうございます☺️
おお…第4話、めっちゃ進展しましたね! 舜太の「嫉妬してる?」って勇斗にズバリ言われた時の慌て方が、読んでてこっちまでドキドキしました。しかも「逃げないでよ」って言われて実際逃げられなくなってる舜太、完全に自覚し始めてるやつじゃないですか。勇斗の「そろそろ期待していい?」ってセリフ、めちゃくちゃずるい…。 距離の取り方とか接触の仕方がどんどん丁寧になってるのも良いです。次、どうなるんだろう…続きが気になります!